


■ 脊髄疾患
脊髄脊椎疾患の手術症例数は大学病院で全国的にみても多く、2004年に施行した手術件数は、126件で頚椎症・頚椎ヘルニアなどの頚部手術51件、腰椎ヘルニア・腰椎狭窄症などの腰部手術59件、脊髄腫瘍・脊髄動静脈奇形などの手術は6件、頭蓋頚椎移行部が件、末梢神経が3件でした。脳神経外科定期手術のうち、約半数近くが脊椎脊髄手術で、脊髄脊椎の手術件数はこの10年間増加し続けています。
和歌山医大では原則として対面式顕微鏡視下手術にて脊椎手術を行っていますが、近年腰椎椎間板ヘルニアに対して内視鏡視下髄核摘出を導入し、少しでも侵襲の少ない手術を目指しています。大学病院として幾つかの特種機器を用いた外科治療も行っています。それらのひとつにナビゲーションシステムがあり、車のシステムと同じように人間の身体の中でどこにいるのかよくわかる装置です。環軸椎亜脱臼という病気では、スクリュウを背骨に挿入しなくてはなりませんが、ほとんど誤差なくそれを実行でき、神経や血管の安全性を保っています。移動式CTスキャンにて頚椎手術の前方からの圧迫組織摘出程度について術中に評価を行うこともしています。さらに脊髄腫瘍や小児疾患では頭皮磁気刺激や脊髄、神経根刺激などによる運動神経のモニターを行い、手術の安全性向上に寄与しています。こういった結果、最近5年間に500件以上の脊椎手術を行っていますが、手術後、強い四肢麻痺が発生し、寝たきりになっている患者さんは皆無です。
一方、研究面でも脊髄損傷の再生にユニークな試みを行っています。脊髄損傷後に神経再生を妨げる大きな要因である瘢痕と空洞を除去する脊髄脊椎短縮術を脊損モデルのラットで施行し、この短縮術の有効性を調べ、将来の脊髄損傷の患者さんに少しでも光が当たればと努力しています。
和歌山医大脳神経外科は日本脊髄外科学会から脊髄外科専門医育成訓練施設に認定されています。
大学病院としては全国で8施設のみであり、非常に優れたスッタフがこれを支えています。