オンライン市民公開講座 令和5年度 最新の医学・医療カンファランスについて

令和5年度「最新の医学・医療カンファランス」

本講座は、一般の方に最新の医学・医療情報等を提供し、教養を深め、健康や治療に役立てていただくことを大きな目的として、開催しています。
 対面開催に加え、本学YouTubeチャンネルに動画を掲載いたします。

  • 10
    開催日:令和63月14日(木)

    『肺癌の低侵襲手術と最新治療』
    肺癌の手術はこの10年で大きく変化しています。手術の進歩を紹介するとともに、近年劇的に変わっている周術期の肺癌治療について説明します。

    講  師:和歌山県立医科大学 医学部 外科学第1講座 平井 慶充 講師

    『痛みを理解する:慢性疼痛につながる痛み記憶』
    多くの人は、幼少期に転んでも痛みに耐えて泣かなかった時に、「我慢できてえらいね」と褒められた経験があると思います。しかし、医療においては、痛みを我慢し続けることにはデメリットが多く、二次的な体の異常を引き起こしてしまう可能性があることが知られています。今回の講演では、一時的な「急性痛」を放置した場合に、どのように生体に記憶され歪みを生じ、「慢性痛」へと変遷していくのかについて、分かりやすくお話しします。

    講  師:和歌山県立医科大学 薬学部 医療開発薬学研究室 今井 哲司 教授
     
  • 第9回
    開催日:令和6年1月11日(木)

    『膵がん早期発見のためには』
    膵臓は沈黙の臓器とも言われ、膵癌の初期段階では症状がほとんど現れず、発見が遅れることが多くなっています。しかしながら、早期の発見が予後改善の鍵となります。
    この講演では、膵癌のリスク要因や早期症状、検査方法などについて詳しく解説します。皆様が自身や家族の健康について正しい知識を得ることで、膵癌に対する早期発見の意識を高めることができます。

    講  師:和歌山県立医科大学 医学部 内科学第二講座 蘆田 玲子 准教授

    『新しい医療製品のおはなし』
    ここ数年で新しい医薬品などが次々と世の中にでてきて、様々な疾患治療で使用されて、その効果が期待されています。新しい医薬品は製薬会社やベンチャー企業が開発していますが、大学や研究機関との共同研究でも新しい治療方法が開発されています。
    最新の治療薬や医療機器の開発経緯や近い将来の治療についてお話いたします。

    講  師:和歌山県立医科大学 薬学部 医療情報薬学研究室 伊藤 達也 教授
     

  • 第8回
    開催日:令和5年12月14日(木)

    『手術を受ける患者さんのための『周術期外来』、はじめました!』
    手術は病気や怪我を治すために受けるものです。しかし、手術そのものによる組織の損傷、手術によって生じる痛みや意識をなくすための麻酔などは身体に負担を与えます。手術後、順調に回復するためには、患者さんが手術を受けると決めた時から医療者と共に一緒にがんばれることがあります。
    今回、手術を決定した患者さんが入院前からどのような準備をしておくとよいのかを説明します。また、歯のチェックや現在の身体の状態を確認し、患者さんが、より安全な手術を、安心して受けられるように取り組んでいる周術期外来について分かりやすくお話します。

    講  師:和歌山県立医科大学 附属病院 看護部管理室 泉 仁美 副看護師長

    『血液疾患に対する細胞療法』
    急性白血病をはじめとする血液ガンや再生不良性貧血などの骨髄不全疾患に対する細胞治療として、同種造血幹細胞移植治療(骨髄移植など)があります。さらに近年、一部の悪性リンパ腫に対する新しい細胞治療としてキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法が登場しました。
    今回の講演では、これらの血液疾患に対する細胞治療について簡単にお話し致します。

    講  師:和歌山県立医科大学 医学部 血液内科学講座 細井 裕樹 講師
     

  • 第7回
    開催日:令和5年11月9日(木)

    『臨床検査技師が教える分かりやすい心臓超音波検査(心エコー検査)』
    心臓超音波検査(心エコー検査)は、心臓の状態を画像で見ることができる検査です。超音波を使って心臓の中を見ることで心臓の弁の動きや血液の流れを調べます。心臓の悪いところを見つけることで、病気の診断や治療計画に役立ちます。最近の心エコー検査では、3D超音波など様々な技術を活用して、心臓病の早期発見や適切な治療計画に役立っています。これらのことを実際の心エコー画像をお見せしながらお話しいたします。

    講  師:和歌山県立医科大学 附属病院 中央検査部 生理機能検査室 中塚 賢一 主査

    『糖尿病の薬の効果を高めるコツ:薬剤師に聞いてみよう!』
    近年、糖尿病の治療は新たな治療薬や検査機器の登場で大きく進歩しています。これらの薬や検査機器を上手に活用し、健康的な生活を続けるコツについてお話しします。

    講  師:和歌山県立医科大学 薬学部 社会・薬局薬学研究室 岡田 浩 教授

 

  • 第6回
    開催日:令和5年10月12日(木)

    『細胞生物学から見た難病発症機構』
    成人の全細胞数はおよそ37兆2000億と言われています。細胞は様々な専門性のある働きを持ち、協調して生命体を維持しています。その細胞内にはミトコンドリアなどの細胞内小器官があります。それぞれの細胞内小器官ではエネルギーや蛋白質などを作り出したり、必要なものを必要な場所に輸送したり、古くなったものを処分したりしています。健康でいるためにはこれら細胞内小器官がきちんと働いていなければなりません。今回は細胞内小器官の異常が原因と考えられている自己免疫疾患やアルツハイマー病などについてお話いたします。

    講  師:和歌山県立医科大学 医学部 難病発症機構研究部 齋藤 伸一郎 教授

    『クスリの正しい使い方と間違った使い方:医療用麻薬について』
    クスリは、様々な疾患に立ち向かうための強力な味方になる反面、どんなクスリでも必ずと言っていいほど副作用などのリスクがあります。特に、脳などの中枢神経に作用するクスリの中には、正しく使用しないと乱用され、薬物依存など引き起こしてしまうものもあります。がんなどによる激しい痛みに用いられるモルヒネなどの鎮痛薬はその最たるもので、「麻薬」に指定されながら医療用に用いられるクスリ(医療用麻薬と言います)です。これらは強い痛みを持つ患者にとってはなくてはならないクスリであり、正しく使っている分には安全で問題になることはほぼありませんが、使い方を間違うとその麻薬性が牙を剥くこともあります。今回の講演では、クスリの間違った使い方として最近の薬物乱用の動向から、医療用麻薬の重要性、必要性、また、正しい使い方まで分かりやすくお話ししようと思います。

    講  師:和歌山県立医科大学 薬学部 病院薬学研究室 中川 貴之 教授

 

  • 第5回
    開催日:令和5年9月14日(木)

    『免疫がわかると病気がわかる』

     免疫は、疫から免れる、つまり、外敵や病気から身体を守るしくみですが、強すぎても弱すぎてもダメで、ほどよい強さを保たないといけません。コロナウイルスなどの感染症、食物や花粉に対するアレルギー、自己免疫疾患からがんに至るまで様々な病気を理解するためには免疫を正しく理解することが重要です。今回は、その免疫のしくみをわかりやすくお話します。

    講  師:和歌山県立医科大学 医学部 生体調節機構研究部 改正 恒康 教授

    『摂食・嚥下障害のリハビリテ―ション』

     「食べる」という行為は、「食べ物を認知する」→「食べたいと思う」→「食べ物を口に運ぶ」→「咀嚼する」→「飲み込む」といった無意識の動作の反復です。
     しかし「食べる」ことは、単に口から「栄養を摂る」という意味だけではなく、料理の味を楽しむ、食事の場を通じて人の輪を広げていく、QOLとして重要な意味を持ちます。この「食べる動作」に支障を来すのが摂食嚥下障害であり、食物を飲み込もうとすると気管へ入ってむせてしまう、食道へ入っていかず喉に残ってしまう、というような症状が特徴的にみられます。
     原因としては、脳卒中やパーキンソン病などの神経や筋肉の病気、あるいは舌・咽頭・喉頭・食道がんなどがあります。また、摂食嚥下障害で生じる問題は、肺炎・窒息・低栄養・脱水など生命の危険に直結する、とても深刻なものばかりです。
     摂食嚥下リハビリテーション(以下、嚥下リハ)では、患者さんが安全かつ楽しく生活できるよう、栄養摂取の方法を確立することを目指します。患者さんに合わせた食事や栄養摂取のスタイルを確立し、だれも取りこぼさない医療であることが、嚥下リハの最大の目標です。

    講  師:和歌山県立医科大学 みらい医療推進センター 西郊 靖子 センター長
     
  • 第4回
    開催日:令和5年8月10日(木)

    『体質から考える生活習慣と病気』

     喫煙や飲酒、食習慣や運動習慣などの生活習慣が、がんや高血圧、脂質異常症など様々な生活習慣病の原因となっていることはよく知られていますが、喫煙や多量飲酒など生活習慣の健康に害を及ぼす危険(リスク)の程度は、個人の生まれ持った体質(遺伝子)により異なります。今回の講演では、生活習慣が健康に及ぼす影響を体質の視点から解説します。

    講  師:和歌山県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座 牟礼 佳苗 准教授

    『健康診断でもらった血液検査や尿検査の結果の見方について』

    健康診断での血液検査や尿検査の結果、受け取ったまま放置していませんか。結果をもう一度見直し、検査の数値や異常値について、解釈と対策について見直してみましょう。

    講  師:和歌山県立医科大学 医学部 臨床検査医学講座 古田 眞智 准教授
  • 第3回
    開催日:令和5年7月13日(木)

    『プリオン病のようながんの仕組み』

     プリオンとはタンパク質からなる感染性因子のことで、誤って折りたたまれたタンパク質がその異常な構造を正常の構造のタンパク質に伝えることによって感染します。
    狂牛病などが代表的なものですが、アルツハイマー病で異常な蓄積が見られるアミロイドβペプチドなどもプリオンの性質を持つことが明らかになっています。
    私たちの最新の研究から、ある種のがんにもプリオンの性質を持つ異常な構造のタンパク質が関わっていることが分かってきました。
    これまで全く異なるものと思われていた疾患の意外な共通点について、ご紹介したいと思います。

    講師:本学 医学部 生化学講座 西辻 和親 准教授

    『頭頚部癌の最新治療』

     頭頸部がんはあまり聞きなれない病気かもしれませんが、声を出したり、食べ物を飲み込む事などと関連し皆さんの生活に密接に関連します。喫煙や飲酒が危険因子としてよく知られていますが、近年はウイルスが関係することも明らかとなっています。
    また、従来の手術や放射線、抗癌剤治療に加えて、光免疫療法といった新たな治療法も始まっています。
    本公開講座では、頭頸部がんの原因や最新の治療法について、簡単にお話しします。

    講師:本学 医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座 玉川 俊次 准教授

  • 第2回
    開催日:令和5年6月8日(木)

    『心不全パンデミック』

     世界に先駆けて超高齢化社会を迎えた我が国において、65歳以上の人口は3,000万人を超えています。仮にこの人口に米国の65歳以上の心不全発症率である年間1/100人を当てはめると、今後数十年に亘り、年間30万人以上の高齢者が新規に心不全を発症することが試算されており、まさに心不全パンデミックと言われる由縁です。
    そのような背景を踏まえ、我が国の心不全診療ガイドラインも大幅に改訂されました。また、近年、さまざまな新しい心不全治療薬が登場しています。
    さらに、心不全の背景疾患としての大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル的大動脈弁置換術や併存する心房細動に対するカテーテルアブレーションなどの非薬物療法の進歩も著しく、心不全診療は新しい時代を迎えました。
    今回の講演では、心不全の診断、そして、診断された場合の治療法について詳しくお話しします。

    講師:本学 医学部 内科学第4講座 北端 宏規 准教授

    『高齢者の筋力低下と予防のポイント』

     加齢に伴って筋肉量が減少し、筋力が低下する現象を「サルコペニア」と呼びます。ギリシャ語でサルコ=筋肉、ペニア=減少という意味です。
    筋力が低下すると、歩いたり、立ち上がったりする日常生活の基本的動作に影響を及ぼします。
    転倒、骨折、要介護などにつながるおそれもありますので、老年期になる以前から筋力を維持・増強しておくことが大切です。
    本講座では、高齢者にみられる筋力低下の原因と予防のためのポイントについてお話しします。

    講師:本学 保健看護学部 宮井 信行 教授

  • 第1回
    開催日:令和5年5月11日(木)

    『がん新薬開発における最近の話題』

      がん新薬開発においては、従来の抗がん剤以外にも低分子化合物、抗体医薬、ワクチン、再生医療等製品など多岐多様なものが悪性腫瘍に対する治療薬候補として開発されている中で、近年相次いで画期的ながん新薬が登場し、がんゲノム医療の実装化も相まり多くの悪性腫瘍の治療においてパラダイムシフトを起こしています。
    がん新薬開発における近年の話題について、お話いたします。

    講師:本学 附属病院 呼吸器内科・腫瘍内科 清水 俊雄 病院教授

    『幸せな子育ての秘訣~『笑い』の効果と実践』

     子どもを授かるということは喜びであるとともに、色々な状況や理由によって、苦しいと感じられることもあります。
    また、子どもの成長・発達によって、親の不安や悩みは尽きません。
    今回は、家庭や地域の人々との関係に視点をあてて、親も子も地域の人々も、みんなが『幸せ』を感じられる子育ての方法についてお話しします。

    講師:本学 保健看護学部 岡本 光代 准教授

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