特色GPへの選定理由

この取り組みは、和歌山県立医科大学が重視する態度人間教育の一環として、医学生の「ケアマインド」を育成するための教育プログラムを、全学年にわたって体系的に整備したものです。

 

本プログラムの概念図


 

1年次から「延命治療」・「重症障害新生児治療停止」・「着床前診断」・「安楽死」・「植物人間の尊厳死」など人間の生き方の根源に関わるテーマについてセミナー型討論授業を組み、3年次からボランティア活動に多くの学生が参加し、緩和ケア病棟で「傾聴ボランティア」を体験したり、医療過疎地でホームステイをしながら医療の現実を考える体験実習をしています。5年次には、さまざまな医療上の問題をテーマとするロールプレイを学生が主体的に企画運営し、学内外へ公開しています。5~6年次には本学が他大学に先駆けて設置した緩和ケア病棟で、終末期医療の実際を実習しています。

取り組みの一つひとつをみれば必ずしも目新しいものではなく、他大学にも同様の事例が見られますが、卒前教育全体の中で体系的に整備し、大学を挙げて一貫性をもって取り組んでいる点に特色があり、他大学の参考になる優れた事例であると言えます。これらの取り組みの有効性を示す根拠もいくつか示されました。 今後ボランティア活動を正規の授業に組み込み、またそれぞれの取り組みにおける到達目標を整備し、医学生個人に関する評価のあり方に工夫を加えれば、この取り組みが一層生かされるものと期待されます。


(財団法人大学基準協会の文書より)