入局者からのメッセージ
入局者からのメッセージ
児童精神科医から
<仕事への思い>
私が専門とする児童精神科はとてもやりがいがあります。子供の発達に寄り添い、変化と成長を感じています。子どもの、診療ならぬ『心療』はそういった仕事です。その一方、子どもの『心療』には、家庭、教育、福祉といった領域の調整が不可欠で、この調整には忍耐が必要です。
<研修医へのメッセージ>
精神科はオススメの科です。その理由の一つは、ヒトを臓器で細分化して診察せず、人間全体を診るという精神科の奥深さにあります。もっとも、精神の源は脳なので、脳に対する視点を持つことは、精神科医として当然ですが。
また、児童精神医学を専門とする私から一言、精神科には様々な専門領域がありますが、精神科に進む際、児童精神科の知識は知っておいて損のないものだと思います。和歌山でも勉強会や研究会がありますので、興味のある方は是非、ご連絡下さい。
一般精神科医から
<思い出の臨床場面>
医師になって6年目、不安障害の30代の患者さんを外来で診ていました。
ある日、久しぶりに診察に来られて、開口一番『妊娠しています。』と驚くことを聴かされました。『最近ずっと不安だったので、本当は堕胎しようと、病気を抱えながらの出産は私にはできないと思っていました』 正直、プレッシャーを感じましたが、それ以上に信頼してもらってる嬉しさを感じました。加えて堕胎していたかもしれない赤ん坊までも救えるかもしれません。
もちろんご本人の決断なのですが。医師になった喜びを本当に感じました。
もうすぐ出産予定です、『生まれたら外来に連れて行きますので、抱っこしてあげて下さい』と言われています。嬉しい反面、子育て経験のない私は、生まれたての子を抱っこするのが不安でなりません・・・
<仕事と楽しみ>
現在の仕事で楽しみは、大学病院であるがゆえの特殊な疾患を診察させて頂く機会があること。初期研修時には、その特殊性にはなかなか気付けませんでしたが、これまでの僅かながらの経験と照らし合わせながら、特殊な疾患を、その特殊性を感じ取り、上級医の助言がなくとも、疾患を見抜く目を、耳を、感覚を養うということが現在の目標であり、楽しみですね。
<研修医へのメッセージ>
『精神科は特殊な医療』と思っている医学生、研修医の方々、それはバカの壁です。ありふれた疾患である精神疾患を持つ患者さんを相手に、じっくり聞き、しっかり視て、冷静に判断し、医療方法を考える。そこには臓器ではなく、一人一人の患者さんへの思い入れがあり感動があるのです。是非一緒に励みましょう!そして楽しく飲みましょう!