シミュレーター教育の内容

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  • おもに学生や研修医を対象とした臨床技能研修

医学部教育には講義だけでなく、診察技能や内科的・外科的手技を身につけるための実習が不可欠です。医療機関等での実習を効果的に進めるために、シミュレーター教育が有効です。
また、臨床技能をペーパーテストだけで評価することができないため、OSCE(Objective Structured Clinical Examination:客観的臨床能力試験、オスキー)が注目されています。
特に、個々の課題について評価するBasic OSCEを実践的に発展させたAdvanced OSCEを進める上で、各種シミュレーターを備えた臨床技能研修センターの活用が大変有効です。

<Advanced OSCEの課題例>

【課題1】
前立腺触診シミュレーターの写真 患者:和歌山太郎 72歳の男性。

  • ここはあなたが担当する外来です。
  • 72歳の男性が3ヶ月前から、排尿障害を訴えています。
  • 10分間で前立腺の診察をしなさい。
  • 患者さんに、説明し、診察体位を取ってもらう。
  • シミュレーターを用いて指診を行う。

【課題2】

  • 診察の所見を述べなさい。
  • 鑑別すべき疾患を述べなさい。
  • 今後、必要な検査を述べなさい。
  • 医療関係者を対象としたチーム医療研修

実際の医療は医師だけで行われるわけではなく、看護師や薬剤師などと連携して行われます。臨床技能研修センターでは、シミュレーターを活用して実践的な研修を行うことができます。

<チーム医療研修の課題例>

【課題1】

シミュレーター教育場面の写真

血圧:82/58mmHg
脈拍:100/min
冷汗
呼吸音:捻髪音

  • 看護師は当直医に現在の状況を述べよ。
  • 当直医は、身体所見、モニター、ECGを確認し状況を説明し、その後、必要な検査、処置をのべよ。
  • 必要な処置・投薬を述べ、治療を開始せよ。

【課題2】
68歳の女性

  • 頚部骨折の術後7日目。
  • 現在、午前7時、病棟、あなたは看護師です。
  • 患者より急な呼吸困難、胸部不快感があるとナースコールがあり訪室した。
  • 身体所見を確認した後、当直医に連絡せよ。
  • おもに市民を対象とした救急医療研修(BLS 、ACLS)

救急医療では一刻も早い処置が必要です。そのため、すべての医療従事者がBLS(Basic Life Support:一次救命処置)、あるいはACLS(Advanced Cardiac Life Support:二次救命処置)を学ぶ機会が必要となっています。また、市民が救急医療を学ぶ機会も必要です。
臨床技能研修センターでは、ECS(救急ケア患者シミュレータ)やAEDトレーナーを備え、気道の確保、人工呼吸、心臓マッサージ、電気ショックなどについて、総合的に学ぶことができます。

  • 医療関係者を対象とした安全管理研修

医療安全の研修では考え方だけでなく、具体的な対策を学ぶ必要があります。たとえば、よく似た名前の患者さんを間違えて輸血や点滴を行う事故を防ぐためには、患者さんを識別するための情報をリストバンドに記入し、PDA(携帯端末)を用いて照合することが有効です。
臨床技能研修センターでは実際の場面を想定した研修を行うことができます。

<安全管理研修の例>

【課題1】
シミュレーター教育場面の写真 502号室、山田太郎さんに点滴を行ってください。
点滴は処置台にあります。
(同姓同名の別人の山田太郎さんの点滴を準備)



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