次世代医療研究センター
令和3年4月、紀三井寺キャンパスに次世代医療研究センターを設立しました。
医・看・薬3学部間連携の最先端医学研究の拠点及び産官学の研究拠点としての役割を担ってまいります。
次世代医療研究センター長 泌尿器科学講座教授 |
原 勲 |
次世代医療研究センター副センター長 薬学部長 |
太田 茂 |
次世代医療研究センター特別顧問 探索的がん免疫学講座 |
山上 裕機 |
1階
医療データサイエンス教室
(Real World Data(RWD)から治療効果を推定するための統計的機械学習法の開発と応用に関する研究)
研究概要
近年、疾患レジストリ・データを含むリアルワールド・データの利活用が注目を浴びている.医薬品の臨床評価過程では,リアルワールド・データを医薬品の製造販売承認に利用するための方向性として、Pragmatic Clinical Trialsが注目されており,本邦においても例外ではない.
このような時流の中,医薬品の臨床開発環境は大きな転換期を迎えようとしている.その背景の一つには、医薬品の研究開発費の高騰がある.
また、患者側の立場から考えた場合,「個別化医療(Precision medicineあるいはPersonalized medicine)」に対するニーズが高まっている.これは,現在の疾患別における「エヴィデンスに基づく"平均的な"治療の提供」から,「遺伝子情報を含む患者背景に基づく"患者個々に最適な治療"の提供」への転換を表している.このような治療計画を実現するためのシステムの構築に対する試みは,既に米国を中心に進んでいる.
「効率的な医薬品開発」と「最適な治療の提供」は,Real World Data(RWD)という同じキーワードのもとで活発な研究が進んでいる.そのなかにあって,注目されているのが異質性治療効果(HTE; Heterogeneous Treatment Effect)あるいは条件付き平均治療効果(CATE; Conditional Average Treatment Effect)という考え方である.これは,任意の背景情報をもつ患者において,特定の治療方法が既存の(標準的な)治療方法に比べてどの程度アウトカムに優れているかを表す用語である.HTE(CATE)の適切な推定が可能であるとき,任意の治療によるベネフィットを患者毎に適切に測ることができる.このことは,個別化医療の実現に繋がる.HTEの統計学的な推定モデルは,治療効果モデル(treatment effect model)と呼ばれ,米国を中心に活発に開発が進んでいる.
他方,本邦において,治療効果モデルの研究は大幅に遅れており,また,治療効果モデルに基づく医薬品開発のための統計解析プラットフォームの開発は殆ど行われていない.本研究の目的は,新たな治療効果モデルの開発を行うとともに,その研究成果を医療現場に導入するためのプラットフォームを開発することにある.
現在のテーマ
- 縮小推定を伴うアンサンブル樹木モデルおよび非線形回帰モデルに基づく治療効果モデルの開発
- 治療効果モデル(Treatment Effect Model)の2値応答,生存時間解析および経時測定データへの拡張
- 推定治療効果に対するレスポンダー同定のためのアルゴリズムの開発とReal World Data(RWD)への応用に関する研究
構成員 | |
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医学部 教授 附属病院 臨床研究センター 副センター長・データセンター長 |
下川敏雄 |
医学部 助教 附属病院 臨床研究センター データセンター |
万 可 |
医学部 連携准教授 アステラス製薬株式会社 |
伊藤 雅憲 |
同志社大学 文化情報学部 教授 | 宿久 洋 |
VR研究室(入院患者に対するAR/VR技術を応用した緩和ケアに関する医・看・薬共同プロジェクト)
研究概要
多くの国民は自宅での療養生活の継続や最期を迎えることを希望しており、その主な理由として住み慣れた場所で、自分らしく、家族と過ごす時間を多くしたいことです。しかし現実には介護する家族に負担をかけたくないなどの理由でがん終末期に緩和ケア病棟に入院後自宅への退院が困難な患者も多くおられます。また2020年以降COVID-19感染症のため家族との面会が制限され、外出・外泊も出来なくなり家族との関係性や社会とのつながりが希薄になっています。後者の問題は骨髄移植で長期の入院生活を余儀なくされる患者のQOLも低下させています。これらの患者に、自宅や職場などの入院前に日常であった環境へ移動し、家族・友人らとリアルタイムに会話しているような仮想現実環境をAR/VR技術等を用いて提供することで、患者自身が社会や家族とのつながりを感じられる緩和ケアを実現することにより身体的苦痛・心理的苦痛を軽減し、QOLの向上をはかることをプロジェクトの最終目的としています。
現在研究中の課題
- 入院患者に対する自宅仮想現実映像を用いた緩和ケアの有用性を検討する前向き観察研究:研究責任者 月山淑 2021年4月28日承認
- 入院患者に対する自宅仮想現実映像を用いた緩和ケアプログラム」に協力する家族介護者の気分状態の変化に対する前向き観察研究:研究責任者 向 友代 2021年6月30日承認
構成員 | |
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特別顧問 | 山上 裕機 |
医学部麻酔科学講座准教授 附属病院腫瘍センター緩和ケアセンター長 |
月山 淑 |
附属病院看護部 | 向 友代 野口 理恵 吉田 純子 柏田 真希 |
附属病院臨床研究センター教授 副センター長 |
下川 敏雄 |
附属病院輸血部准教授 医療情報部長 |
西川 彰則 |
薬学部長 衛生薬学講座教授 |
太田 茂 |
保健看護学部 がん看護専門看護師コース | 山田 忍 |
医学部外科学第2講座講師 | 速水 晋也 |
附属病院腫瘍センター非常勤講師 | 勝田 将裕 |
3階
バイオメディカルサイエンスセンター
概要
バイオマーカー解析部門、検体管理部門、情報管理部門、システム管理部門の4部門で構成しています。
バイオバンク事業と解析事業の2つの事業を行い、がんや難治性疾患などの研究を行うための基盤施設として、医学部・薬学部共同による創薬研究や企業との共同研究を推進します。
バイオバンク事業においては、血液や組織などの生体試料と詳細な臨床情報を収集・保管し、将来の医学研究における貴重な研究資源として活用します。
解析事業においては、次世代シーケンサー等の機器を用いて、がんや難治性疾患の発症原因の解明、新しい診断法や治療の開発を目指します。
4階
脳神経内科研究室
研究概要
- 神経変性疾患のバイオバンク確立:筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、認知症などの神経変性疾患のバイオバンクを確立します
- 神経免疫疾患の診断および予後予測因子の確立:多発性硬化症、視神経脊髄炎、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群などの神経免疫疾患の診断に有用な因子、および、予後を予測する因子の確立を目指します
構成員 | |
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医学部脳神経内科学講座教授 | 伊東 秀文 |
准教授 | 宮本 勝一 |
助教 | 中山 宜昭 |