教育研究開発センター

センター長あいさつ

シームレスな学部間連携により、地域と世界をリードする高度医療人を育成する

教育研究開発センター長 教授 村田 顕也

 和歌山県立医科大学は、紀州が生んだ医聖・華岡青洲の「内外合一・活物窮理」の精神を「医の心」のルーツとし、倫理観と豊かな人間性を備えた医療人の育成を教育理念に掲げています。この理念のもと、本学における医学・保健看護学・薬学教育の企画・開発、および入試制度の研究を行い、教育活動の改善に寄与する全学横断組織として、平成18年に教育研究開発センター(以下、センター)が開設されました。近年、社会情勢の変化に伴い、本学には3学部を擁する医療系総合大学の強みを活かした多職種連携教育の推進が求められています。しかし、各学部が持つ専門性の高さゆえに教育システムそのものが縦割りになりやすく、大学全体を貫く教育連携や学部横断的な取り組みの構築にはいまだ課題が残されています。

 この課題に対し、当センターは3学部の学生が合同で学ぶ「ケア・マインド教育」などの多職種連携プログラムを開講しています。また、医学部では教育プログラムの質を客観的に担保するため、カリキュラム専門部会による策定(Plan)、教務学生委員会による管理・実施(Do)、プログラム評価委員会による評価(Check)、その検証結果を踏まえたさらなる改善(Act)を行う役割が独立したPDCAサイクルを稼働させています。この改善プロセスには学生自身が主体的に参画する「学生参画型」を採用しており、令和6年度からは教務学生委員会にも学生が正式委員として加わる体制が構築されました。同時に、設置されたIR(Institutional Research)部門が学生の成績やコンピテンシー到達度、学修実態を客観的に分析し、データに基づく教育の質保証を実務面から支えています。

 しかし、多職種連携を掲げる学部横断教育は低学年の早期体験に留まる傾向があり、全学年を貫く系統的・継続的な教育実践としては十分とは言えません。また、カリキュラム差異に伴うIRデータの3学部統合や、実態調査の標準化も途上にあります。さらに各学部とも、成績不良・留年生に対する修学支援、学生のメンタル調査、分野別評価への対応など、果たすべき実務は多角化しており、限られた教職員リソースの中で、教育活動における学術的研究との両立や持続可能な運営体制をいかに担保するかが大きな課題となっています。

 そこで当センターは、学修データの分析や評価を3学部の連携基盤に据えつつ、「3学部の教育のハブ」として機能し、学部の垣根を取り払った学部横断教育プログラムを推進します。大学全体が一体となったシームレスな連携体制を構築し、地域医療から国際社会まで広く貢献できる医療人を育成するため、教育活動の不断の改善を継続していきます。

設置の目的

 和歌山県立医科大学 教育研究開発センター(Center for Education Research and Development)は、本学における医学・保健看護学・薬学教育に関する研究、開発、企画、および入試制度の研究を行うことにより、教育活動の不断の改善に寄与することを目的として設置された全学的な組織です。教育活動の円滑な推進と質の向上を目指し、平成18年4月1日に開設されました。

センターを支える管理・評価機関

 センターの組織運営と教育評価の客観性を担保するため、以下の管理・点検組織が置かれています。

  • 教育研究開発センター運営委員会
     センターの教育または研究に関する重要事項を審議する意思決定機関です。医学部、保健看護学部、薬学部の各学部長や病院長、事務局長等、全学の主要構成員で組織されています。
  • 教育研究開発センター自己評価委員会
     センター自身の研究・組織運営活動の自己点検・評価を行うとともに、本学の3学部教育に関わる教育評価の実施やその結果の公表について審議・点検する機関です。

部門と主要組織・業務

1. 教育研究開発部門

 全学的な教育改革を実務レベルで推進する組織として、「カリキュラム専門部会」「臨床技能教育部会」「FD部会」の3つの部会が設置されています。 また、3学部の特性を反映した全学連携を図るため、各部会の下にはそれぞれ「学部委員会」(医学部委員会、保健看護学部委員会、薬学部委員会)が置かれています。

  • カリキュラム専門部会
     カリキュラムの編成、改善および開発、授業の実施体制の構築、さらには全学的な教養教育(リベラルアーツ)の企画・立案など、カリキュラム全般に関わる検討を担っています。
  • 臨床技能教育部会
     シミュレーターを用いた臨床技能教育の方針策定や、その教育手法の研究・評価を行う部会です。客観的臨床能力試験(OSCE)やCBTといった共用試験の実施方法の検討、臨床実習評価の管理を担っています。
  • FD(Faculty Development)部会
     教員の授業内容や教育手法の組織的な改善活動を支援する部会です。効果的な授業方法の開発、教員研修(FDセミナーやワークショップ)の企画・実施、授業評価アンケートの分析や「相互授業参観」などを実務面から推進しています。

2. IR(Institutional Research)部門

 本学の教育活動に関するデータの収集、管理、分析および情報提供を行い、客観的なデータに基づく学内の意思決定支援と教育の質保証を図る部門です。

  • IR検討委員会
     IR部門の業務全般(学生の成績、カリキュラム、卒業後のキャリアに関するデータ分析など)に関する重要事項を審議する委員会です。部門長、副部門長、3学部の長、学生部長、入試センター長等で組織されています。
  • 学部委員会(例:IR部門医学部委員会など)
     各学部の教育特性に応じたIR活動を機動的に行うため、部門内に設置されています。たとえば「医学部委員会」では、入試成績の解析や、在学生の各種試験(CBT、卒業試験、国家試験等)の成績データの継時的相関分析などを行い、教育方針や修学支援の策定に役立てています。

臨床技能研修センター(スキルスラボ)の管理・運営

 当センターは、シミュレーターを用いた実践教育の拠点である臨床技能研修センター(通称:スキルスラボ)の管理・運営を所管しています。

  • 設置目的と構成:本学の学生や附属病院の研修医をはじめとする教職員、および地域医療支援の一環として学外の医療従事者の臨床技能習得・向上、ならびに医療の安全管理確立を図ることを目的に設置されています。施設内には「基本的手技研修室」「外科的手技研修室」「BLS・ACLS研修室」「模擬病室」の4つの専門研修室が置かれ、高度な各種シミュレーター機器が整備されています。
  • 管理・運営体制:規程に基づき、施設運営に関する重要事項は本センターの臨床技能教育部会で審議されます。施設の管理者は教育研究開発センター長が兼務し、施設・備品の維持管理、使用者への技術指導、同部会への運営報告などを行います。
  • 利用実績:当施設は、学内教育のみならず、地域医療に貢献する多職種・広域なシミュレーション訓練の場として、極めて高い稼働実績を誇っています。
    • 令和6年度総利用者数:5,650名(学内:4,540名、学外:1,110名)
    • 職種別利用者数内訳:
      • 医師:1,071名
      • 看護師:2,234名
      • 学生:1,164名
      • その他:1,181名

全学的な教育支援のハブ機能

 当センターは、3学部のカリキュラム編成から、臨床シミュレーターを活用した高度な実践的技能教育、FD活動による教育品質の担保、さらにはIR部門による多角的な学修データ検証に至るまで、全学の教育活動を網羅しています。本センターは、それぞれの機能が有機的に結びつくことで、本学の医学・保健看護学・薬学教育を中央から力強く牽引する「教育支援のハブ機関」として機能しています。

スタッフ一覧

 当センターには、医学教育学に加え、脳神経内科学、循環器内科学、社会学、精神医学、物理学など、多様な専門分野を背景とする教職員が在籍しています。

教授/センター長 村田 顕也 医学医療教育学講座・保健看護学部・脳神経内科学講座(兼務)

准教授/副センター長

谷本 貴志 医学医療教育学講座・保健看護学部(兼務)
講師 佐々木 洋子

医学医療教育学講座・保健看護学部・薬学部(兼務)

助教 森 めぐみ 医学医療教育学講座・保健看護学部・脳神経内科学講座(兼務)
助教 藤林 舞 医学医療教育学講座・神経精神医学講座(兼務)
学長特命助教 中津川 洋平 医学医療教育学講座(兼務)

教員以外の所属スタッフ5人(看護師1人を含む)

教育研究開発センター組織図

教育研究開発センター(CERD)の概念図

実績報告書

 当センターの事業実績報告書をPDFファイルで公開しています。

医学医療教育学講座のページはこちら

2026年8月28日更新

お問い合わせ

教育研究開発センター
TEL 073-447-2300(代表)

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