オンライン市民公開講座 令和6年度 最新の医学・医療カンファランスについて

令和6年度「最新の医学・医療カンファランス」

本講座は、一般の方に最新の医学・医療情報等を提供し、教養を深め、健康や治療に役立てていただくことを大きな目的として、開催しています。
 対面開催に加え、本学YouTubeチャンネルに動画を掲載いたします。

  • 第5回
    開催日:令和6年9月12日(木)

  『血中脂肪ってどのように調節されるの?』

   血糖値は高くなるとインスリンによって下げられますが、高くなった血中脂肪を下げるホルモンは
  知られていませんでした。私たちは血中脂肪が高くなると胃が女性ホルモンであるエストロゲンを分
  泌して血中脂肪を下げることを見つけました。
   エストロゲンを「妊娠を司るホルモン」ではなく「血中脂肪を下げるホルモン」と見方を変えるこ
  とで、高脂血症や脂肪肝がなぜ高齢(女性だと閉経後)になると起こりやすくなるのか、妊娠すると
  なぜ悪阻が起こるのかが説明できます。
   今回はこれらも含め、血中脂肪がどのように調節されるのかをわかりやすくお話します。

  講  師:和歌山県立医科大学 医学部 解剖学第一講座 金井 克光 教授

  『アンチエイジング:健康寿命をのばしてみよう』

   日本は長寿国で平均寿命は男女とも80歳以上ですが、日常生活に困らなく生活できる期間の健康寿
  命は70歳台です。平均寿命と健康寿命の差は10年近くあり、この期間は健康上の問題で何かしら制限
  のある生活を強いられる期間です。
   この10年を縮めるための食事や運動などの生活習慣に関して、分かりやすくお話します。

  講  師:和歌山県立医科大学 医学部 生理学第二講座 中田 正範 教授

  • 第4回
    開催日:令和6年8月8日(木)

  『医療ビッグデータに基づく個別医療を目指す:患者さんに最適な治療を選択するための
  データサイエンス手法の紹介』

   近年、リアルワールド・データと呼ばれる医療ビッグデータの利活用が注目されています。その目
  的の一つは、背景情報、ゲノム情報などから個々の患者さんに最適な治療法(個別化医療)を予測する
  ことです。データサイエンスの分野では、この目標を達成するために、様々な方法が提案されていま
  す。
   本講演では、これらの研究の最新状況を紹介するとともに、個別化医療を実現するために必要なリ
  アルワールド・データとは何かについて考察していきます。

  講  師:和歌山県立医科大学 臨床研究センター 下川 敏雄 教授

  『医学部で行われている仮想現実(VR)教育ってどんなもの?』

   本学では令和5年から仮想現実(VR)を活用した医学教育を開始しました。学生たちは3Dモデルを
  VR空間内で操作し人体の構造や病気の理解を深めるとともに、医療現場をバーチャル体験して検査や
  手術法を学んでいます。
   本講演では一般の方向けにVR画像や動画を用いた模擬授業を行い、人体の正常構造や心血管病に
  ついてわかりやすくお話ししたいと思います。

  講  師:和歌山県立医科大学 教育研究開発センター 谷本 貴志 准教授

  • 第3回
    開催日:令和6年7月11日(木)

  『加齢黄斑変性から眼を守ろう』

   加齢黄斑変性は先進国において中途失明原因の上位疾患であり、米国においては第一位となってい
  ます。日本においても高齢化や食生活の欧米化により患者さんの数が年々増加していますが、加齢黄
  斑変性にはいくつかのタイプが存在することもわかってきました。
   今回、私は加齢黄斑変性の症状、最先端の眼科検査や治療法について詳しくお話させていただきま
  す。皆様の加齢黄斑変性に対する理解を深め、一人でも多くの患者さんに早期発見・早期治療を受け
  ていただけるよう願っております。

  講  師:和歌山県立医科大学 医学部 眼科学講座 西 晃佑 助教

  『よりよく生きるための緩和ケア』

   緩和ケアって「もう治す手立てのない患者さんが受けるケア」「看取りのための医療」なんて思っ
  ていませんか?実は緩和ケアとは、がんといわれた時から始まる医療なのです。緩和ケアは、病気に
  伴う心と体のつらさを和らげよりよく生活できるようにするための医療です。ですから、緩和ケアに
  は、がんの時期なんて全く関係ないのです。
   この講演では、
  ・緩和ケアを受けられる患者さんはどんな痛みやつらさを抱えているの?
  ・実際、緩和ケアはどんなことをしているの?
  ・いつのタイミングで緩和ケアを受診したらいいの?どうしたら受診できるの?
  ・緩和ケア病棟はどんなところ?
  ・自宅に居ながら緩和ケアをうけることができるの?
  など、緩和ケアにまつわる気になることを、わかりやすくお話いたします。

  講  師:和歌山県立医科大学 医学部 麻酔科学講座 栗山 俊之 講師

  • 第2回
    開催日:令和6年6月13日(木)

  『更年期世代の女性に多い手の不調 ―メノポハンド―』

   更年期世代の女性では、腱鞘炎、末梢神経障害、変形性関節症など様々な疾患が発生し、手の不調
  が起こります。これらを更年期(メノポーズ)症状のひとつととらえ、メノポハンドと呼びます。
   本講演では、各疾患の特徴を概説し、腱鞘内注射、手術といった従来の治療法に加え、鎮痛薬以外
  の薬剤、サプリメントによる治療を含めた最新の知見を紹介します。

  講  師:和歌山県立医科大学 医学部 整形外科学講座 下江 隆司 講師

  『頭・顔の治療』

   形成外科医は、頭の先から爪先まで全身の外表異常に対して診療します。特に首から上の身体、す
  なわち頭・顔の治療を得意としております。昨年から頭・顔のかたち外来を当院では開設しました。
   公開講座では形成外科医の役割、そして頭や顔のかたちが日常生活にどのように影響するのかをお
  話しさせて頂きます。

  講  師:和歌山県立医科大学 医学部 形成外科学講座 朝村 真一 教授

  • 第1回
    開催日:令和6年5月9日(木)

  『集中治療後症候群 -重症患者の長期予後改善をめざして-』

   医療機器の技術革新やガイドラインによる診療レベルの向上と標準化、教育プログラムの充実によ
  り、この四半世紀で救急・集中治療医学は劇的な進化を遂げた。しかしながら、救命し得た重症患者
  の長期予後や生活の質については未解決な問題が多い。
   集中治療後症候群 (Post intensive care syndrome: PICS)とは、ICUに入室した生存者に生じる長
  期的な身体障害・精神障害・認知障害であり、ICU患者の長期予後ならびに生活の質の障壁となって
  いる。さらに、PICSは患者家族に対しての精神的影響も含むものとして認識され始めており、その裾
  野の広さは計り知れないものとなってきている。ICU-AW(ICU-acquired weakness)とは、ICUに
  入室後に発症する急性の左右対称性の四肢筋力低下を呈する症候群である。PICSやICU-AWの背景因
  子として、1)治療介入因子、2)環境因子、3)精神因子の3つに大別される。また高齢化やフレ
  イル、敗血症やCOVID-19感染症などもそれらのリスク因子である。
   PICSとは成熟した現代の急性期医療や集中治療の最終型であり、重症患者の長期予後を見据えて
  PICSの予防をし、いかにICU患者およびその家族に質の高い生活を提供できるが今後の救急医療にお
  ける大きな課題である。PICSは世界中で急速に進行する超高齢社会と重症患者の高齢化を背景に浮
  かび上がった21世紀の救急・集中治療医学の新たな問題点である。本講演ではPICSの病態の概要と
  ともに、予防・治療に関する最新の知見を解説し、救命し得た重症患者の長期予後改善に向けた方策
  を提案する。

  講  師:和歌山県立医科大学 医学部 救急・集中治療医学講座 井上 茂亮 教授

  『認知症と漢方について』

   日本は急速に高齢化が進んでおり、認知症の高齢者が増え続けています。2025年には、65歳以上の
  約20%の約700万人が認知症患者になると予測されています。認知症の症状は、記憶障害を中心とし
  た中核症状と、認知症に伴う行動および心理症状である周辺症状(BPSD)があります。
   本講座では、認知症に用いられる漢方薬についてお話いたします。

  講  師:和歌山県立医科大学 薬学部 医療薬剤学研究室 江頭 伸昭 教授


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