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消化管グループ

食道アカラシアに対する内視鏡治療

食道運動異常とは食道が正常な蠕動運動を行う事ができず、食物・飲物の胃内への通過障害を認める疾患です。運動異常を来たす代表的な疾患として食道アカラシアがあります。
食道アカラシアとは非常に希な疾患であり、食道と胃の接合部の弛緩不全、または強収縮する事で引き起こされる食道運動機能障害です。食事が食道から胃内へ通過せず食道内に滞留し、食事の通過障害・胸痛・嘔吐・咽頭部違和感を認め、さらには栄養状態の低下、体重減少、誤嚥性肺炎などをきたす場合があります。食道運動機能異常は食道粘膜には異常を認めないことから、通常の上部消化管内視鏡検査では診断が困難なことがあります。
当内視鏡部では食道アカラシア及び類縁疾患に対して、食道運動機能を詳しく評価する為の内圧測定検査を導入し診断に役立てております。また同時に同疾患の最先端の治療であるPer-Oral Endoscopic Myotomy(POEM,経口内視鏡的筋層切開術)も当院で開始し、患者様の治療を行っております。

POEMは2008年に井上晴洋医師ら(現 昭和大学江東豊洲病院消化器センター教授)が世界に先駆けて開発した治療法であり、従来の外科的治療(Heller-Dor手術)と比較し治療効果は劣らず、経口内視鏡のみで行う低侵襲であり安全面のおいても有効な治療であり、既に2016年4月より保険収載されているので経済面でも患者様にかかる負担が軽減されています。

アカラシアの運動機能障害の診断に必要な食道内圧検査・24時間pHモニタリングインピーダンス測定器具も導入しており、アカラシア以外の食道運動機能障害に対しても有用な検査となっております。


2018年10月、和歌山県下初のPOEM治療を実施
2019年1月時点で6例


Per-Oral Endoscopic Myotomy(POEM,経口内視鏡的筋層切開術)

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