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脳神経外科

脳卒中のお話

最近、62歳の男性で、急に左手足に力が入らなくなりなり、救急受診されました。脳卒中と判断し、CT、MRI、脳血管撮影などの検査により脳梗塞との診断で治療をしました。このように、片方の手足の麻痺などの神経症状が突然起こるものを脳卒中と呼びます。脳卒中には、脳の動脈が詰まる「脳梗塞」と、血管が破れて出血する「脳出血」があります。

脳卒中の死亡率は心臓病とほぼ同数で死因の第二と第三位です。脳卒中の患者数は140万人以上で、死因第一位のがんよりも多く、また、心臓病には心筋梗塞だけでなく心不全などのいろいろな病気の末期状態も含まれており、脳卒中は死亡率で心筋梗塞の2倍、発症率では3〜7倍で、一つの臓器の致死的な病気としては第一位のもとされています。

脳出血よる死亡は、高血圧の治療などにより減少していますが、脳梗塞による死亡者数は減少していません。脳梗塞の発症率は人口10万対100から200の間で、40歳以上では10万対600です。人口の高齢化により、ますます、脳梗塞が増加すると予想されています。

家族の誰かに脳卒中が発症すれば、その家族の生活は大きく変化します。患者さんが家計の担い手であれば、生活は不安定になり、後遺症により、理性や行動の自由が奪われ、自分の思うように会話をし、手足を動かすこともできなくなります。介護にあたる家族の精神的、経済的負担もきわめて大きくなります。

脳卒中は、早い時期に、適切な治療を行えば、治せる病気であり、後遺症も軽減できます。CT、MRI、超音波検査を利用し、脳卒中の病態を的確に把握し、それに応じた治療を選択できるようになりつつあります。

私たちの脳ドックでは、高性能MRIを使い、脳や血管の精度の高い検査をしています。脳卒中の危険因子や無症状の脳梗塞を発見し、早期治療に役立てることができます。現在、最新型超音波診断装置を導入し、積極的に検診を行っています。お気軽に連絡下さい。スタッフ一同お待ちしております。