和歌山県立医科大学 血液内科

専門医取得について

血液内科で取得できる専門医の資格


血液内科では内科臨床医としての基本的な診断・治療は勿論、血液腫瘍に関する専門的な知識や技術を習得し、臨床腫瘍学会の専門医とともに、特に血液疾患診療の専門家として血液専門医や輸血認定医の取得が可能です。また、造血器や血液疾患に対する、基礎的・臨床研究による博士号の取得、更には海外施設への留学への道もあります。現在の医療現場では、がんの薬物療法のスペシャリストが必要とされており、平成17年度より「臨床腫瘍専門医」の認定が開始されています。造血器系以外の消化器・呼吸器・代謝内分泌系等の様々の科で、抗癌剤を使用して治療する機会があります。また、内科領域のみならず、外科・脳神経外科・整形外科・泌尿器科等においても、化学療法や化学療法に伴う支持療法(輸血や感染症対策)の知識が必要です。血液内科でのトレーニングは、臨床腫瘍学の知識と化学療法を行う上での患者さんの全身管理に必要な事を基本から専門的な事まで学べます。そのため、将来的に血液内科以外の診療科でがん治療の専門医をめざす方にとっても必要な経験と言っても過言ではありません。血液内科での経験は、内科認定医や専門医を取得するための経験のみならず、臨床腫瘍専門医の取得に大いに役立つ事でしょう。実際に造血器腫瘍の治療経験が、臨床腫瘍専門医の取得に必要とされている程です。当科では、血液内科以外を専門とする方のための臨床腫瘍専門医取得を目指した研修プログラムも用意しています。

Oncologistへの道、臨床腫瘍医取得

臨床腫瘍専門医には、がんの薬物療法の専門家として患者さんのトータルケアが出来ることが要求されます。欧米では以前から臨床腫瘍学の専門家が高い評価を受けていましたが、この称号取得には造血器悪性腫瘍の治療経験は実は必須なのです。日本でも平成17年から「臨床腫瘍専門医」の認定が始まりました。受験資格として3種類以上の臓器のがん治療経験が必要となりますが、その中に血液疾患の治療経験が望まれています。外科系や産婦人科・泌尿器科等内科系以外を専門とされる方々も、抗癌剤の知識と豊富な使用経験は必要です。最近では固形腫瘍においても自己末梢血幹細胞移植を併用した、大量化学療法を行う機会も増えています。血液内科での研修経験はそれぞれの専門科に於いて非常に役に立つ事と確信します。臨床腫瘍専門医取得のみならず、「末梢血幹細胞移植が得意な外科医」といった一味違った専門性を得る事ができる訳です。

めざせhematologist! 血液スペシャリストへの道

血液内科では、日本血液学会が認定する血液専門医制度に沿った研修カリキュラムを行っています。血液専門医の取得には、卒業後2年間の臨床研修の後に更に1年以上の一般内科医としての臨床経験を行って内科認定医を取得することが必要です。そして内科認定医の取得後、卒後6年以上の臨床研修期間中に日本血液学会認定の施設で少なくとも3年間、臨床血液学の研修を受ければ血液専門医試験を受験することが出来ます。これらの受験資格には学会・論文の発表が必要とされていますが、血液内科では学会発表を行う機会も多く、専門医を受験する資格を得るのに役立ちます。血液専門医を取得した後、実績を積むことで血液指導医の資格を取ることもできます。この過程において、広く他領域のがん治療も経験し、臨床腫瘍専門医の資格を得る事もできる訳です。

世界にはばたけ、血液研究者への道

 患者さんに接して様々な症例を経験すると、病態はどうなっているのか?こういう患者さんに新しい治療はないのか?と様々な疑問がわいてきます。この様な方には臨床研究や分子生物学的な基礎研究への道をおすすめします。初期研修あるいはその後の臨床経験の後に大学院へ入学、数年間の研究生活の後、学位取得(医学博士)となるわけです。そのまま、自分の疑問をとことんまで追究したくなった方は、海外などに留学して更に血液学を極めます。実際我々の血液内科のスタッフの大半がアメリカ、イギリスでの留学生活を経験してきています。当科には研究の基礎から応用まで学べる環境が用意されています。勿論思う存分研究できるとともに、臨床血液内科医としての経験も重ねられます。

実験風景
実験風景1 実験風景2
実験風景3 実験風景4

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