和歌山県立医科大学附属病院では麻酔科医が24時間待機していますが、常に分娩フロアにいる訳ではありません。麻酔科医は手術室をはじめ病院内の様々な場所で仕事をしていますので、突然の無痛分娩には対応できない場合もあります。しかし、無痛分娩を予定した産婦さんが入院される時には、看護スタッフと麻酔科医は早くから連絡を取り合うようにしており、問題となることがないよう常に配慮しております。
合併症を持つ産婦さんについては、前もって出産のスケジュールを決めておく「計画分娩」を行うこともあります。この場合、子宮の収縮を助ける薬(子宮収縮促進剤)でお産を進めながら、計画的に無痛分娩を行うことができます。
当センターでは、とくに合併症を持たない産婦さんについては、自然に発来した陣痛に合わせて硬膜外無痛分娩を開始する場合がほとんどです。この場合、産婦さん自身が感じる痛みの強さに応じて、産婦さんと相談しながら麻酔を始めるタイミングを決めていきます。早くから無痛分娩を開始しても、分娩が長引くなどの影響はありませんので、痛みを我慢する必要は全くありません7)。もちろん、産婦さん御自身の判断で最後まで麻酔をしないことも選択肢のひとつですので、無痛分娩を予定している産婦さんであっても、必ずしも無痛分娩を受ける必要はありません。ただし、出産間近になって痛みが強くなってくると、硬膜外カテーテルを背中から入れるための姿勢をとっていただくことも困難になることがありますので、最後まで我慢することはあまりお勧めしていません。また、自然の陣痛に合わせて硬膜外無痛分娩を開始する場合でも、途中から子宮収縮促進剤が必要になることがあることをご理解下さい。
|TOP|