診療の特色

機能的脳神経外科

■ 難治性てんかんに対する治療

 薬物で抑制されない難治てんかんの中に外科手術が有効な場合があります。特に近年、MRIなどの画像診断が発達したことや、ビデオ記録で発作と脳波の解析が進歩したことで、手術適応のあるてんかんをより正しく診断できるようになりました。なかでも、外科治療の効果が期待されるのが側頭葉てんかん(海馬硬化症)や大脳の皮質形成異常などです。
 診断をより確実なものにするためには病歴や画像診断に加えて、発作時の脳波をとらえることが必要です。焦点が脳の重要な機能の近くにある場合は頭蓋内脳波記録を行います。つまり、開頭して脳の表面に広く電極を敷き、より細かく発作発射の始まる部位、発作発射が広がる部位、重要な機能を有する部位などを調べます。こうして、発作の抑制に必要な切除範囲を設定して手術を行います。
 当科では、側頭葉てんかんに対する選択的海馬切除術、頭蓋内電極留置術で焦点を同定した後に手術をする焦点切除術を施行しています。手術によって、側頭葉てんかんの約8割、側頭葉以外の脳葉のてんかんの6割で発作が消失します。
難治性てんかんに対する治療

左:MRIで右の頭頂葉に異常信号

右:頭蓋内電極留置術

左:発作時脳波

右:発作焦点に認められた異常な
  神経細

 

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