当院の産婦人科は、大学病院であるとともに総合周産期母子医療センターが設置されており、重症妊産婦の母体搬送や新生児搬送を常時受け入れている。一方、婦人科分野では県がん診療連携拠点病院として婦人科悪性腫瘍の手術症例も豊富である。また地域の拠点病院としての役割も大きく、一般妊婦健診や正常分娩も多数扱っており、婦人科良性疾患の手術件数も多い。従って産科・婦人科両分野においてプライマリ・ケアから高度先端医療までのすべてを満たした研修を行うことが可能である。
また、必修科目及び自由選択科目をローテート方式で実施している当院のプログラムは、和歌山県立医科大学附属病院を基幹型臨床研修病院とし、関連する公的病院等も協力病院に加わっているため、研修医の希望を取り入れながら、プライマリ・ケアの習得を質・量ともに充実させることができるとともに、専門の産婦人科医として必要な基礎を十分学べる研修プログラムとしている。
プログラムの概要 (産婦人科重点プログラム)
1年次研修プログラム
産婦人科(12週間)
初年度の産婦人科の研修は、12週間、産婦人科の基本診療及び産婦人科疾患の特性を学ぶ事を目的に、一般診療に加え、内診や経腟超音波検査などを含む産婦人科の基本的な診察法を学び、妊婦健診にも参加する。外来では問診聴取の経験の蓄積をはかる。正常分娩や帝王切開術、婦人科手術にも助手として参加し、広く産科・婦人科領域における知識を深め、診療経験を積むことができる。
内科(24週間)
内科の研修は、原則として12週間を一つの単位として、当初の12週間では、医師として備えるべき基本的なことがらと内科の基礎的知識の習得に努め、次の12週間は、別の指導医のもとで幅広くプライマリ・ケアを研修する。経験する症例については、研修内容が偏ることのないよう、指導医が到達目標を勘案し調整する。
また、協力型病院での研修を行うことも可能である。
救急科(12週間)
高度救命救急センターでは、一次救急から三次救急まで受入れており研修医が経験すべきほぼすべての症候・疾患を経験できる。
HCU・ICU・ER のすべてを回り、入院した患者へのトータルな診療も経験できる。
2年次研修プログラム
小児科(NICU)(8週間)
8週間、総合周産期医療センターのNICUにおいて新生児科の医師の指導のもとで、新生児の診療を行う。
また、小児の心理・社会的側面に配慮しつつ、新生児期から思春期までの各発達段階に応じた総合的な診療を行うために、幅広い小児科疾患に対する診療を行う病棟研修を行う。
麻酔科(12週間)
産婦人科は外科系の診療科であり、手術における麻酔法、麻酔管理を学ぶことが必要である。この期間に麻酔科医師の指導のもと、気管内挿管、全身麻酔、脊椎麻酔等の手技を習得する。手術麻酔に置ける術前評価や術後管理についても習得する。
外科(4週間)
一般診療において頻繁に関わる外科的疾患への対応、基本的な外科手技の習得、周術期の全身管理などに対応するために幅広い外科的疾患に対する診療を行う病棟研修を行う。
神経精神科(4週間)
精神保健・医療を必要とする患者とその家族に対して、全人的に対応するために、精神科専門外来又は精神科リエゾンチームでの研修を含むこと。なお、急性期入院患者の診療を行うことが可能である。
地域医療(4週間)
地域医療については、基本的には地域病院で地域包括ケアの実際について学び、一般外来と在宅医療も含めて研修を行う。
産婦人科(12週間)
前半は総合周産期母子医療センター産科において、分娩及び周産期の診断治療に対する基礎知識と手技の修得を目的とする。後半は婦人科病棟をメインに婦人科良性および悪性腫瘍の診断治療に対する基礎知識と手術手技、化学療法や放射線療法について習得することを目的とする。また生殖内分泌疾患における診断治療についても学ぶ。
研修医は外来、病棟、手術室に勤務し、基礎的診察法、診断法、治療法について指導医のもと研修を行う。産科婦人科特有の患者及びコメディカル・スタッフとのコミュニケーションに配慮し、その立場を理解し信頼関係を形成する。
選択科(4週間)
外科、麻酔科、神経精神科、小児科、産科婦人科などから選択する。いずれの科を選択した場合でも協力型病院での研修が可能である。
研修プログラムの管理及び運営組織
研修プログラムの管理組織
プログラムの全体的な管理から研修修了後の進路に至るまでの支援を行うため、和歌山県立医科大学附属病院長を委員長とする和歌山県立医科大学附属病院卒後臨床研修管理委員会を設置する。
管理委員会は、研修医の希望を取り入れながら研修が円滑に実施されるようプログラムを管理する。
研修プログラムの運営組織
臨床研修を実施するため、院内に卒後臨床研修センターを設置する。センターは、センター長(1名)、参与(1名)、副センター長(5名以内)、各診療科より選出された代表指導医及び事務職員により構成される。
研修医の指導体制
原則的に、指導医が研修医を直接指導するだけでなく、指導医の指導監督の下、上級医が研修医を指導する屋根瓦方式を採っている。
また、看護師やその他メディカルスタッフが指導者として指導する。
令和8年度卒後臨床研修センター体制表
| 役職名 | 氏名 | 所属 |
|---|---|---|
| センター長 | 北野 雅之 | 消化器内科 |
| 参与 | 蒸野 寿紀 | 地域医療支援センター |
| 副センター長 | 宮本 恭兵 | 救急・集中治療部 |
| 〃 | 山本 脩人 | 腎臓内科 |
| 〃 | 寺口 真年 | 整形外科 |
| 〃 | 堀内 優子 | 産科婦人科 |
| 〃 | 中村 有貴 | 地域医療支援センター |
| 代表指導医 | 石橋 達也 | 糖尿病・内分泌・代謝内科 |
| 〃 | 糸永 昌弘 | 消化器内科 |
| 〃 | 中西 正典 | 呼吸器内科・腫瘍内科 |
| 〃 | 北端 宏規 | 循環器内科 |
| 〃 | 山本 脩人 | 腎臓内科 |
| 〃 | 村田 祥吾 | 血液内科 |
| 〃 | 萬 翔子 | 脳神経内科 |
| 〃 | 岩田 慈 | リウマチ膠原病内科 |
| 〃 | 島 友子 | 小児科 |
| 〃 | 舩井 翔平 | 神経精神科 |
| 〃 | 宮坂 美和子 | 心臓血管外科・呼吸器外科・乳腺外科 |
| 〃 | 早田 啓治 | 消化器・内分泌・小児外科 |
| 〃 | 中井 康雄 | 脳神経外科 |
| 〃 | 西山 大介 | 整形外科 |
| 〃 | 坂田 康裕 | 形成外科 |
| 〃 | 川端 大輝 | 泌尿器科 |
| 〃 | 馬淵 泰士 | 産科・婦人科 |
| 〃 | 西 晃佑 | 眼科 |
| 〃 | 村上 大地 | 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 |
| 〃 | 国本 佳代 | 皮膚科 |
| 〃 | 溝端 直樹 | 歯科口腔外科 |
| 〃 | 稲垣 貴也 | 放射線科 |
| 〃 | 風呂谷 容平 | リハビリテーション科 |
| 〃 | 宮本 恭兵 | 救急科 |
| 〃 | 丸山 智之 | 麻酔科 |
| 〃 | 高橋 祐一 | 病理診断科 |
| 〃 | 古田 眞智 | 臨床検査医学 |
| 〃 | 根本 樹希 | 臨床感染制御学 |
| 事務局 | 小川、冨田、村雲、 梶田、吉岡、西村 | 卒後臨床研修センター |
勉強会等の実施
診療のほか、各診療科の協力を得て、研修医、指導医が参加する勉強会を開催する。(以下の内容を含む。)
- 症例検討、CPC、新しい疾患、診断法、検査法、EBMなどの講義
- 基礎的手技(CPR、注射、点滴、輸血、導尿、呼吸管理など)の解説・実習
- 接遇、チーム医療、医療の安全、医の倫理、医療関係の法律などの講義
研修の評価
研修修了時に、2年間の研修内容をプログラム管理委員会で確認し、病院長から研修修了証を交付する。
身分・処遇、研修後の進路など
身分・処遇
| 身分 | 公立大学法人和歌山県立医科大学の準職員で、所属は病院長直属とする。 |
|---|---|
| 処遇 | ・基本給 月額300,000円 超過勤務手当支給 通勤手当 運賃相当額支給(150,000円/月限度) ・休暇 年次有給休暇(1年次10日、2年次11日) 夏季休暇(3日) 特別休暇(忌引、結婚休暇等) ・院内保育所あり |
| 社会保険 | 健康保険、厚生年金、雇用保険に加入する |
| その他 | 労災保険適用、白衣貸与 |
研修後の進路
3年目以降の進路としては、以下のものがあげられる。
- 大学院生(臨床医学、基礎医学、社会医学)
- 和歌山県立医科大学附属病院において後期研修を行う。(学内助教)
- 和歌山県立医科大学附属病院と連携する病院に勤務。
- より専門性の高い医療機関での研修に参加する。
※いずれの場合にも、和歌山県立医科大学附属病院の研修修了者を優先的に採用する。

