シンボルマーク脳神経外科wakayama medical university

医局について
研究紹介

■研究紹介:

 

当教室では、定位脳手術、神経移植、Neurostimulation、神経内視鏡、頭蓋底手術、血管内手術、Neuro-oncology、脊髄外科、臨床神経生理それぞれの分野で基礎的、臨床的研究を進めています。最新の手術機器としてナビゲーションシステム、術中CT、X-knife が導入され、治療に用いられています。

パーキンソン病に対する自家星状神経節移植術は、現在までに約50例に行われ、歩行障害、寡動の改善に効果を認めています。最近ではさらに、ES細胞を用いた神経移植の基礎研究も行われており、臨床応用を目指しています。ES細胞からドパミン細胞への分化誘導、骨髄間質細胞を用いた神経保護作用の研究などが現在の主な研究テーマです。

パーキンソン病をはじめとする不随意運動症には脳深部刺激療法、視床破壊術を行い良好な結果を得ています。

 

難治性疼痛、遷延性意識障害に対しては、大脳皮質刺激術や脊髄硬膜外刺激術などの電気刺激術を試み、これも良好な結果を得ていますが、刺激部位、条件につき、さらに検討が行われています。

 

側頭葉てんかんや、脳の形成異常、良性脳腫瘍が原因で起こるてんかんは外科治療により発作の抑制が期待できる疾患です。くすりが効かない難治性てんかんの場合、外科手術が行われます。和歌山医大脳外科では、より安全にかつ効果的に手術を行うために術中脳波記録やナビゲーションによる手術部位の同定などを行っています。また、てんかんの成因や治療法に関して、てんかんモデルラットを用いた基礎研究も行っています。

 

血管内手術は各脳神経外科疾患に対してその術前処理、診断、治療に積極的に行われています。とくに、内頚動脈狭窄症に対する経皮的血管形成術(PTA)とステント留置は臨床研究のみならず、新たなステントの材質や薬剤の添加、ステントの血管内皮細胞に及ぼす影響などの基礎研究も行われています。脳動脈瘤のコイル塞栓術は技術的改良の結果、さらに安全で確実な治療となりつつあり、未破裂脳動脈瘤のみならず、破裂脳動脈瘤の急性期にも行えるようになりました。これによりコイル塞栓術は、従来からの開頭ネッククリッピング術に加えて脳動脈瘤治療のもうひとつのオプションになっています。またコイルに薬剤を添加することにより塞栓効果を高めるなど、治療効果を向上させるための基礎研究も活発に行われています。

 

脳腫瘍外科の領域では悪性脳腫瘍の治療に手術療法、放射線療法および化学療法の相乗効果についての臨床、基礎研究を行っています。

下垂体腫瘍や水頭症、脳深部病変に対しては、神経内視鏡を用いることにより、低侵襲で安全に手術を行っています。

 

脊椎・脊髄外科領域では、年間数約100例以上の手術を施行し、日本脊髄外科学会認定の専門医訓練施設としての役割を十分に果たしています。一方、研究面でも脊髄損傷の再生にユニークな試みを行っています。脊髄損傷後に神経再生を妨げる大きな要因である瘢痕と空洞を除去する脊髄脊椎短縮術を脊損モデルのラットで施行し、この短縮術の有効性を調べ、将来の脊髄損傷の患者さんに少しでも光が当たればと努力しています。