公立大学法人 和歌山県立医科大学 医学部
〒641-8509 和歌山市紀三井寺811番地1
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プログラムの概要

具体的内容・実施計画

本プログラムはステップ1から4で形成され、1年次のHard-mind教育とSoft-mind教育および経験教育は、教養教育とケアマインド教育および老人福祉施設実習、2-3年次は基礎医学教育と医療行動学および保育所・障害者施設、ステップ3は臨床医学とシミュレータなどを用いた臨床技能教育を含む臨床実習準備教育、ステップ4は最終段階として統合的に臨床実習における実習とする。

臨床教育の段階的実践

評価の内容は、Hard-mind評価、Soft-mind評価、患者満足の評価とし、それぞれ教員(指導医)、看護師、患者および家族が評価を行う。Hard-mindの評価項目としては評価シートに記載している基礎医学・臨床医学の知識、画像読映能力、臨床推論能力などとする。Soft-mindの評価の項目としては、性格、精神状態などの把握などとし、患者満足の評価としては患者自身への態度や気配りなど評価を加味する。さらに、医師としての適正を概略評価する。最終的には学生が科学的根拠に基づいた診断と患者の精神的・社会的背景に応じて作成した臨床的な治療方針を教員と看護師が評価する。評価を基に臨床医としての実践的な能力、患者に満足を与えられる医療を提供できる能力を持っているかをフィードバックし、PDCAサイクルを機能させる。さらに、今回の取り組みが卒業後の診療内容に影響を与えるかをみるため、本学で研修する卒業生と他の大学卒業に同様の調査をし、本学の取り組みの有効性について検証する。同時に、今回の評価の内容がその後の医師としての能力に関わるかを評価する。評価シートの解析については、教育研究開発センターの専任教員および職員が担当する。

臨床医としての能力評価手順

取り組みの有効性について検証・検討

評価内容の解析

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取り組みの全体スケジュールおよび各年次の実施計画
平成21年度計画

1. 臨床実習評価委員会の組織化

臨床実習評価委員会は、教育研究開発センターの専任教員、カリキュラム専門部会委員とともに臨床実習ディレクター会議を組織し診療科の委員から構成する。また、看護部門および医療安全推進部門にも委員を依頼する。

2. 臨床実習評価シートの作成

臨床実習における評価シートを基本に評価シートを作成し、各診療科に説明するとともに初年度は選択臨床実習を含めた一部の診療科で評価を開始し、シートの内容などについても各科と検討し、次年度の評価シート作成に反映させる。

3. 経験教育(体験実習)評価シートの作成

2に準じて現在使用しているポートフォリオ形式の評価シートにSoft-mind評価を含めた評価内容を加味し、使用する。

4. 経験教育の充実

従来の経験教育準備教育を充実させ、シミュレータ教育も共用試験前のものに加え臨床実習中にも行えるように高機能シミュレータを導入し、研修体制も改善する。

5. 臨床研修における評価体制の確立

卒後臨床研修センターの専任教員と各診療科の研修指導医の協力で、各診療科における研修医の評価を試験的に行う。

6. 臨床実習の充実

臨床実習の期間を延長するとともに外来実習を増やし、多くの初診患者と接する機会を増やし、本取り組みの充実を図る。同時にシミュレータ教育を臨床実習においても導入し、医療行為が円滑に行えるようにする。

7. 評価シートの検証

評価シートについて適切かどうかを各施設および診療科と協議し検証する。評価者による評価の差異、学生と研修医との差異などについて解析する。

平成22年度計画

1. 臨床実習における評価の実施

臨床実習評価委員会により作成した評価シートを用い、各診療科における臨床実習の評価を行う。

2. 経験教育(体験実習)における評価

経験教育において評価シートを使用することで、実習の質に変化が生じるかを評価する。

3. 臨床研修における評価

評価シートを使用することで、研修の質に変化が生じるかを評価する。

4. 臨床実施入評価の解析

臨床実習における評価シートについて、評価者間の差異、診療科別の評価の差異および個々の評価項目と総合評価の相関などについて解析する。

平成23年度(最終年度)計画

1. 臨床実習における評価実施の継続

平成23年度についても臨床実習評価委員会により作成した評価シートを用い、各診療科における臨床実習の評価を行う。

2. 経験教育(体験実習)における評価の継続

平成23年度についても経験教育において評価シートを使用し実習を評価する。

3. 臨床研修における評価の継続

平成23年度についても評価シートを使用することで、臨床研修における研修を評価する。

4. 医学生~1年次の研修医における評価の継続

21年度および22年度に学生としての評価スコアおよび研修医(1年次)としての評価を経年的に解析し、評価する。

5. 他大学卒業研修医との評価の比較

他大学卒業生の研修医についても同様に評価し、本学出身者と比較することで本取り組みの効果を解析し、評価する。

6. 臨床医として重要な要因と考えられるものの評価

1及び2における評価スコアを解析することで臨床医として重要な要因がどのようなものであるかを解析し、評価する。

7. 総括

全体の事業実績を報告書として作成し、自己評価委員会で評価を受け、総括する。

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