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呼吸器グループ

主な診療内容

肺癌、感染症、間質性肺炎といった幅広い呼吸器疾患の診断と治療を対象に気管支鏡検査を施行しています。気管支鏡検査とは肺や気管支の病気を診断するための内視鏡検査、いわゆる肺のカメラの検査です。当院では年間約300件程度の気管支鏡検査を施行しています。

呼吸器内視鏡診断グループは平成25年度から新たに立ち上げられた若いグループです。近年呼吸器内視鏡の進歩は目まぐるしく、新たな技術が実際の臨床現場まで可能となってきており、以前と比較して呼吸器内科の手技範囲も広くなりました。
和歌山県内の関連病院から診断や治療を依頼されるケースも多く、治療につながる診断を早期に行っています。

当グループで行っている診断、治療を御紹介します。

経気管支鏡肺生検

経気管支鏡肺生検とは気管支鏡から挿入した鉗子を使用して、組織を採取する検査です。中枢の病変であれば、直接カメラで観察して組織採取を行います。しかし、末梢の病変も多く、気管支鏡での診断はある程度の技術を要します。また、近年では肺癌における分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の効果予測のために良質な検体の採取が必要になっています。

直接カメラで観察をして組織採取をする胃カメラや大腸カメラとは異なり、末梢病変では病変の近くまで気管支鏡を挿入し、そこから鉗子を使用して組織を採取します。そのために当院では放射線透視以外にEBUSというエコーを使用しています。末梢病変をguide-sheathを通したエコーでとらえてから、鉗子を通して組織検査を行うことでより確実な組織採取を可能にしています。また、Bf-NAVIという、CT画像から仮想気管支鏡画像を作成し、診断率を上げることも実施しています。
2018年からは極細径気管支鏡を使用し、気管支鏡をできる限り病変に近い位置まで挿入し、組織採取を行うことも実施しています。また、肺癌が疑わしい場合は、迅速細胞診を行うことで、より良質な組織採取を行っています。

気管支鏡検査は、手術やCTガイド下生検による診断よりも低リスクでの診断を可能にしています。他院で診断がつかなかった症例などについても積極的に受け入れをしており、治療に結びつく診断を行っています。

他にも間質性肺炎やサルコイドーシスといったびまん性肺疾患の診断のために末梢の肺胞組織の採取をすることで診断をすることも行っています。近医からの原因不明の肺野の陰影の精査加療も積極的に行っています。

気管支肺胞洗浄、気管支洗浄

気管支肺胞洗浄とは気管支鏡を通して生理食塩水を肺内に入れて、回収することで肺胞に存在する炎症細胞や液体成分を分析する検査法です。主にびまん性肺疾患の診断のために使用します。また、感染症が疑われる場合は少量の生理食塩水を気管支に散布し、細菌検査に提出することで、結核や非結核性抗酸菌といった特殊な感染症の診断も行っています。

超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)

EBUS-TBNAとは気管・気管支周囲の病変、主にリンパ節をエコーでリアルタイムにとらえながら、針生検を施行する方法です。肺の末梢病変で採取が困難な場合や肺癌の病期診断目的や悪性リンパ腫やサルコイドーシスといったリンパ増殖性疾患の診断に使用されます。当院では年間50例程度の検査を行っています。

気管支充填術

気管支充填術とは難治性気胸などの治療法として、EWSという充填剤で気管支を閉塞することにより、難治性病態を改善する治療方法です。当院では難治性気胸で手術困難症例に対しての気管支鏡処置として、年間数例は行っています。和歌山県内の難治性気胸患者でお困りの患者様がおられましたら、当院へのご紹介もお待ちしております。


和歌山県内から多数の幅広い疾患の患者様の紹介をいただき、積極的に検査を行っており、患者様にとってよりよい治療を提案させてもらっています。