大学院生、研究を目指す皆様へ(研究について)

 大学病院は、診療面で現在の最先端医療を地域に提供するのみでなく、5年先10年先の新しい治療法を研究、開発することも重要な責務であります。そのためには、
(1)診療と平行してリサーチもおこなえる人材の育成、
(2)臨床の現場に視点を置いたトランスレーショナルリサーチの推進、
 の2点が重要であると考えております。

 優れた医師とは、診療で疑問に思った時、治療法の選択に迷った時に自ら考えて解決する能力を備えた医師であり、このような能力を育成していくには、一定期間、大学や研究施設(国内外の留学を含む)で基礎研究や臨床研究をおこなって、科学的に医学を考える力を身につけることが必要であります。若い医師の皆様には、ぜひ大学院生や研究生として臨床に直結する医学研究をする機会を持つことを推奨します。当大学においては、大学院生であれば一定期間(通常2年間)は臨床の業務から離れ、研究に没頭することも可能であり、ハイレベルの医学論文を作成したり、医学博士の学位を取得する近道にもなります。また将来、本学教室や他大学の指導者になる夢をもってもらいたいと思います。大学院生でなくても臨床研究の題材は多く、医学博士取得も可能です。 現在、学内の複数の基礎医学教室や学外の研究施設とコラボレーションを強化していますが、今後も共同研究を多くの施設と展開していきます。

本教室の主な研究テーマは、 (1)婦人科癌の腫瘍免疫システムの解明と新たな免疫療法、分子標的治療の開発。
(2)卵巣癌の腫瘍微小環境におけるケモカインの機能解析と腹膜播種の分子機構の解明。
(3)胎盤トロホブラストにおけるストレス応答、分子シャペロンの機能解析。
(4)胎児発育不全、妊娠高血圧症候群の診断・治療法の開発。
(5)子宮内膜症の進展メカニズムの研究。その他にも多くの研究テーマを推進しています。

当教室における人材育成のモットーとして、 (1)高い医療倫理観
(2)チーム医療を遂行できる協調性、
(3)研究を立案し実行できるリサーチマインド、
 以上3点を有するような優れた医療人を育てていきたいと考えております。



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