診療方針

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腎癌

  • 腎臓は腰の上あたりに左右1つずつ計2個あります。
  • 主な働きは尿をつくり体内の老廃物を排泄することですが、その他に血圧、造血や骨の状態を調節する働きも担っています。
  • 腎臓にできるがんを腎がんといいます。
  • 発生頻度は人口10万あたり4-5人、男女比は2:1で男性に多い傾向があります。
  • 早期がんでは自覚症状はなく、健康診断や他の病気の精査中に偶発的に発見されることが多く、がんが大きくなってくると血尿、腫瘤触知、側腹部痛といった症状が出現してきます。
  • 肥満、高血圧、喫煙等が発症の危険因子です。

診断方法

超音波検査、CT検査、MRI検査などの画像検査により診断します。中でもCT検査が最も情報量の多い検査となります。診断後、転移がないかどうか全身検査を行い、病期に従い治療方針を決定します。

CT検査

CT画像(腎がん)

治療方法

  • 薬物療法が進歩してきていますが、最も効果があるのは手術療法です。
  • 放射線療法は一般的には効果はありません。

手術療法

  • 腎限局例
    がんの大きさが4cm以下場合は腎部分切除術を行っております。開腹および腹腔鏡下行ってきましたが、2014年7月よりロボット支援下腎部分切除術を積極的に行っております。
    がんの大きさが4cm以上の場合は腹腔鏡下根治的腎摘除術を行っております。
    がんの大きさが10cm以上の場合は開腹で根治的腎摘除術を行っております
  • リンパ節進展例•隣接臓器浸潤例
    根治的腎摘除術に加え、リンパ節や隣接臓器(副腎、腸、下大静脈内の腫瘍など)も摘出します。
  • 転移症例
    腎臓を摘出する方が予後が良いと報告されていますので、まず腎摘除術を行います。転移部位についても完全切除が可能であれば手術を行います。
    腎摘除術:腎全体を摘出
腎部分切除術:腫瘍を切除

薬物療法

手術が不可能な症例や転移症例で薬物療法(分子標的治療、免疫療法)を行います。

分子標的治療

2008年に本邦でも認可され、現在6剤の分子標的薬が使用可能です。

免疫療法

肺転移およびリンパ節転移のみの場合は免疫療法を行う場合もあります。