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″医学は厳しく、医療は暖かく″をモットーに和歌山県の小児医療に取り組んでいます。

グループ紹介Group

循環器グループ

鈴木啓之、武内 崇、末永智浩、垣本信幸

循環器グループは、先天性心疾患、川崎病・心筋症を中心とする後天性心疾患の臨床、研究を行っています。先天性心疾患については胎児診断のついた症例や生後に診断された重傷心疾患の診断・治療に当たっており、その手術については、心臓外科の協力のもとに年間約70症例前後行っています。その際、重症例の診断や手術適応の診断、小児内科的な術前術後管理を担当し、さらに、手術適応には至らないまでも小児科学的管理の必要な多数の症例については外来で経過観察しています。
川崎病に関して、臨床研究面では、川崎病医師主導治験(重症川崎病患児を対象とした免疫グロブリン+シクロスポリンA併用療法:KAICA trial)に中心的な施設として参画し、新たな治療法開発を研究中です。また、循環器内科の先生の援助のもと、光干渉診断法(OCT)を積極的に取り入れ、川崎病冠動脈病変を有する患児の遠隔期の心臓カテーテル検査において、冠動脈病変のより精密な評価を行い、遠隔期の管理や治療法の開発にも取り組んでいます。基礎研究面では、分子生物学的手法を用いて病因究明(溶連菌由来のスーパー抗原の関与など)に挑戦中で、さらに、シクロスポリンの治療効果の作用機序解明(炎症性サイトカイン関連の細胞内シグナル伝達の解析)にも挑戦中です。

神経グループ

南 弘一、田村 彰、津田祐子

和歌山県立医科大学小児科が日本小児神経学会専門医研修施設に登録されており、小児神経疾患全般の治療を担当しています。一次救急であるけいれん重責発作からICU管理を要する重症疾患まで対応しています。てんかんなどけいれん性疾患において病棟内でのビデオ・脳波記録装置を用いた臨床的診断を行っています。急性脳炎・脳症の病態生理に関する基礎的研究にも取り組んでいます。(Chemokine espression in human astrocytes in response to shigatoxin 2. Int J Inflam. 2012)
また摂食障害や心身症にも対応しており、入院加療を行っているなかで臨床的な研究を行っています。(Total parenteral nutrition treatment efficacy inadolescent eating disorders. Pediatr Int. 2015)

小児がん・血液グループ

神波信次、辻本 弘、(市川貴之が兵庫県立こども病院血液・腫瘍内科で研鑽中)

小児がん・血液ブループは良性腫瘍を含め、すべての小児がんを当該診療科と協力して集学的治療を行っています。また私たちは腫瘍、原発性免疫不全症、自己免疫疾患はその原因遺伝子、病態がひとつのスペクトラムをなすものと考えています。このため、血小板減少性紫斑病、血友病などの先天性出血性疾患・血栓性疾患、溶血性貧血、再生不良性貧血などの血液疾患だけではなく、好中球減少症・抗体産生不全症・原発性血球貧食症候群などの原発性免疫不全症、関節リウマチ・炎症性腸疾患などの自己免疫疾患、自己炎症性疾患の診療を担当しています。リンパ管腫に対するピシバニール硬化療法も実施しています。当科は2018年4月、日本造血細胞移植学会から非血縁者間造血細胞移植実施施設に認定されました。難治性白血病に対するHLA半合致移殖、進行期神経芽腫に対する同種造血細胞移殖など先進的な移殖に取り組むとともに、妊孕性を含め晩期障害を考慮した造血細胞移植を行っています。1994年の移植開始から現在までの移殖成績は以下の通りで、全国成績を上回る成績が得られています(PDFファイル(462KB)も参照下さい)。

もうひとつの特徴として、当院は小児がん認定外科医を有し、日本小児血液・がん学会が認定する和歌山県下唯一の自己完結型専門医研修施設(研修プログラムは、PDFファイル(313KB)を参照下さい)であることがあげられます。過去8年間の診療実績を以下の表に示します。

  2010
2011
2012
2013
2014
2015
 2016
2017
合計
造血器腫瘍
(初発) 
10 5 8 8 10 4 10 4 59
固形腫瘍
(初発) 
13 15 17 16 20 15 13 13 122
非腫瘍性血液疾患
(初発)
10 6 8 12 6 9 5 13 69
同種造血幹細胞移植  5 3 0 2 3 6 4 0 23
自家造血幹細胞移植  1 2 3 2 2 2 2 3 17
終末期医療  1 5 2 2 3 1 1 1 16
合計  40 36 38 42 44 37 35 34 306


2015年に治療成績向上を目的に、白血病を含めたすべての小児がん臨床研究グループ、日本小児がん研究グループ(JCCG)が設立されました。当院はJCCGに所属しており各臨床試験に参加可能しています。送血細胞移植を含め「和歌山の子供たちに地元で、家族の下で、最良の小児血液・がん治療を提供すること」が私たちの目的です。子供たちには入院生活は厳しいものですが「一日一笑」を届け、看護スタッフ、病棟保育士、院内学級の先生を含め「みんなで一緒に頑張る」がモットーです。休日、時間外にかかわらず、何事につけ連絡下さい。
基礎研究としては2次性血球貧食症候群の発症機序、病態解明、新規治療法の確立が現在のテーマで、これまで科研費を獲得してきています。症例報告はもとより、少しでも患者さんの治療に役立つことを研究目的としたいと思います。神波は国立がんセンター中央病院(現国立がん研究センター病院)で、辻本は大阪母子医療センター血液・腫瘍科でそれぞれ専門的な研修を受けました。現在、市川貴之が兵庫県立こども病院血液・腫瘍内科で研修中です。今後も和歌山県の小児がん・血液疾患治療の中核としての使命を果たすため、優れた後輩医師の育成に取り組んでゆきます。

未熟児・新生児グループ

熊谷 健、上田美奈、津野嘉伸、利光充彦

県内唯一の総合周産期母子医療センターとして、新生児専用救急車、ドクターヘリで県内の新生児救急に24時間で対応しています。産科・小児外科・心臓血管外科・眼科など各科と協力しながらあらゆる新生児疾患を対象とし治療しています。早産児の頭蓋内出血発症をいかに予防するかを重要な課題とし、適切な循環管理を目的としたエコーによる血流評価や皮膚ドップラー血流計による研究を行っています。また慢性肺疾患をいかに軽減するかも重要な課題で、高頻度振動換気、一酸化窒素吸入療法を取り入れ、肺高血圧症治療薬を併用しながらの早期抜管に取り組んでいます。症例を選択してINSURE strategy(Intubarion-Surfactant-Extubation)も導入しています。

腎グループ

島 友子、M 武継

IgA腎症およびネフローゼ症候群の治療法を確立するための全国多施設による臨床治療研究(厚生労働省科学研究、小児IgA腎症治療研究会、小児難治性腎疾患治療研究会)を進め、成果をあげています。IgA腎症、紫斑病性腎炎、ネフローゼ症候群、Alport症候群、多発性嚢胞腎等の分子生物学的・形態的手法を用いた病態解析を行っています。

遺伝グループ

臨床遺伝専門医による先天異常疾患の総合的な診療を行っています。
ダウン症候群を中心とする染色体異常症、遺伝性疾患、原因が不明な奇形症候群など様々な先天異常症を対象としています。各疾患・症候群の診断、情報の提供、合併症への早期の対応、成長や発達を含む長期的な健康管理や療育相談などを、必要に応じて院内の他診療科や、県内の療育施設とも連携して行っています。また最近の遺伝子研究の進歩により遺伝子検査が普及しつつあり、研究機関と連携して対応しています。
外来は毎週木曜日で、うち第1木曜日にカウンセリングを行っています。院内や各医療機関から紹介頂いた患者様を対象とし、十分な時間をかけて各疾患に関する正しい情報の提供と様々な問題について相談をお受けしています。当然のことですが相談にあたり、ご相談の内容や検査結果等のプライバシーについては厳重に保護しております。


和歌山県立医科大学
小児科学教室
和歌山県立医科大学小児科学教室

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