「ストレス」と「癒し」の研究会 ~第1回講演会の内容~

講演会の内容

日時 平成21年10月7日(水)18:00~19:30
場所 研究棟3F 大学院セミナー室

1.研究会発足の趣旨について

和歌山県立医科大学・医・第二解剖 仙波恵美子

「ストレス」が心身に与える影響についての検討とともに、「癒し」の効果についての検討も重要である。Negativeな情動であるストレスに対して、「笑い」「喜び」「安心」などpositiveな情動がある。例えば「笑い」は免疫機能を高め、血糖を低下させ、痛みを抑制するなど、様々なよい影響を与えることがわかっているが、そのメカニズムについての研究は進んでいない。本研究会は、学内において「ストレス」と「癒し」の基礎研究・臨床研究を推進し、また学外から講演者を招聘して情報交換を行い、学内外の共同研究を促進し、さらにその成果を医療の場に生かして行くことを目的とするものである。「笑う」ラットについての最近の研究を紹介する。

2.講演

演題 『ストレスとうつ病』
演者 中村 彰治先生(山口大学大学院医学系研究科 システム神経科学 教授)
講演要旨 日本では11年連続で自殺者が年間3万人を超えた。自殺の原因としては、失業、不治の病、学校でのいじめなど種々のストレスが引き金となっている。解消できない強いストレスが長期間にわたって続くと、多くの人がうつ病を発症してしばしば自殺に至る。うつ病や自殺を少しでも減らすためには、その原因となるストレスの特質およびうつ病者の脳に起こっている変化を明らかにしなければならない。
本講演では、ストレスおよびうつ病について、私達の研究から得られた二つの結果に焦点を絞って述べたい。ひとつは、ストレスは強さよりも持続時間が重要だという点。もう一つは、うつ病は、再生可能な新しいタイプの神経変性疾患である可能性である。

10月7日の第1回講演会には、台風18号直撃の寸前にもかかわらず、予想以上に多くの方々がご参加いただき(約30名)、無事に研究会を立ち上げることができました。厚く御礼申し上げます。中村彰治先生のご講演もとても好評で、本研究会発足に際してまことにふさわしい内容であったと思います。

第2回講演会は、平成22年2月~3月に開催する予定です。講師あるいはテーマについてのご希望、ご提案がございましたら、世話人あてにどしどしお寄せ下さい。また、入会申込も随時受け付けています。

世話人代表 仙波恵美子
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