この度は、医学部の緩和病棟としたケアマインドを持った医師の養成。また、保健看護学部の地域と連携した健康づくりという素晴らしい二つのプログラムが採択されましたこと、誠におめでとうございます。二つの学部の申請が二つとも採択されるというのは採択率100パーセントでありまして、なかなかこういうことはございません。特に今、ご紹介頂きましたように、内容が非常に膨大で、80名の教職員が県内の色んな施設に出かけていく、また、緩和病棟において24時間ケアに携わるという非常にすばらしいプログラムだと感じております。大学で教育する立場といたしましては、最先端の知識と技術をグローバルスタンダードと言いましょうか、世界に伍した形で教育し、医療人を育てていかなければなりません。膨大な医学、看護学の教科内容がございます。それを教えるのが現場としましては、本当に精一杯という現状じゃないでしょうか。どうしても、やはり技術論、知識論になってしまいまして、本当の医師とは何かという側面がどうも軽んじられてるんじゃないかと、日々反省しております。そういう意味から今日のプログラムは真に当を得たと言いましょうか、すばらしいプログラムであって、それが二つとも採択されたということは、和歌山医科大学の今までの教育理念、ミッションは間違っていなかったと、深く喜んでおりますし、今後ますますのご発展を祈る次第でございます。


そのような素晴らしい教育フォーラムにお招きいただきまして、光栄に思い、感謝申し上げます。最初、羽野先生から教育フォーラムで話をというお誘いを受けた時、果たしてお役に立てる話ができるかと迷いました。しかし、いろいろ考えましても、私が今迄仕事として進めて参りました脳に関することをお示しし、日頃考えていることを語らせていただくのが一番良いんじゃないかということで、今日このようなタイトルを掲げました。脳と心はどのように結ばれるかっていう、あまりにも大きなタイトルでございまして、1時間や2時間でとても語れるわけじゃございませんし、皆様話を聞いた後、ますます混乱されるかもしれませんが、一応こういう考え方もある、ということでご承知いただきたいと思います。