核スピンイメージング (Nuclear Spin Imaging, NSI)

非放射線画像診断装置であるMRIの適用範囲を広げる核スピンイメージング(Nuclear Spin Imaging, NSI)法の開発,研究を行っています.NSI 法とは,通常(熱平衡状態)の核偏極度より大きな偏極(超偏極)を持った原子核を造影剤とするMRIです.

パラ水素誘導偏極法
PHIP, Para-Hydrogen Induced Polarization

水素分子には,構成する2つの水素原子核のスピンの向きが同方向のオルソ水素と,反対方向のパラ水素の2種類があります.常温の水素ガスは,25%のパラ水素と75%のオルソ水素で構成されています.PHIP法とは,水素化反応を用いてパラ水素の偏極を化合物中の原子核に移行し,超偏極化合物を生成する手法です.このため,水素化反応に用いる水素ガス中のパラ水素存在比がほぼ100%であることが鍵となります.

強制偏極法
Brute Force Method

強制偏極法では,極低温と強磁場を用いて原子核を偏極させます.大阪大学核物理研究センターの希釈冷凍機(最低温度6mK)と超電導電磁石(最大磁場17T)を用いて3Heを超偏極させる研究を行っています.

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