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乳がんの診断と治療

日本では毎年新たに約35,000人の方が乳がんになり、約10,000人の方が亡くなっています。日本人女性では40〜50歳代の乳がん発病が特に多いため、乳がんはこの年代の女性にとって最も多いがん死亡原因です。しかし、乳がんは決して治りにくいがんではなく、早期(非浸潤がん・1期)に発見できれば9割の方が治癒しています。さらに早期発見により、乳房や腋のリンパ節を残した小さな手術(乳房温存手術センチネルリンパ節生検)が可能となります。

乳がんの診断

乳がんの診断はまず視触診検査と各種画像診断(マンモグラフィ検査、超音波検査、MRI検査やCT検査)を行い、最終的に病変の顕微鏡検査(細胞診や組織診)によって確定します。

マンモグラフィ

マンモグラフィとは乳房専用のX線撮影のことで、触診では見つけることのできない小さなしこりや乳がんの初期症状である微細石灰化を描出し、早期発見を可能にします。
(右写真:マンモグラフィの石灰化)

マンモグラフィ検査の実際

マンモグラフィ検査では乳房を二枚の板で圧迫し、平たく引きのばした状態で撮影します。この際に痛みを伴うこともありますが、圧迫はできるだけ少ない放射線被曝で小さながんを見落とさないためにどうしても必要なことなのでご容赦下さい。
(右写真:マンモグラフィ検査の実際)

超音波検査

超音波装置

耳には聞こえない高い音(超音波)を乳房にあてて、乳房内部から反射してくる音を画像として表示します。検査は乳房にゼリーを塗り、超音波を出す器具を乳房の上で動かすだけです。放射線被曝はなく、マンモグラフィ検査のような痛みもありません。

乳腺疾患の一般診療では、マンモグラフィ検査と超音波検査が基本的かつ不可欠なものです。マンモグラフィ検査は乳房全体をくまなく検査することができ、特に石灰化を目印として「超」早期がんの発見に威力を発揮しますが、乳腺の発達した若い女性ではその診断精度に多少難があります。超音波検査は若年女性の乳房でも病変の描出力に優れていますが、マンモグラフィのように手で触れることのない超早期がんを見つけることはなかなか困難です。このようにマンモグラフィ検査と超音波検査はそれぞれ異なる特性を持っており、がんの見落としを少なくするためには両方の検査を受けていただくことが重要です。

MRI検査

当科では、マンモグラフィ検査や超音波検査でがんを疑った場合、磁気を利用して体の断面を映し出すMRI検査を追加しています。検査は腹ばいで、造影剤の点滴をしながら行います。MRI検査の目的は造影剤の染まり具合で病変の良悪性を鑑別すること、さらに乳がんの広がり具合を正確に把握することにあります。乳房温存手術の適応を決める上で重要な検査です。


写真:マンモグラフィでははっきりしないがんの広がりを(左)、MRI検査では明瞭にとらえることができます。

細胞診

乳房にしこりを触れたり、マンモグラフィや超音波検査でがんが疑われる場合に行う検査です。しこりに細い針を刺して細胞を吸引し、顕微鏡で良悪性を診断します。

組織診

細胞診で診断のつかない時は、組織診が必要となります。組織診には細胞診より太い針を使って組織を採取する針生検と、メスで切開する外科生検があります。当科では、新しい針生検方法であるマンモトーム生検を行っています。マンモトーム生検の利点は、外科生検のような傷跡や乳房の変形を残すことなく、小さな傷跡で正確な診断が可能なことです。特に、しこりとして触れないマンモグラフィの石灰化病変から組織を採取する際には、マンモトーム生検が必須の検査となります。

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