教室の歴史

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和歌山県立医科大学泌尿器科学教室の歴史は昭和20年に始まる。当初は、皮膚泌尿器科学教室(西村長応教授)として発足し、昭和39年7月に皮膚科泌尿器科学教室から分離独立し、初代の金沢稔教授を経て、昭和50年12月に大川順正(昭和33年大阪大学卒、現名誉教授)が2代目教授に就任した。大川教授時代の2大研究テーマは、尿路結石症と膀胱癌であった。尿路結石症では、米糠(rice-bran)療法や尿中結晶形成過程の研究により、昭和60年、61年、63年に日本泌尿器科学会坂口賞を受賞し、全国に盛名を馳せることになった。また、平成2年には大川教授らが中心となって日本尿路結石症学会の前身である日本尿路結石症研究会を設立し、同年9月7日に記念すべき第1回学術集会を白浜町で開催した。

平成11年3月に大川教授が定年退職し、同年7月に新家俊明(昭和45年本学卒、故人)が3代目教授に就任した。新家教授は膀胱癌研究をライフワークとし、職業性膀胱癌やBCG膀胱内注入療法で世界的な研究成果をあげている。また、平成12年に教室の関連施設に日赤和歌山医療センターも加えて、泌尿器科紀の国フォーラムを設立し、同年2月16日に第1回学術集会を開催した。

平成19年3月に新家教授が定年退職し、同年5月に原 勲(昭和60年神戸大学卒)が4代目教授に就任した。原教授の就任を契機として、和歌山県立医科大学泌尿器科同門会として紀水会が発足し、平成19年9月15日に第1回総会が開催された。原教授は、腹腔鏡下前立腺全摘除術(LRP)、腹腔鏡下腎部分切除術(LPN)、腹腔鏡下膀胱全摘除術(LRC)、ロボット支援前立腺全摘除術(RARP)、ロボット支援腎部分切除術(RAPN)、ロボット支援膀胱全摘除術(RARC)といった先進的な手術を積極的かつ迅速に導入し、県内泌尿器科医療の向上に貢献している。一方、泌尿器悪性腫瘍や尿路結石症をテーマとした研究面においては、すでに11名が学位を取得しており、日本尿路結石症学会奨励賞(第12回)・学会賞(第9回、第11回)、日本泌尿器内視鏡学会総会賞(第30回)、日本泌尿器科学会関西地方会ベストプレゼンテーション賞(第198回、第225回、第233回)を受賞している。