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認知症について

1. 認知症とは

 認知症とは、もともと正常であった記憶や判断力などの知能(認知機能)が何らかの原因によって徐々に低下し、日常生活や社会生活に支障がでてきた状態をいいます。

認知症に至る経緯

*生活習慣の見直しとは、社会交流、趣味活動などの集団活動に参加する機会をもつことが重要です。
その他、運動習慣をもちバランスの良い食事を摂ることや、節酒(飲むお酒の量を減らす事)、禁煙をし、楽しみを増やして脳に適度な刺激を与えることが大切です。
また、規則正しい生活を送り、十分な睡眠(23時までに就寝、7時間程度の睡眠時間の確保)をとることなどもあります。
現在、医師から処方されている薬がある方は、処方通りに服薬することも体調を整える健康管理になります。
聞こえ方、見え方、歯の定期的なチェックも重要です。

これらを継続することで、認知機能低下の進行予防に繋がるとされています。

2. 認知症の症状

 認知機能が低下すればどのような症状がでるのでしょうか?
 認知症の症状は、記憶の障害、すなわち「もの忘れ」が中心となることが多いです。

中核症状

 もの忘れ以外にも、見当識障害(今日の日付や居場所など自分のまわりの状況がわからなくなる)、遂行機能障害(物事を計画的に段取りよく進めることが難しくなる)や判断力低下があります。
失語(言葉がうまく理解できない、うまく話せない)や失行(動作がうまくできない)、失認(物の見分けがつかない)がみられることもあります。
 このような認知機能の低下以外にも、精神症状も徐々にでてきます。
 たとえば不安、抑うつ、興奮、立ち歩き(徘徊)などの症状がそれであり、これらは介護をするうえで問題となることが多いです。

3. 代表的な認知症

 最も多いのが、「アルツハイマー型認知症」です。2番目に多いのが「血管性認知症」で、脳梗塞や脳出血が原因です。「その他の原因」の中には、適切な治療で認知症が治る可能性のある精神疾患や脳外科疾患あるいは内科疾患も含まれているため、それらを見逃さないようにすることが非常に重要です。

4. 認知症の種類と特徴

 認知症は原因となる病気によって、さまざまな特徴があります。

4-1.アルツハイマー型認知症

一番多い認知症

 多くはもの忘れや見当識障害が特徴ですが、物盗られ妄想(行動・心理症状)もよく見られる症状です。症状は徐々に進行していきます。
病気を完全に治療することはできませんが、症状の進行を遅らせる薬があります。
65歳以上で発症することがほとんどですが、それより若い人にも起こります。

特徴的な症状の例

  • 同じことを何度も聞く、物の置き場所を忘れる
  • 物事の段取り(食事の準備など)が悪くなる
  • 日付が分からなくなる など

4-2.血管性認知症

脳梗塞、脳出血などが引き金

 脳卒中(脳梗塞や脳出血)後に生じる認知症で、損傷部位によって症状がかわります。たとえば頭頂葉の損傷では失認(物の見分けがつかない)や失行(動作がうまくできない)、前頭葉の損傷では無気力、無関心などの症状がみられます。
認知症症状だけではなく、運動障害やしびれなどの神経症状を伴うこともあります。
血管性認知症は脳卒中が起こるたびに、認知症が悪化すると考えられています。そのため、脳卒中の再発をいかに予防するかがポイントです。

特徴的な症状の例

  • 記憶が失われているのではなく、思い出すまでに時間がかかる
  • 損傷部位によって症状がかわる(頭頂葉障害:失認や失行、前頭葉障害:抑うつ など)
  • 手足の麻痺やしびれがある など

4-3.レビー小体型認知症

幻視が起こるのが特徴

 幻視(目の前に無いはずの物が見える)、転びやすさ、動作の鈍さ、手足のふるえ、歩行障害(小股歩行)、抑うつ、睡眠時に叫んだり、手足が大きく動いたりといった症状が出現することが特徴です。
 また、1日のうちで症状が変動することも特徴で、認知症と感じさせないほどしっかりしているときと、ボーっとして自分だけ別世界に孤立しているように見えるときがあります。

特徴的な症状の例

  • 子どもや虫、生き物が見えると言う
  • 夢を見て反応し大声を出す
  • 初期はもの忘れが目立たない など

4-4.前頭側頭型認知症

性格や行動上の変化が主な症状

 65歳以下の若年に起こりやすいといわれています。
 性格変化や意欲低下などを生じる前頭葉症状と、言語障害などが起こる側頭葉症状があります。
 初期ではもの忘れはあまりありません。

特徴的な症状の例

  • 同じ時間に同じ行動をとる
  • 同じ食品を食べ続ける
  • 周囲を顧みず自己本位な行動が目立つ(例:万引き、無銭飲食) など

4-5.その他の認知症

全身のさまざまな病気により、認知機能低下が起こることがあります。その病気自体の治療により治る可能性があります。

・内分泌・代謝性中毒性疾患

 脳とは関係がないと思われがちですが、甲状腺機能低下症やビタミンB1欠乏症、肝機能低下、低血糖、アルコール多飲などでも認知機能低下を起こすことがあります。ホルモンバランス改善や栄養管理などにより、低下した認知機能は改善することがあります。

・感染性疾患

 細菌やウイルスなどによって脳や脊髄(せきずい)を包んでいる組織(髄膜)の炎症反応によっておこる病気(脳炎・髄膜炎)であり、頭痛、発熱、意識障害などがおこります。 抗生剤の投与などの治療をおこなっていきます。

・脳外科的疾患

 脳腫瘍や慢性硬膜下血種(頭蓋骨と脳の隙間に血がたまる病気)といった病気のため、正常な脳組織が圧迫されることにより、認知機能低下が起こります。腫瘍や血種の場所によって、手が動かしにくい(運動障害)や言葉がでにくい(言語障害)、性格が変わる(行動変容)、めまいなどが出現します。

・正常圧水頭症

 脳の中に水(脳脊髄液(のうせきずいえき))がたまり、物忘れを主とした認知機能低下が出現することがあります。認知機能低下だけでなく、歩幅が狭く不安定な歩行(歩行障害)や排泄が間にあわない(尿失禁)といった症状も出ることが多いです。外科的手術により、改善することがあります。

5. 軽度認知障害(MCI)って知ってますか?

 軽度認知障害(MCI)とは、認知機能レベルが年相応よりも低下している状態で、正常とも言い切れない段階です。

 症状としては、新しく経験した情報を記憶するのが難しくなったり、趣味や社会的出来事等に興味・関心が低くなったり、今まで支障なくできていたことが上手くできなくなってきたりします。(例えば、調理の工程が、今までよりも時間がかかってしまうなど)

 一方で、全てのことが出来なくなるわけではなく、トイレや入浴などの基本的な生活動作は問題なくできることが多いため、一見して正常の方と見分けがつかないことがあります。

 周りの方の対応としては、上手くできないことが重なると自信がもてなくなるため、さり気ない心遣い(声掛けや少し助けること)で不安の軽減につながる場合があります。

 住み慣れた地域で、対人交流や地域社会との関りを深め、健康・活力を維持しましょう。

 軽度認知障害(MCI)は、認知症の手前の段階です。本格的な認知症を発症する前に気づけたということは、改善の可能性もそれだけ大きいのです。

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