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沿革・理念

腎センター準備室から腎臓内科学講座への歩み

和歌山県立医科大学腎臓内科学講座は昭和51年5月に開設された腎センター準備室が前身になります。泌尿器科の阿部富彌助教授が腎センター準備室へ配置換えとなり、翌昭和52年12月には教授に昇任し準備室長となりました。しかしながら、その後は長きにわたり準備室のままで、定員も僅か2名(教授と助手1名)という、和歌山県立医科大学の中で最も小さい組織でした。昭和63年4月1日、12年の歳月を経て、ようやく準備室から腎センターへ名称が変更され、定員が3名に増員されました。

平成11年3月に阿部教授が定年退官となり、同年4月に秋澤忠男教授が着任されました。教室名が腎センターから血液浄化センターへ変更され、腎炎やネフローゼなどの腎臓内科領域の診療を行うようになり、平成17年からは腎生検を開始しました。

平成17年8月に秋澤教授が昭和大学医学部教授就任のため離職され、平成18年4月に重松隆教授が新たに着任されました。教室名が血液浄化センターから腎臓内科・血液浄化センターになりましたが、定員は3名(教授、講師、助手)のままでした。重松教授は腎臓内科領域の診療により力を入れ、平成17年の開始時には4例であった腎生検が、翌18年には30例と増加し、以降年間60例前後で推移するようになりました。定員も徐々に増え、平成20年2月には5名まで増員されました。平成24年4月には組織改編により腎臓内科学講座となり、大学院の腎臓・体内環境調節内科学との併設になりました。腎センター準備室開設から36年後の出来事になります。

令和3年3月に重松教授が定年退官となり、同年10月に新教授として荒木信一教授を迎え、定員6名(教授、准教授、助教4名)で新たな体制がスタートしました。臨床では、腎センター準備室から脈々と続く透析医療、バスキュラーアクセス作製・治療、アフェレシス治療に加え、秋澤教授・重松教授が積み上げた腎臓内科領域の診療も取り入れ、オールラウンドな腎臓内科医の育成を目指してきました。また研究では、慢性腎臓病と骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)に関する動物実験や臨床研究をメインテーマに、二次性副甲状腺機能亢進症、血管石灰化、マグネシウム、線維芽細胞増殖因子23(FGF23)に関して知見を深めてきました。今後は荒木教授のもと、基礎研究の拡充と臨床研究の推進、大学病院での質の高い医療の提供、さらには有能な臨床医・研究者・教育者の育成と、これまでの歩みを更に発展させより魅力ある講座になるよう、また和歌山の腎臓病診療に貢献しそれを世界に発信できるよう、教室として取り組んでまいります。