フランス・リール大学での海外基礎配属を終えて
和歌山県立医科大学医学部3年
坂本睦美
私は2024年9月から2か月間、フランスのリール大学で海外基礎配属を経験しました。内村先生と西辻先生のご指導のもと、ケラタン硫酸(KS)と神経疾患の関係に関する研究に取り組みました。具体的には、マウス脳の凍結切片を用いた免疫染色を行い、共焦点顕微鏡でミクログリアにおけるKSの局在を観察するという内容でした。実験前には英語論文をもとにした勉強会があり、実験後も結果の考察や次の手順を自ら考える機会を多くいただき、研究者としての思考力を育む貴重な経験となりました。
また、研究室ではお昼に“アペロ”(軽食を囲んで話すフランス文化)を楽しむなど、人とのつながりも大切にされていました。研究だけでなく、日常のちょっとした会話を通じて、フランスの文化や考え方に自然と触れられる環境があり、異文化理解が深まったことも大きな学びでした。
実は、私は英語に対して不安があり、留学への挑戦には大きな勇気が必要でした。しかし、日本人の先生のもとで学べるという安心感、そして英語圏ではないフランスという環境だったからこそ、現地の人々と“完璧ではない英語”で気軽にコミュニケーションが取れ、結果として語学への自信へとつながりました。その経験から、言葉以上に大切なのは「伝えようとする姿勢」であると言ことを実感しました。
週末や連休にはイギリス、ドイツ、ベルギーなどヨーロッパ各地を訪れる機会にも恵まれました。国ごとに異なる歴史や価値観に触れるなかで、ただの観光では得られない「もっと知りたい」「深く学びたい」という探究心が自然と芽生えました。現地での体験をきっかけに、YouTubeや映画鑑賞を通じてヨーロッパの歴史を一から学び直したり、芸術作品を理解するためにギリシャ神話やキリスト教について自然に掻き立てられるように勉強するようになったことは、自分でも驚きでした。そして一歩外に出るだけで知識として得た世界が“本物”として目の前に現れる——そんな感動の連続が、教材や映像では得られない学びを与えてくれました。こうして得た教養は、単なる知識にとどまらず、自分の中に深く根づき、今後の人生にも確かな影響を与えてくれると感じています。
将来、私は医師として患者さんと向き合っていきます。その中で必要なのは、医学的な知識だけでなく、人の背景や文化を理解する力、多様な価値観を尊重する姿勢です。今回の留学は、それらを肌で感じ、実践できる貴重な機会でした。
留学は不安もありますが、挑戦した先には、自分の世界を広げてくれる経験が待っています。もし少しでも興味があるなら、ぜひ一歩を踏み出してみてください!(留学体験記をを最後まで読んでくれている時点でもう一歩踏み出せてますよ!)
最後に、このような貴重な経験の機会をくださった内村先生、西辻先生、そして共に過ごし支えてくれた梶本奈帆さん、西川結野さんに、心より感謝申し上げます。