ルーヴェンカトリック大学での海外基礎配属
医学部3年 笈田玲於名
私は海外基礎配属として約3か月間、ベルギーのルーヴェンカトリック大学に留学しました。海外基礎配属を通して、研究について学ぶだけでなく、文化や考え方の違いを感じ、さまざまな刺激を受けました。この体験談を通して、留学に少しでも興味のある方の後押しになると嬉しいです。
私はProf.Maurilio SampaolesiとSupervisorのMargalida Campaner Sociasの下、ips細胞から心臓のオルガノイドを作るという研究に携わりました。心筋細胞は他の細胞と異なり、生後細胞分裂をすることはなく、自己再生能を持ちません。心筋細胞が傷ついた際の修復メカニズムにはまだまだわからないことがたくさんあり、心臓病は世界で一番多い死因となっています。私が研究をさせていただいたラボでは、健康な人由来のips細胞だけでなく、Duchenne型筋ジストロフィー患者由来のips細胞を使用し、心筋細胞や心外膜の細胞に分化させ、ウェルプレートや3Dプリンターにより3次元のモデルを作ることを試みていました。そして心臓の修復メカニズムをより深く解明し、治療法を見つけることが最終的な目標でした。初めは実験の背景や原理を英語で学ぶということが難しかったですが、クリーンベンチでの作業やRT-qPCRといった基本的な実験操作を身につけるだけでなく、研究への取り組み方を学んだり、再生医療がここまで進歩していることを目の当たりにすることができました。ラボの皆さんは私より年上の方ばかりでしたが、皆さんとても優しく、フレンドリーに接してくださいました。ラボのメンバーの誕生日をみんなで祝ったり、月に一回ほどHappy Hourというラボでお酒を飲みながら、ゲームをするというイベントがあり、研究以外でも充実した時間を過ごすことができました。最初は上下関係が日本ほどなく、目上の人にもフレンドリーに接したり、はっきりと自分の意見を述べなければいけないことに戸惑いましたが、年齢や立場に関係なくお互いのことをリスペクトしながらも自分の意見をしっかり持ち、時には友達のように一緒に楽しむというのはとても素敵な関係だと感じました。
日常生活の面では、私の留学した地域はオランダ語圏ということもあり、出発前は少し不安もありましたが、街にいるほとんどの人が英語を話すことができ、夜でも治安がよい地域であったため、安心して過ごすことができました。週末にはベルギーだけではなく、近隣のフランスやオランダ、ドイツ、イギリスまで足を延ばし観光し、たくさんの歴史的建造物や美術品を観たり、ミュージカルを観劇するなど様々な体験ができました。隣接している国同士でも、街の雰囲気や食べ物、言語が異なったことがとても新鮮でした。
最後になりましたが、このような貴重な機会を与えてくださった西谷先生、快く受け入れてくださったProf.Sampaolesi、SupervisorのMargalida、ラボの皆さん、そして今回の留学に携わってくださった方々に心より感謝申し上げます。ここには書ききれないほどたくさんの経験をしたり、さまざまな感情に直面し、文化の違いや自分の将来についてさらに考えるきっかけになりました。今回の経験を活かし、日々色々なことに取り組んでいきたいです。