緩和ケア臨床実習2005 感想文

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緩和ケア臨床実習の感想2005

緩和ケア臨床実習を終えた学生の声

 治癒だけが医療の目的ではない、ということを強く感じたのは緩和ケア病棟での実習だった。
患者さんの苦痛を除き、楽しい時間を過ごせるかという配慮に満ちた雰囲気を感じた。
私たちが月山先生のお話を聞いている間に一人の患者さんが亡くなった。先生は来るはずのことが来た、とでもいうように何一つ変わらない態度でご家族のところへ行かれた。 緩和病棟では、死は「治療できなかった」結果ではなく、予定通りに訪れた「自然の流れ」と捉えられているように思われた。
この、死は自然の流れの一部であるという真実がもっと広く人々に理解されたなら、ケアの概念はしっかりと根付くのではないか。
緩和ケア病棟の実習で、将来医療に携わる者の一人として、「患者さんの死は敗北でない」ことが強く心に残った。「疾患に対してできることはなくなっても、、患者さんに対してできることはまだまだ残っている。医療の中で脚光を浴びる治療技術だけなく、新しい発見があった。
緩和ケア実習では、他科とは随分異なる病棟の雰囲気に驚きました。決して死ぬための場所ではなく、人生を再構築する場所であるという考えに基づいた病棟作りは、患者さんがなるべく家に居るのと同じ気持ちになれるよう随所に工夫が凝らせており、さらに、患者さんだけでなく、御家族の心のケアも考えていることに感心しました。