Mangusada Hospitalでの実習を終えて
医学部6年 東咲良
私は2026年4月6日から24日までの3週間、インドネシア・バリ島のBadung県にある総合病院、Mangusada Hospital(RSUD Mangusada)で臨床実習をさせていただきました。Mangusada Hospitalは、地域の中核病院として医療を担う公立病院であり、地域住民に幅広い医療を提供するとともに、教育病院として医学生や研修医の教育にも携わっています。
実習では、主にウダヤナ大学から実習に来ているポリクリ班に同行し、医師の診療を見学しました。日本とは異なる医療環境の中で、多くの学びを得ることができました。現地では腫瘍マーカーやCTなどの高額な検査を容易に実施できない場合も多く、医師は問診、内診、超音波検査といった限られた情報をもとに診断や治療方針を決定していました。私はそれまで検査結果を前提に考えることが多かったため、診察所見が診療の中心となる現場に大きな衝撃を受けました。
この経験を通じて、問診や身体診察といった診療の基本の重要性を改めて実感しました。また、限られた情報の中から鑑別診断を挙げ、必要な検査や治療を考える臨床推論能力を身につけることの大切さを学びました。将来の初期研修では、検査結果だけに頼るのではなく、まず患者さんの訴えや身体所見を丁寧に捉え、その情報をもとに考えを積み重ねていく姿勢を大切にしたいと考えています。
また、私たちは経験する機会がありませんでしたが、現地の学生は学生のうちから夜勤に入ることがあるそうです。各班5名ほどの班員で順番に夜勤を担当し、入院患者さんの夜間の容態管理や、時には検死にも携わると聞き、大変驚きました。さらに、夜勤の後もそのまま実習に参加するそうで、疲れているはずにもかかわらず、医師に熱心に質問する現地学生の姿に深く感銘を受けました。その姿を見て、私自身もより積極的な姿勢で学ばなければならないと強く感じました。
休日には、バリ島ならではの文化や自然に触れる機会にも恵まれました。バリ島の食事は辛い料理が多い一方で、多国籍料理も充実しており、食事に困ることはありませんでした。また、日本と同じようにコンビニエンスストアが多く、移動もGrabタクシーを利用することで安価かつ容易に行うことができ、不自由なく生活することができました。異文化の中で生活する経験を通じて、医療だけでなく、異なる価値観や文化への理解を深めることができたと感じています。
最後に、今回の留学に際し、多方面にわたりサポートしてくださった国際交流センターの川井先生、林さん、那智勝浦病院の木浦先生、そして温かく受け入れてくださったMangusada Hospitalの皆様に心より感謝申し上げます。今回の貴重な経験を、今後の学習や臨床に生かしていきたいと思います。