公立大学法人和歌山県立医科大学

プラグマティズム的臨床医育成プログラム

ハードマインドとソフトマインドの融合による患者評価に立脚した「実践的臨床医」育成プログラム

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公立大学法人 和歌山県立医科大学 医学部
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臨床教育現場

経験教育学習 感想文

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H21年度 1年生 地域福祉関係施設実習

和歌山県立医科大学では1年次に地域福祉関係施設にて介護実習を実施しています。

実習期間 :
平成21年度夏期休暇期間の5日間
目   的 :
ケアマインドやコミュニケーション・スキルを身につける。介助体験等によって医師となる自覚、厳しさを身につける。入居者・利用者を中心とした各スタッフの協調性の重要さを理解する。老人福祉施設の現場を介助体験等を通じて理解し、老人医療の現場を体験する。アーリィエクスポージャーに続いて、地域医療の実態などを学ぶ。
医学の基本的な医学体系・概念および医療システムおよび基礎医学、臨床医学の関連について理解する。また、医療において知識・技能以外に倫理観・人間性が重要であることを体験を通して理解する。

学生感想文抜粋  学生の感想文の一部を紹介します

五日間の実習を通してスタッフや利用者の方によく言われたのが、高齢者の話を聞くお医者さんになってください、ということです。おそらく高齢者の方に限らず、多くの人たちが自分の痛みや苦しみを分かってもらえないと感じているようです。医師なら怪我や病気の痛みや苦しみをある程度緩和することができると信じて病院に来る患者にとって、それはとても辛いことだと思います。コミュニケーションの意味は相手の気持ちや状態を知ることにあって、相手と目線を合わせて聞くことで患者さんに合った治療を考えることができるのではないでしょうか。今回の実習の経験を今後の勉強や医師としての働きにいかしたいと思います。

私が今回の実習で特に印象に残ったのは食事介助と入浴介助です。食事介助についてですが、これはただ単に自分の力で食べ物を食べられない方の口に食べ物を運ぶというだけの行為ではありません。簡単にやっていうように見えた食事介助は、飲み込むタイミングを見極め、口を開けやすい頃を見計らってスプーンを口元に運ばなければならないし、食べる人との信頼関係がないと、口さえ開けてもらえません。介護士さんは簡単にしているように見えていたのに、自分がしてみることで初めて気づくことができました。次に入浴介助についてですが、実際に経験してみると、自分の力で立てない人を支えることの難しさと大変さに気付かされました。入浴場でずっと入浴介助をしていると汗がとまりません。それでも介護士さんたちは沢山の人たちを入浴介助していきます。お風呂に入ると心身共にリラックスできます。その気持ちよさを利用者の方々に出来るだけ感じてもらおうとする努力はすごいことだと思いました。特別養護老人ホームでは気にかけないといけないことが多く、とても大変な職場だと思いました。それでも職員の方々が元気に頑張り続けるのは、きっと利用者さんが時々かけてくれる「ありがとう」という一言があるからだと思います。私もこの言葉にとても助けられました。この実習では多くのことを学べましたが、それらをこれからの学習にも活かしていこうと思います。

今回の実習で、医師となったときに必要なコミュニケーションスキルを少しでも上達させたいが、お年寄りの方々と上手にコミュニケーションがとれるだろうか、このような目標と不安をもって実習に臨みました。はじめは、お互いに緊張してしまい、なかなか話が続かない場面が多くありましたが、時間が経つにつれ、利用者の方に合わせた話すスピードや声の大きさが分かってくると、色々なお話をしてくれるようになりました。実習を通して強く感じたことは、上手くコミュニケーションをとるためにはスキンシップが大切で、スキンシップにはすごい力があるということでした。横にいて手を握ったりするだけでそれまで笑顔をほとんど見せてくれなかった方が笑顔を見せてくれるという場面がありました。また、職員の方からコミュニケーションも大切ですが、そのためには表情や仕草、態度などのちょっとした変化でその人の新庄の変化に気づき、読み取れるようになることが大切だと思いました。これは将来、医師になって限られた時間の中で患者さんを診察する時にも必要なことだと感じました。

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