テー マ1.
大脳皮質の発生

大脳は種々の神経組織の中で、ヒトを含む哺乳類に於ける発達が特に顕著な組織です。
中でも大脳皮質と呼ばれる脳表面の大部分を覆う組織は、精神活動を司る細胞の集合体で、
多種多様な神経細胞(ニューロン)、グリア細胞等により構成されています。

Cerebral cortex

この複雑な構造を持つ大脳皮質も発生過程を遡れば、単層の細胞から成る
単純な組織(神経上皮)に行き着くことがわかっています。
また、この大脳皮質の発生過程で必要な様々な遺伝子が、滑脳症、小頭症等の
疾患原因遺伝子として同定されています。

しかし、神経上皮の細胞が如何にニューロンとしての特異な形態を獲得し、
さらに大脳皮質という複雑な構造の組織を形成して行くかは依然として大きな謎です。

私たちはこの謎を解明すべく、 大脳皮質の正常発生を支える
も のとして独自に見出した
細胞内シグナ ル伝達を切り口に、分子・細胞レベル、あるいはマウスをモデル
とした個体レベルでの研究に取り組んでいます。


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