オンライン市民公開講座 令和5年度 最新の医学・医療カンファランスについて
令和5年度「最新の医学・医療カンファランス」
本講座は、一般の方に最新の医学・医療情報等を提供し、教養を深め、健康や治療に役立てていただくことを大きな目的として、開催しています。
対面開催に加え、本学YouTubeチャンネルに動画を掲載いたします。
- 第3回
開催日:令和5年7月13日(木)『プリオン病のようながんの仕組み』
プリオンとはタンパク質からなる感染性因子のことで、誤って折りたたまれたタンパク質がその異常な構造を正常の構造のタンパク質に伝えることによって感染します。
狂牛病などが代表的なものですが、アルツハイマー病で異常な蓄積が見られるアミロイドβペプチドなどもプリオンの性質を持つことが明らかになっています。
私たちの最新の研究から、ある種のがんにもプリオンの性質を持つ異常な構造のタンパク質が関わっていることが分かってきました。
これまで全く異なるものと思われていた疾患の意外な共通点について、ご紹介したいと思います。講師:本学 医学部 生化学講座 西辻 和親 准教授
『頭頚部癌の最新治療』
頭頸部がんはあまり聞きなれない病気かもしれませんが、声を出したり、食べ物を飲み込む事などと関連し皆さんの生活に密接に関連します。喫煙や飲酒が危険因子としてよく知られていますが、近年はウイルスが関係することも明らかとなっています。
また、従来の手術や放射線、抗癌剤治療に加えて、光免疫療法といった新たな治療法も始まっています。
本公開講座では、頭頸部がんの原因や最新の治療法について、簡単にお話しします。講師:本学 医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座 玉川 俊次 准教授
- 第2回
開催日:令和5年6月8日(木)『心不全パンデミック』
世界に先駆けて超高齢化社会を迎えた我が国において、65歳以上の人口は3,000万人を超えています。仮にこの人口に米国の65歳以上の心不全発症率である年間1/100人を当てはめると、今後数十年に亘り、年間30万人以上の高齢者が新規に心不全を発症することが試算されており、まさに心不全パンデミックと言われる由縁です。
そのような背景を踏まえ、我が国の心不全診療ガイドラインも大幅に改訂されました。また、近年、さまざまな新しい心不全治療薬が登場しています。
さらに、心不全の背景疾患としての大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁置換術や併存する心房細動に対するカテーテルアブレーションなどの非薬物療法の進歩も著しく、心不全診療は新しい時代を迎えました。
今回の講演では、心不全の診断、そして、診断された場合の治療法について詳しくお話しします。講師:本学 医学部 内科学第4講座 北端 宏規 准教授
『高齢者の筋力低下と予防のポイント』
加齢に伴って筋肉量が減少し、筋力が低下する現象を「サルコペニア」と呼びます。ギリシャ語でサルコ=筋肉、ペニア=減少という意味です。
筋力が低下すると、歩いたり、立ち上がったりする日常生活の基本的動作に影響を及ぼします。
転倒、骨折、要介護などにつながるおそれもありますので、老年期になる以前から筋力を維持・増強しておくことが大切です。
本講座では、高齢者にみられる筋力低下の原因と予防のためのポイントについてお話しします。講師:本学 保健看護学部 宮井 信行 教授
- 第1回
開催日:令和5年5月11日(木)『がん新薬開発における最近の話題』
がん新薬開発においては、従来の抗がん剤以外にも低分子化合物、抗体医薬、ワクチン、再生医療等製品など多岐多様なものが悪性腫瘍に対する治療薬候補として開発されている中で、近年相次いで画期的ながん新薬が登場し、がんゲノム医療の実装化も相まり多くの悪性腫瘍の治療においてパラダイムシフトを起こしています。
がん新薬開発における近年の話題について、お話いたします。講師:本学 附属病院 呼吸器内科・腫瘍内科 清水 俊雄 病院教授
『幸せな子育ての秘訣~『笑い』の効果と実践』
子どもを授かるということは喜びであるとともに、色々な状況や理由によって、苦しいと感じられることもあります。
また、子どもの成長・発達によって、親の不安や悩みは尽きません。
今回は、家庭や地域の人々との関係に視点をあてて、親も子も地域の人々も、みんなが『幸せ』を感じられる子育ての方法についてお話しします。講師:本学 保健看護学部 岡本 光代 准教授