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グループ紹介Group

消化器・肝臓グループ

徳原大介

 子どもの肝臓・腸管に関わる病気を専門的に診察しています。長引く下痢や腹痛、便秘や血便、原因不明の肝障害や黄疸、肥満に伴う脂肪肝などを、専門的な観点から精査・治療にあたっています。和歌山県内では子どもの肝臓・腸管の病気を専門的に診療できる小児科医はおりませんので、上記の症状でお困りのお子さんがおられましたらご紹介ください。炎症性腸疾患では、従来のステロイドや栄養療法を用いた治療に加え、様々な新しいお薬(生物学的製剤、JAK阻害薬など)もお子さんの状態に合わせて提案し、学校を含めた日常生活が少しでも快適に送ることができるよう小児科医の立場から取り組んでいます。また、小腸を内視鏡的に観察する小腸カプセル内視鏡検査や、肝臓の線維化や脂肪の蓄積量を痛みを伴わずに評価できるフィブロスキャン検査(超音波エラストグラフィ)は、国内でいち早く私どもが子どもに対する検査システムとして導入し、そのエビデンス構築を行なってまいりました。そうした診療・検査の豊富な実績をもとに、和歌山県内の子どもたちの肝臓・腸管の病気の解決に取り組んでまいります。

<診療・検査実績>

2022年 2023年
炎症性腸疾患  潰瘍性大腸炎 8例
クローン病 3例
分類不能型 1例 
潰瘍性大腸炎 8例
クローン病 8例
機能性消化管疾患 9例 29例
肝胆膵疾患 7例 14例
消化管内視鏡検査 上部4件、下部12件、
小腸カプセル 2件
上部15件、下部21件、
小腸カプセル 12件
pHインピーダンスモニタリング 2件 3件
フィブロスキャン検査 --- 7件

小児がん・血液グループ

神波信次、辻本 弘(分子遺伝学講座)、市川貴之

 小児がん・血液ブループは神波、辻本、市川の3名が担当しています。診療モットーは「子どもたちに一日一笑」です。看護スタッフ、病棟保育士さん、チャイルドライフスペシャリストさん、院内学級の先生とともに日々モットーの実現に務めています。診療対象はすべての小児血液疾患、小児がんで、各当該診療科と協力して集学的治療を行っています。病棟が小児医療センターに改修されて以降、センター内で外科手術から造血細胞移植まで完結できるようになりました。また、悪性腫瘍、自己免疫疾患、原発性免疫不全症は原因遺伝子、発症病態がひとつのスペクトラムをなすものと考え、好中球減少症、交代産生不全症、原発性血球貧食症候群などの原発性免疫不全症、関節リウマチなどの自己免疫疾患、自己炎症性疾患の診察も担当しています。当院は日本小児血液・がん学会専門医研修施設で、今後も優れた後輩医師の育成に取り組んでゆきます。(2022年4月1日以降の研修プログラムは、PDFファイル(331KB)を参照下さい)


未熟児・新生児グループ

杉本卓也、利光充彦、平山健太郎、川本大樹、熊谷 健(博士研究員)

 県内唯一の総合周産期母子医療センターとして、新生児専用救急車、ドクターヘリで県内の新生児救急に24時間で対応しています。産科・小児外科・心臓血管外科・眼科など各科と協力しながらあらゆる新生児疾患を対象とし治療しています。早産児の頭蓋内出血発症をいかに予防するかを重要な課題とし、適切な循環管理を目的としたエコーによる血流評価や皮膚ドップラー血流計による研究を行っています。また慢性肺疾患をいかに軽減するかも重要な課題で、高頻度振動換気、一酸化窒素吸入療法を取り入れ、肺高血圧症治療薬を併用しながらの早期抜管に取り組んでいます。症例を選択してINSURE strategy(Intubarion-Surfactant-Extubation)も導入しています。


神経グループ

田村 彰、前田真範、篠ア浩平、井中将吾、津田祐子(博士研究員)

 和歌山県立医科大学小児科が日本小児神経学会専門医研修施設に登録されており、小児神経疾患全般の治療を担当しています。一次救急であるけいれん重責発作からICU管理を要する重症疾患まで対応しています。てんかんなどけいれん性疾患において病棟内でのビデオ・脳波記録装置を用いた臨床的診断を行っています。急性脳炎・脳症の病態生理に関する基礎的研究にも取り組んでいます。(Chemokine espression in human astrocytes in response to shigatoxin 2. Int J Inflam. 2012)
 また摂食障害や心身症にも対応しており、入院加療を行っているなかで臨床的な研究を行っています。(Total parenteral nutrition treatment efficacy inadolescent eating disorders. Pediatr Int. 2015)


腎グループ

島 友子、田中 侑(客員研究員/和歌山ろうさい病院)

 IgA腎症およびネフローゼ症候群の治療法を確立するための全国多施設による臨床治療研究(厚生労働省科学研究、小児IgA腎症治療研究会、小児難治性腎疾患治療研究会)を進め、成果をあげています。IgA腎症、紫斑病性腎炎、ネフローゼ症候群、Alport症候群、多発性嚢胞腎等の分子生物学的・形態的手法を用いた病態解析を行っています。


循環器グループ

末永智浩、垣本信幸、鈴木崇之、土橋智弥、村山友梨(大学院研究生/国立循環器病センター)

 循環器グループは、先天性心疾患、川崎病・心筋症を中心とする後天性心疾患の臨床、研究を行っています。先天性心疾患については胎児診断のついた症例や生後に診断された重傷心疾患の診断・治療に当たっており、その手術については、心臓外科の協力のもとに年間約70症例前後行っています。その際、重症例の診断や手術適応の診断、小児内科的な術前術後管理を担当し、さらに、手術適応には至らないまでも小児科学的管理の必要な多数の症例については外来で経過観察しています。
 川崎病に関して、臨床研究面では、川崎病医師主導治験(重症川崎病患児を対象とした免疫グロブリン+シクロスポリンA併用療法:KAICA trial)に中心的な施設として参画し、新たな治療法開発を研究中です。また、循環器内科の先生の援助のもと、光干渉診断法(OCT)を積極的に取り入れ、川崎病冠動脈病変を有する患児の遠隔期の心臓カテーテル検査において、冠動脈病変のより精密な評価を行い、遠隔期の管理や治療法の開発にも取り組んでいます。基礎研究面では、分子生物学的手法を用いて病因究明(溶連菌由来のスーパー抗原の関与など)に挑戦中で、さらに、シクロスポリンの治療効果の作用機序解明(炎症性サイトカイン関連の細胞内シグナル伝達の解析)にも挑戦中です。

遺伝グループ

杉本卓也、熊谷 健(博士研究員)

 臨床遺伝専門医による先天異常疾患の総合的な診療を行っています。
 ダウン症候群を中心とする染色体異常症、遺伝性疾患、原因が不明な奇形症候群など様々な先天異常症を対象としています。各疾患・症候群の診断、情報の提供、合併症への早期の対応、成長や発達を含む長期的な健康管理や療育相談などを、必要に応じて院内の他診療科や、県内の療育施設とも連携して行っています。また最近の遺伝子研究の進歩により遺伝子検査が普及しつつあり、研究機関と連携して対応しています。
 外来は毎週木曜日で、うち第1木曜日にカウンセリングを行っています。院内や各医療機関から紹介頂いた患者様を対象とし、十分な時間をかけて各疾患に関する正しい情報の提供と様々な問題について相談をお受けしています。当然のことですが相談にあたり、ご相談の内容や検査結果等のプライバシーについては厳重に保護しております。

内分泌グループ

宮脇正和(非常勤医師・臨床講師/紀南病院)、岩本美紀(非常勤医師/海南医療センター)、橋朋香(非常勤医師/和歌山ろうさい病院)

 内分泌グループでは、ホルモンの病気や代謝の病気を中心に診療を行っています。具体的には、身長に関すること(低身長・高身長)、発育(思春期早発症・遅発症)や肥満、甲状腺の病気(バセドウ病など)や副腎の病気、糖尿病など多くの疾患の対応にあたっています。月曜日の午前中のみの診療にはなりますが、丁寧な説明・診察を心がけチームで診療にあたっています。


アレルギーグループ

西川香瑠、徳原大介

 アレルギーグループでは、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などの病気を中心に診療しています。現在、成人領域ではアレルギー性鼻炎、花粉症を根本から治す、体質を改善する舌下免疫療法が広く行われています。当科では小児でのダニ・スギの舌下免疫療法を行っておりますので、是非ご相談ください。また入院での食物負荷試験も実施しています。2023年7月からは木曜午前の診察になります。

<2023年実績>
アレルギー負荷試験(食物)6例


和歌山県立医科大学
小児科学教室
和歌山県立医科大学小児科学教室

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