海外基礎配属 リール大学

                                           梶本奈帆

昨年9月から2か月にわたって、生化学教室から、リール大学に滞在させていただきました。大学入学以前から海外留学に興味があり、3年次の機会にぜひ留学したいと思っていました。リール大学への留学を希望したきっかけは、フランスの文化に興味があったことです。特にリールはパリから北へ離れていて、都心部とは少し違った風土を感じたいと思いました。生化学教室の先生方に基礎配属についてご相談した際、とても親切に受け入れてくださり、こちらの教室から留学を志望いたしました。
リール大学で配属された研究室では、糖鎖の研究に携わらせていただきました。この研究室では、特にアルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経変性疾患において、ある種のケラタン硫酸がどのように発現しているのかについて研究されています。平日は、朝9時から夕方の17時ごろまで研究室に通い、実験をしていました。Cryostatで凍結標本を薄切して免疫染色をしたり、DNAフラグメントとプラスミドのライゲーションを教わったりして、繰り返し実験しました。
休憩の合間には、研究室の先生方、院生さんと昼食を取りました。どの方も明るく接してくださり、特に、年の近い院生さんとお話をするのがとても楽しく、実験が終わると一緒に遊びに行くこともありました。
現地の方と会話をするときはほとんど英語でのやり取りでしたが、YouTubeなどを視聴して、簡単なフランス語の挨拶や言葉を覚えていくようにしていました。留学前には、長期の留学経験が初めての私にとって、英語で意思疎通をすることにとても不安がありました。実際、上手く英語が聞き取れないときがあり、自分の思うことを伝えられないこともありました。それでも、積極的にラボメンバーと会話して、少しでもコミュニケーションの機会を増やそうとすることが大切なのではないかと思います。
リール中心部や旧市街は、とても素敵な景観を持っている町です。隣国のベルギーから、国王が来訪されたこともありました。また9月上旬にはブラッドリーと呼ばれる蚤の市が毎年開かれますし、現地のサッカースタジアムで、サッカー観戦をすることもできます。
週末には、リールと国境を隔てているベルギーの首都ブリュッセルや、隣国ドイツのケルンに訪れました。ユーロ圏が形成されているため、行き来が簡単で、様々な文化に触れることができ、大変刺激になりました。
数か月間という長い期間にわたって海外に滞在することに、不安を感じられる方が多いと思いますが、現地の方と関わり、様々な体験をすることで、かけがえのない時間を過ごすことができます。もし、留学に興味があれば、ぜひ一歩勇気を踏み出してみて下さい。
最後に、今回の留学の機会を作って下さった生化学教室の西辻先生、井原教授、現地でお世話になった内村先生、研究室の方々、支えてくれた同期に、心から感謝申し上げます。

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