哲学

1年生後期、人文社会科学系、月曜日1時限

最終更新日:2018-11-30, スライドを追加。

基本的考え方(どんな授業?)

哲学(Philosophie, philosophy)と呼ばれるながきにわたる営みが、 これまで論究の対象としてきた事柄や論究の対象としうる事柄は、 非常に多岐にわたります。 そしてそれらの事柄を、 哲学以外の個別諸科学に対して領域的に限定することが、 現在でもできないわけではありません (そうすることに意味があるかどうかは別の話です)。 また、 それがなければ立ちゆかないこと、 いわば、 哲学屋の暗黙知的なものとなる必須の事項的知識が、 哲学に存在しないわけでもありません。 けれども、 「philosophierenは学びうるが、Philosophieは学びえない」という カント(Immanuel Kant, 1724-1804)の言葉は、 やはり、 あくまでも正しい言葉です。

反省的かつ一般的な態度のもとで(その態度をも意識化・問題化しつつ)、 言葉の真正の意味での批判や、 可能性に対する想像力と感受性を失わない推論を試み続ける営み、 あるいは平たく言って、 「このことを、 こうとしか考えられない、 この頭」を拒否し続ける試み、 そういう営みが、 哲学の少なくとも一つの姿です。

「このことを、こうとしか考えられないこの頭」という台詞は、 確か埴谷雄高の言葉だったと記憶しています。 アンケートのようなものに答えて、 埴谷は「これが私は大嫌いだ」と言ってました。

この授業は、 そういう営みの一端を展開することが目標です。

授業は、 プレゼンテーション・アプリケーションを用いて、 基本的に講述形式で行ないます。 私は普段、 出席をとったりしません。 時間の無駄。 私の趣味にも合わない。 大学の授業は、 「自分のために、 自分で勉強するために、 参加する」ものです。 こういう気持ちがない人は、 そもそも教室に来なくてよろしい。 出席なんぞをとると、 いなくていい人間がいることになって、 教室の空気が澱みます。 そうはいっても、 話の流れというものがありますから、 理解のためにも、 単位取得のためにも(?)、 選択したかぎり、 あんまり欠席しない方がいいでしょう。 よく欠席しているけどねえ、 諸君。

授業の具体的テーマ:病気(disease, Krankheit)そのものへの多様な視角

医学部の学生が対象なので、こういうテーマです。 科学哲学的ならびに科学史的な観点から、 「病気」そのものについてアプローチしていきます。

人間のからだには色々な出来事が起こりますが、 そのなかでも特定の、 他の出来事とは区別可能な事態が、 「病気」と名づけられるのはどういうことなのか。 そう名づけられることによって、 人々は、 医療者は、 何を考え、 何を行なうことになるのか。 たとえばそういった基本的な事柄を、 色々と考えていきます。

「病気に関する理論と実践、もしくは知識と経験」 「病気を説明するということ」 「病気の原因という概念」 、 この三つくらいが通奏低音になります。

ただし、 一般的抽象的な次元ばかりになってしまうと難しいでしょう。

そこで、 具体的事例を取り上げ、 その事例を通じて上記のような事柄にアプローチします。 2018年度も基本的にこれまでと同様です。 ただし、これまでより実例の取り上げ方を少し自由にして、 思考の展開や、その原理、前提により多く注目する予定です。 つまり、Helicobacter pyloriにかかわる実例を取り上げるとして、 それをめぐる実際のストーリーを追跡しますが、 そのこと自体はこの授業にとっての重大事ではむしろない。 そのストーリを成立させる思考・論理・原理・背景が、重大事。 medicineの営みがもっている多面性・多層性をできるだけ話し、考えてみるつもり。 「多」なので上手にきれいに話すのは難しいのだけれど、 まあ、 やってみましょう。

授業用スライドなど

以下に掲載するのは授業で用いたスライドです。 ご参考までにどうぞ。 もとい、きちんと確認して試験のためにも勉強しなさい。 なお、 授業終了後にそれが必要だと私によって判断された場合、 改訂されていることがあります。 pdf形式のファイルにしてあります。 リンクをクリックすると、 授業時に言った、 文書を開くためのパスワード(オープン・パスワード)の入力を求められます。 授業時には紙媒体資料を配布していますが、 それはここには掲載しません。


10月1日 少しだけ改訂した(加筆した)スライドがあります。

10月15日

10月22日 Humeさんの画像がおかしくなってますが、 授業内容には関係ないのでとりあえず放置してあります。 Humeさん、ご寛恕あれ。それから、29日の授業時に伝えたミスも直してあります。

10月29日 どうやらHumeさんの画像はもともとのファイルに不具合があるようで、 うまくエクスポートされない。 授業内容には関係ないので、とりあえず放置してあります。

11月5日 Humeさんの画像をこれまでとは別のものに変更。きちんとエクスポートされてます。それから、言葉遣いを授業時から少し変更したスライドもあります。

11月19日 Reviewとしてコッホの要請について考える作業をしたので、スライドの枚数はいつもより少ないです。また、最後のスライドはその作業のためのもので、授業内容そのものと間接的に関係するだけです。

11月26日 歴史的事実を記したスライドに日付の誤りがありました(授業時、「うん?」と思ったのだが、覆水盆に返らず)。 訂正してあります。


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