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婦人科 【 内分泌疾患 】

内分泌疾患

 産婦人科で扱う内分泌疾患とは月経に関連する疾患です。
女性は一生涯を通して卵巣から出る女性ホルモンと大きく関わりを持っています。
月経(生理)はどうやっておこるか知っていますか?
実に巧妙にコントロールされているのです。
ご紹介しましょう。
 

子宮のはなし

shinryo1 生理は子宮から起こる出血のことです。
子宮は骨盤の一番深いところにある臓器で、腟で外に繋がっています。
月経は毎月定期的に起こる出血ですが、厚くなった子宮内膜が剥がれることによる出血です。子宮内膜はどうして厚くなったり剥がれたりするのでしょうか?
 
 
 

卵巣のはなし

 子宮の左右には2個の卵巣があります。卵巣には卵子が詰まっているのですが、この卵子が月に一度お腹の中に放出されます(排卵と言います)。卵子は卵巣の中では卵胞という袋に入っています。卵胞はホルモンを産生する細胞が取り巻くようにおおっていて、排卵に向けて細胞の数が増えて卵胞は大きくなっていきます。卵子を取り巻く細胞は排卵までの間に卵胞ホルモンを出します。shinryo2これが女性ホルモンと呼ばれるもので、女性の身体にいろいろな作用を持っています。子宮内膜を厚くするのも卵胞ホルモンの働きの一つです。
 排卵すると、卵胞(袋)が破れて卵子が外に出るのですが、卵胞は黄体と呼ばれるようになります。細胞の形が変わり袋ではなくなります。また黄体ホルモンと呼ばれる違うホルモンを作り出します。黄体ホルモンは卵胞ホルモンと共に子宮に働いて子宮内膜が受精卵を受け取れるように準備をします。妊娠しなかった場合この努力は空振りに終わるのですが(多くはそうです)、黄体も寿命を終えホルモンの産生はなくなります。今まで、卵巣からのホルモンの働きで子宮内膜は支えられてきましたが、ホルモンがなくなるので支えがきかなくなり剥がれて落ちる、これが月経(生理)です。 では卵巣はどうやって規則正しく働くことができるのでしょうか?

下垂体のはなし

 子宮や卵巣から遠く離れた頭の中にそのコントロールセンターはあります。
 下垂体です。下垂体の中には様々な臓器のコントロールセンターがあります。卵巣、甲状腺、副腎など多くのホルモンを産生する臓器の元締めのようなところです。

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卵巣をコントロールしているのはFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体刺激ホルモン)呼ばれるホルモンです。同じ細胞から作られています。名前からもわかるように役割分担がされています。排卵まではSHが中心となって卵巣に指令をし、卵胞を大きく発育させる働きをします。排卵後はLHが黄体細胞から黄体ホルモンを作るための指令を送っています。
脳から卵巣までははるかに離れていますが、FSHやLHは血液の中を運ばれていき卵巣に到達します。寄り道はしません。

視床下部のはなし

 下垂体よりもさらに上にスーパーコントロースセンターがあります。
 下垂体のすぐ上、脳の中に視床下部というところがあり、その中の細胞が下垂体に指令を送っています。これらの細胞は神経細胞でLHRHというホルモンを作っています。ここは脳の中なのでいろいろな神経細胞の影響を受けます。ストレスや疲れ、体重の急激な増減などちょっとしたことが神経細胞を通じてLHRHの産生に影響を及ぼすことがわかっています。

フィードバックのはなし

視床下部→下垂体→卵巣→子宮というコントロールの仕組みをお話ししました。一方で卵巣→下垂体、卵巣→視床下部という逆のコントロールも存在します。これがフィードバックです。卵巣から卵胞ホルモンが多く出たとき、「もうそんなに働かさないでいいよ」と、ストップがかかります。これで卵巣の働きすぎを抑えることができます。
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月経不順のはなし

月経がふつうに来ることは結構すごいことだということがわかっていただけたかと思います。視床下部、下垂体、卵巣、子宮このどこかに乱れが生じても月経はうまく来ないのです。そのほかの病気が原因で月経が不順になることもあります。そんな時は迷わず産婦人科を受診してください。



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