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胆膵グループ

我々胆道・膵臓グループでは北野教授を筆頭に、胆道、膵臓の病気の検査・治療を行っています。

主な診療内容について

膵・胆道腫瘍の診断・治療をはじめ、急性膵炎、総胆管結石、急性胆管炎、IgG4関連疾患など、幅広い領域を対象としています。特に胆膵がんに対する診療に力を入れており、膵臓がん、胆道がんを早期に診断するため、「きのくにプロジェクト」と称した地域医療連携システムを構築中です。数々の内視鏡治療の中で、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)あるいは超音波内視鏡検査を用いた治療は、最も難易度が高く、全国的に専門医師が少ない現状があります。

当院の胆道・膵臓グループは、北野教授を中心に世界に先駆けて、その治療技術を研究開発し、実際の臨床現場において実践しております。これにより、県下のみならず、全国より、難治性の胆道・膵疾患に対する内視鏡治療を依頼され、治療を行っております。

当グループで行っている診断、治療を御紹介します。

ERCPによる診断、治療

ERCPは、内視鏡(カメラ)を口から入れて食道・胃を通り、十二指腸まで進め、胆管や膵管に直接細いチューブを介して造影剤を注入してレントゲン写真を撮影することで、胆嚢や胆管及び膵管の異常を詳しく調べる検査です。エコーやCT・MRIなどでも、これらの管に関する情報を得ることはできますが、直接的に検査ができ、必要により病気の部分から組織を採取して、病理検査をすることができるため、ERCPがこの領域の最終的な精密検査法として位置付けられています。胆管や膵管にできてしまう石(胆石・膵石)が見つかった場合、ERCPにより、除去を行うことができます。これらを開腹手術で行っていた時代に比べて、治療による死亡率は劇的に減少しました。

ERCPによる内視鏡的手術は、内視鏡のみを使っておこなうので、皮膚に傷も残りませんし、手術後3時間で歩くことができる程、体に負担の少ない治療です。胆管や膵管に狭窄がある場合、プラスティックや金属の管(「ステント」と呼びます)を胆管や膵管に挿入して、胆汁や膵液の流れを改善させることができます。胆管や膵管に感染が起きた場合、重篤になる可能性がありますが、これらのステントによる治療で、致命的になることはほとんどなくなりました。

EUSによる診断、治療

EUSは、文字通り超音波(エコー)装置をともなった内視鏡で、消化管のなか(内腔)から消化管壁や周囲組織・臓器などの診断をおこなう検査です。この検査も“胃カメラ”と同じく口から内視鏡を挿入します。EUSは体表からのエコー検査と異なり、胃や腸の中の空気や腹壁、腹腔内の脂肪、骨がエコーの妨げになることがなく、目的の病変(特に胆道や膵臓)の近くから観察が行えるため、より詳細に病変の情報を得ることができます。

北野教授が開発した超音波内視鏡(EUS)を用いた膵臓がん・胆道がんの早期診断技術は、国内外で講演やライブデモンストレーションにより啓発活動を行い、診断に難渋している胆道・膵臓疾患の患者さんの紹介を全国から受け入れております。

また、超音波内視鏡で観察しながら穿刺する方法(EUS-FNA:超音波内視鏡下穿刺吸引法)によって、今まで組織による診断が困難とされていた膵臓癌に対する病理学的診断も可能となりました。当院では膵病変に対してEUS-FNAを積極的に行っており、高い正診率が得られております。更に他院でERCPが困難・不成功であった胆管狭窄に対して、当院では、超音波内視鏡下に胆管を穿刺し治療する超音波内視鏡下胆道ドレナージ術(EUS-BD)を積極的に行っております。急性膵炎後に一般病院では治療に難渋する被包化膵壊死(WON)に対しても、当院では超音波内視鏡下に嚢胞を穿刺し、超音波内視鏡下嚢胞穿刺術やそれでも困難症例には内視鏡的ネクロセクトミーなどが行われております。

また、これらの超音波内視鏡下の処置に関しましては、近畿で限られた施設しか行うことができないため、県内だけでなく県外からもたくさんの患者さまを紹介いただき治療を行っております。

膵臓・胆道癌の治療

膵臓癌・胆道癌の治療については消化器外科と連携し、適切な治療方針を決定しています。また膵・胆道癌は発見時に進行していることが多いため、化学療法を行うことが多く、最新の化学療法を行なっています。遠方にお住いの患者様も多く、県内各地の関連病院と連携を取りながら診療しています。

我々の領域は、胆石症、急性胆嚢炎、急性胆管炎、急性膵炎等の急性期疾患が多いため、フットワークの軽い診療姿勢が重要と考えており、常時近隣の施設からの診療依頼を受け入れる体制を整えております。