和歌山県立医科大学医学部 教養・医学教育大講座

哲学・倫理学教室、医療社会科学教室、数学・統計学教室、
物理学教室、化学教室、生物学教室 主催



2013 11/2, 3

受講無料 申し込み等不要

秋の公開講座ポスター (pdf)

日時・講演題目・講師

2013年 11月2日(土)
13:30-15:00 「世代論」的に考える  医療社会科学教室 講師  本郷正武 

概要   

 「団塊の世代」,「全共闘世代」,「バブル世代」,「松坂世代」,最近では「ゆとり世代」など, 「○○世代」というように,ある年代の人々を分類してとらえることがあります. どちらかといえば,「近頃の若者は……」,「あの頃はよかったのに……」というようなネガティブな使われ方をすることの方が多いかもしれません. このように特定の世代を特徴づけ,世代間の溝を強調する「世代論」の存在に本講義では着目します.
 ただし,本講義が目標とするのは,世代論のネガティブな側面を検討することや,世代間ギャップを解消することではなく, むしろ世代論のもつ利点について紹介することです. ある世代を切り取って分析の対象とする「ライフコース分析」という方法論があります. ライフコース分析の先駆的著作に,エルダーの『大恐慌の子どもたち』(Elder, G.H. Jr., 1974, Children of the Great Depression: Social Change in Life Experience)があります. いわゆる戦間期に全世界を覆った大恐慌により,アメリカでは多くの中産階級が没落していきました. そのときに子どもだった人々は,その後どのような人生の軌跡をたどったのでしょうか. また、大恐慌を経験していない戦後世代とはどのような違いが生じたのでしょうか. このような,広く多くの人々に共通するような経験の有無(戦争体験、被災体験など)により, 人々の思考や人生がどのように分断され,異なる課題が生み出されているのかを考えるのがライフコース分析です.
 当日はライフコース分析による研究を紹介しながら,「世代論」的に考えることの意義を考えてみたいと思います.

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15:30-17:00 疑似科学を考える 物理学教室 講師  藤村寿子 

  疑似科学とは,「ニセ科学」や「似非(エセ)科学」などとも呼ばれ,科学を装いながら実際には科学的根拠が無い,または弱いものを言います. 「水からの伝言」や「マイナスイオン」,「ホメオパシー」,「血液型性格判断」などは疑似科学と言われていますが,世の中にはこのような考えや製品が広く普及し,時には社会に悪影響を及ぼすことがあります. 本講義では,疑似科学のいくつかの例を通して,科学とは何か,また,疑似科学とどのようにつきあってゆけばよいのかなどを考えていきたいと思います.

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2013年 11月3日(日)
13:30-15:00 生命を支えるもの  生物学教室 教授  平井秀一 

 生命を支えるものとしてまず挙げられるのが遺伝子ですが,遺伝子さえあれば生命は維持できるかというとそうではありません. タンパク質や脂質など,遺伝子と協力して働く多様な物質も生命維持に必須の要因です.そして何よりも重要なことは...
 分子生物学的観点から,生と死についてわかりやすく分析していきます.

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15:30-17:00 フラクタルとは何か?   数学・統計学教室 講師  田中晴喜 

 同じような形が小さくなりながら繰り返し現れてくる幾何学模様を「フラクタル」とよび,数学のみならずあらゆる分野で発見され注目されています. キーワードは「自己相似性」であり,これを駆使してリアルな葉っぱや木,雲,岩などを数学的に描くことができます. さらに,この手法は「画像圧縮技術」にも応用されています. 本講座では,フラクタルに関する不思議な性質と,画像処理へのいくつかの応用をコンピューターによる実演を交えて紹介します.

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会 場

和歌山県立医科大学
図書館棟3階 生涯研修センター 研修室

和歌山市紀三井寺811-1
和歌山県立医科大学紀三井寺キャンパス

JR紀三井寺駅西口より,徒歩約10分
和歌山バス「医大病院」または「医大病院前」下車

アクセスマップ



対 象

一般(高校生以上)


注意事項

問合せ先

和歌山県立医科大学 総務課  Tel: 073-441-0845  Fax: 073-441-0846
e-mail: hisay@wakayama-med.ac.jp


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