平成19年4月26日、27日の両日、医学部新入生を対象に合宿研修がおこなわれました。
これは、本学の教育理念である豊かな人間性涵養のためのケアマインド教育に触れることを目的に実施されたものです。
本学を出発し、高野山へ向かいました。
途中、和歌山の偉人、医聖・華岡青洲の生誕地「青洲の里」を見学しました。
青洲はマンダラゲから麻酔薬「痛仙散」を完成させ、世界で初めて全身麻酔による乳がん手術を成功させた人物です。この功績をたたえ、本学の学章にもマンダラゲの花がモチーフとして描かれています。



青洲が使った手術器具などが展示されている「フラワーヒルミュージアム」と、青洲の住居兼診療所であり医学校でもあった建物群の「春林軒」を見てまわりました。



特に春林軒では、青洲が初めて麻酔を使用して行った手術風景や、家族の協力のもとでの麻酔実験などの様子が人形と音声でリアルに表現されていました。見学した学生たちは、医学が未発達な時代においても、病気で苦しむ人を助けたいという青洲の高い志と熱意に感動し、医者としてどうあるべきかという姿勢を学びました。
そして同時に、患者に対する医師としての青洲の姿をうかがい知ることで、ケアマインドを持った医療人へと繋がる一歩を踏み出しました。
◆高野山到着後、高野山大学松下講堂に於いて講演会が開かれました。
新入生に対してケアマインド教育に取り組む本学の紹介から、良き医療人となるための学生時代、そして人間豊かな医師となってからの将来に対し激励がおくられました。
いのちの根源、いのちは現実にはどうあるべきか、どうあるのか。末期がんの方の生き方などに触れ、宗教学的な見地より『看まもる』ことの意味を説かれました。