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解剖学第一講座

Department of Anatomy and Cell Biology, Wakayama Medical University School of Medicine, 811-1 Kimiidera, Wakayama 641-8509, Japan
Tel/Fax: +81-73-441-0616

大学院生、研究生を募集しています。研究内容や方針など詳細については個別で相談に乗りますので、教室のメールアドレスに連絡をいただくようにお願いします。

What`s New

2015年12月 日東薬品工業株式会社と共同研究契約を締結しました。
2015年11月6日 臨床ストレス応答学会で、山本悠太先生が若手研究者奨励賞を受賞しました。
2015年9月2日 耳鳴患者さんの相対的脳血流量が判明しました。PLoS ONE
今後、耳鳴の客観的診断や治療につながる可能性があります。被験者さんを引き続き募集しています。

講座概要

解剖学講座は1952年(昭和27年)から2講座となり、解剖学第一講座では、初代清水信夫教授の後、半田順俊教授、椎野昌隆教授、鶴尾吉宏教授が歴任した。准教授であった上山敬司が2015年11月付けで昇格し、引き続き当講座を担当している。

解剖学第一講座では、医学部1~3年次の学部学生に医学教育と研究の基礎となる人体の構造を教育している。研究面では、マクロな精神的・生理的ストレスからミクロ、分子レベルの酸化ストレスに至る、ストレス現象の研究を広範的に行っている。さらに、「耳鳴」患者の脳内メカニズムの解明と画期的治療法の開発を耳鼻咽喉科、神経精神科、リハビリテーション科、放射線科、生理学第一講座と共同で研究を行っており、またドラッグリポジショニングによる非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などの非ウイルス性肝炎治療薬の開発および新規の骨代謝マーカーの開発を内科学第二講座と共同で行っており、付属病院での臨床医学的な課題を基に知的財産権の取得や産官学の連携を積極的に取り組んでいる。

スタッフ紹介(2016年4月現在)

教授 上山 敬司 (Takashi Ueyama)
講師 山本 悠太 (Yuta Yamamoto)
助教 伊藤 隆雄 (Takao Ito)
助教 山岸 直子 (Naoko Yamagishi)
副主査 小山 卓也 (Takuya Koyama)
事務補助 岡崎 有希 (Yuki Okazaki)
研究員 西 利男 (Toshio Nishi)
MD, PhDコース 
6年生
水本 結 (Yui Mizumoto)
濱田 梨絵(Eri Hamada)
田根 志帆 (Shiho Tane)
日比 賢志(Kenji Hibi)
渕上 淳也(Junya Fuchigaki)
MD, PhDコース 
4年生
川越 暁(Akatsuki Kawagoshi)
角南 昇吾(Syogo Sumami)

研究室への連絡はanatomy1@wakayama-med.ac.jpにお願いします。

教育概要

医学部教育として、医学部の1年次では医学一般(構成と機能)人体概論を担当し、2年次では解剖学と生理学との統合講義からなる人体の正常構造と機能のユニットにおいて、人体の正常な構造を熟知することによって臨床の場において疾病の診断と治療が正確に行えるように、肉眼解剖学、組織学、発生学に関する医学知識を習得して人体の構造を機能と関連づけて理解できることを目標に教育している。教育内容は、内臓学講義と実習、骨学・靱帯学・筋学の講義と実習、発生学講義、人体系統解剖学実習(隔年担当)、基礎医学PBLなどである。3年次では、基礎配属実習で教室の研究テーマに関連した研究を行う。大学院教育では、共通教育科目において人体構造機能学概論を担当している。大学院では、臨床医学教室からも広く受け入れて、お互いに関心を持てるテーマを求めて、それらの疑問を解決するような実験系を構築している。

研究概要

解剖学第一講座では、ストレス現象を理解するために様々なアプローチを行っています。一般的にストレスというと心理的な圧迫による精神的ストレスを想像しますが、食事制限や臓器の切除術といった生理的な、あるいは病理的なストレスや分子レベルでは活性酸素による酸化ストレスがある。過剰な、または不必要なストレスにより、うつ病といった精神疾患の発症が有名であるが、本研究室では精神的ストレスにより起こる心不全の一つである「タコつぼ型心筋症」の動物モデルを精神的ストレス負荷により作製し、カテコラミンを受容体拮抗薬の投与が有効であることをモデル動物により解明した。

うつ病は、精神的ストレスによる疾患であり、モノアミンや神経成長因子(BDNF)の欠乏によるメカニズムが提唱され、扁桃体や前頭前野が、うつ行動を制御していると考えられている。しかし、画像解析法の発達に伴い、核磁気共鳴法(fMRI)や放射性同位体を用いた解析方法(SPECT)により、小脳がうつ行動を制御する脳部位にあげられるようになった。本研究室では正常な動物のうち、平均よりうつ行動が高い動物の小脳における遺伝子発現変化を解析し、成長ホルモン遺伝子の発現減少を中心とした遺伝子発現変化を見出した。

耳鳴症は、病態が未だ明らかにされていない。音響療法や認知行動療法によって改善を認められる例があるものの、画期的な治療法は見出されていない。本研究室では、耳鳴症患者の脳血流量をfMRIとSPECTといった脳画像診断方法を用いて解析を行い、耳鳴症特有の脳血流変化を見出し、論文に報告している。現在は、この耳鳴症特有の変化をもとに耳鳴症の治療法を見出せるよう、臨床研究を行っている。

胃潰瘍治療薬のランソプラゾールはプロトンポンプ阻害作用とは独立して小腸において抗酸化ストレスタンパク質のヘムオキシゲナーゼ1(HO-1)の発現を増加させるが、本研究室ではランソプラゾールが肝臓においてHO-1の発現を制御する転写因子であるNF-E2-related factor 2(Nrf2)の発現を増加させ、HO-1をはじめとした抗酸化ストレスタンパク質の発現を増加させることを見出した。このメカニズムによる抗炎症効果を期待し、薬剤性急性肝炎及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)モデルを用いて抗炎症効果を解析したところ、Nrf2の発現増加作用を介した抗炎症効果を認めた(特許出願中)。

胃切除は胃癌の手術により行われるが、術後に骨がもろくなる骨軟化症が発症することがある。これは胃切除に伴うビタミンD吸収不全によるものと長らく考えられてきた。本研究室においても胃切除ラットの血中ビタミンD量を測定したところ同様な所見を確認した。しかし、近年の技術革新により微量の活性化ビタミンD量を胃切除ラットの血液より測定したところ、胃切除により増加していることを見出した。さらに骨代謝の画像解析により、胃切除により骨芽細胞及び破骨細胞の両者が活性化していて、骨軟化症ではありえない所見を初めて見出すことに成功した。

外部資金の獲得

文部科学省

科学技術研究費

  • 平成28-30年度 科学研究費(基盤C)「有酸素運動による重篤耳鳴症の改善」(研究代表者 上山 敬司)4,810千円
  • 平成24-27年度 科学研究費(基盤C)「情動的ストレスによる心血管系の応答に対する圧受容体機能の役割」 (研究代表者 上山 敬司)5,200千円
  • 平成24-27年度 科学研究費(若手研究B)「うつ様行動を制御するニューロステロイド合成システム」 (研究代表者 山本 悠太) 3,300千円
  • 平成23-27年度 科学研究費(基盤C)「RNAi法を用いた網膜における神経ステロイド代謝酵素の機能解析」 (研究代表者 伊藤 隆雄) 3,900千円
  • 平成27-29年度 科学研究費(若手研究B)「うつ様行動を引き起こす小脳-ゲノミクスとモルフォロジーからのアプローチ-」(研究代表者 山本 悠太)3,000千円

橋渡し研究加速ネットワークプログラム(大阪大学拠点)

  • シーズA-37 (代表:上山 敬司)
    平成27年度 2,000 千円
    平成26年度 3,000 千円

産学共同研究

日東薬品工業株式会社 (代表:山本 悠太)

業績

  • 2015
  • 2014
  • 2013
  • 2012
  • 2011
  1. Ueyama T, Donishi T, Ukai S, Yamamoto Y, Ishida T, Tamagowa S, Hotomi M, Shinosaki K, Yamanaka N, Kaneoke Y. Alterations of Regional Cerebral Blood Flow in Tinnitus Patients as Assessed Using Single-Photon Emission Computed Tomography. PLoS ONE 10(9): e0137291.DOI: 10.1371/journal.pone.0137291
  2. Yamamoto Y, Ueyama T, Ito T, Tsuruo Y. Down-regulation of growth hormone 1 gene in the cerebellum and prefrontal cortex of rats with depressive-like behavior. Physiological Genomics, 2015 May 1;47(5):170-6. doi: 10.1152/physiolgenomics.00119.2014.
  3. Kawabe T, Ueyama T, Hano T, Sapru HN. Cardiovascular responses to microinjections of endomorphin-2 into the nucleus of the solitary tract are attenuated in the spontaneously hypertensive rat. Clin Exp Hypertens. 2015;37(3):197-206. doi: 10.3109/10641963.2014. 933969. Epub 2014 Jul 22.
  4. 上山敬司:自律神経系の解剖と生理  JOHNS  31(8):965-968,2015
  5. 上山敬司、田根志帆、水本 結、濱田梨絵:中枢交感神経系における扁桃体と視床下部の役割 自律神経 52:32-35, 2015
  1. Yamashita Y, Ueyama T, Nishi T, Yamamoto Y, Kawakoshi A, Sunami S, Iguchi M, Tamai H, Ueda K, Ito T, Tsuruo Y, Ichinose M.  Nrf2-induceding anti-oxidation stress response in the liver - New beneficial effect of Lansoprazole.  PLoS ONE 2014, 9(5): e97419. doi:10.1371/journal.pone.0097419
  2. Takahashi S, Ukai S, Tsuji T, Ueyama T, Kono M, Yamanaka N, Shinosaki K. Reduction of cortical excitability and increase of thalamic activity in a low-frequency rTMS treatment for chronic tinnitus. Neurocase 2014, DOI 10.1080/13554794.2014.89300
  3. 上山敬司、田根志帆、水本 結:扁桃体と中枢自律神経系Clinical Neuroscience 32:648-651, 2014
  1. Ueyama T. Neuroanatomy of Stress Responses.  Advances in Neuroimmune Biology 4, 13–33,2013
  2. Ueyama T, Yamamoto Y, Ueda K, Yajima A, Maeda Y, Yamashita Y, Ito T, Tsuruo Y, Ichinose M. Is gastrectomy-induced high turnover of bone with hyperosteoidosis and increase of mineralization a typical osteomalacia?  PLoS ONE 8(6): e65685. doi:10.1371/journal.pone.0065685
  3. Ueyama T, Donishi T, Ukai S, Ikeda Y, Hotomi M, Yamanaka N, Shinosaki K, Terada M, Kaneoke Y. Brain regions responsible for tinnitus distress and loudness: a resting-state fMRI study. PLoS ONE 8(6): e67778. doi:10.1371/journal.pone.0067778
  1. Takano Y, Ueyama T, Ishikura F.  Azelnidipine, unique calcium channel blocker could prevent stress-induced cardiac dysfunction like ab blocker. J Cardiol J Cardiol. 60:18-22.,2012. doi: 10.1016/j.jjcc.2012.01.017.
  2. Ishikura F, Takano Y, Ueyama T. Amlodipine has a preventive effect on temporal left ventricular hypokinesia after emotional stress compared with an angiotensin II receptor blocker.  J Med Ultrasonics  2012. doi.10.1007/s10396-012-0392-5
  3. Ishikura F, Takano Y, Ueyama T. Acute effects of beta-blocker with intrinsic sympathomimetic activity on stress-induced cardiac dysfunction in rats. J Cardiol 2012:60:470-474 doi: 10.1016/j.jjcc.2012.07.004.
  4. 上山敬司:情動、扁桃体と自律神経系 Brain and Nerve 64:1113-1119, 2012
  1. Ueyama T, Yamamoto, Y, Ueda K, Kawabe T, Hano T, Ito T, Tsuruo Y, Ichinose M, Yoshida K.  Cardiac and vascular gene profiles in an animal model of takotsubo cardiomyopathy.  Heart and Vessels 2011;26:321-337,2011
  2. 上山敬司:ハンドリング、高血圧自然発症ラット、チロシンハイドキシレース、近交系動物「ストレス科学事典」全1187項 日本ストレス学会財団法人パブリックヘルスリサーチセンター監修 東京、実務教育出版、2011
  3. 上山敬司:情動的ストレスによる、心血管系での酸化的ストレス応答. 心身医学51:879-884, 2011
  4. 上山敬司、仙波恵美子:中枢自律神経系 分子精神医学11: 8-13, 2011
  5. 上山敬司:視床下部視交叉上核の神経回路 自律神経 48:120-121, 2011
  6. 上山敬司、山本悠太、伊藤隆雄、鶴尾吉宏:右環椎下椎骨動脈と、同側の後頭下筋の起始•停止の下方偏位を認めた1例. 和歌山医学62:4-6, 2011
  7. 上山敬司、伊藤隆雄、山本悠太、鶴尾吉宏:肋間神経に支配される、対称性胸骨筋の1例. 和歌山医学 62:113-114, 2011

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