和歌山県立医科大学国際交流センター
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留学生の体験談

体験談

チャールズ大学第二医学部 臨床実習留学体験記

和歌山県立医科大学 医学部  6年 井口豪人

 今回、私はCharles大学第二医学部付属病院 FN Motolに臨床実習の一環として留学するチャンスを頂いた。三年生の基礎配属で、師匠・高田先生がいらっしゃるUC Davisに留学させていただいていたので、私にとってこれが二回目の留学となる。
本大学を希望した理由として、@過去留学された先輩方から自分の興味がある科の一つである小児科が有名だと聞いていたこと、A日本人のBossがいない環境で自分の実力を試したいと思ったこと、BCzechの学生と自分たちの現時点での臨床的な知識の差を感じたいと思ったこと、があげられる。
大学の紹介は他の同級生に任せるとして、今回私が実習したのは@小児腎臓内科、A小児血液・腫瘍内科、B新生児科、C心臓血管外科である。各科の感想を以下に簡単に記す。

小児腎臓内科(4/10-4/14):チェコに来て初めての実習だったので緊張していたが、意外とすんなりと流れに乗れた。日本との違いはほとんどなく、あるとすれば時期に関係なく多くの子供たちが入院・検査に来るということだ。(日本では夏休みなど、学校が長期休暇の時に入院患者が増える傾向にある。Motolでは時期に関係なく、血尿が出たから今朝検査入院に来たという患者も普通にいる。)
新生児科(4/17-4/21):日本ではrareなcystic fibrosisの患者が多かった。基本的に患者は家族と入院する。母親だけでなく、父親と入院していることも多い。
小児血液・腫瘍内科(4/24-4/28):一番興味のある科だったので気合を入れて臨んだ。1フロアすべてがleukemiaまたはlymphomaの患者で、solid tumorの患者は別のフロアに入院していた。指導していただいた先生が大変熱心で、毎朝の回診(私のためにselectして頂いて30名ほど)に始まり、マルクやカテーテル留置などの手技、外来見学や化学療法時の輸液の計算などもさせていただいた。Motolでは移植後のfollow期間は最低10年らしく、成人するまで(Czechでは19歳)は対応するとのことであった。血液内科医がそこまで多くない現状、新たなfollow-up systemが必要だとおっしゃっていた。
心臓血管外科(4/31-5/4):international classというヨーロッパ各国からの生徒が集まるclassに入らせてもらった。午前中に自由発言式の授業、昼前からは実際の治療の現場でlectureを受ける。手術は基本的に和医大と変わらず、件数も心外だけで4-5件程度だった。カテーテル治療では、毎日TAVIが行われていて、かなり勉強になった。

どの科を選択しても、大切なことは「積極性」と「好奇心」であると思う。わからないことをそのままにしておくのが最悪で、とにかく少しでも疑問点があるなら先生に聞く、というのがCzechの学生のやり方だった。また、先生からの質問に関しては、必ず理由もつけて答える。そうすることによって、お互いの思考経路がわかるし、有意義な議論になる。私も今後、日本でもこのやり方を取り入れようと思った。
また、Motolでの生活に慣れてきた頃から、実習担当の先生に、私の担当患者の翌日の検査の予定などを聞いてカルテを見せて頂くことにした。こうすることで、夜に分からないことを調べたり復習することができたので、スムーズな実習ができた。見学したい検査や外来なども、遠慮なくリクエストした。そうしているうちに、私から言わなくても珍しい疾患や検査を説明して頂けるようになり、かなり充実した実習になった。

また、生活面についても書いておきたい。自ら望んで希望した、日本人が私たちしかいない環境下での生活は想像以上に大変だった。
実習初日、和医大から連絡して頂いていたはずなのだが、各科に受け入れてもらえず、自分たちで交渉するところから始まった(結果的にCzech側の連絡ミスであった)。交通機関の定期券を買うのも大変で、昨年和医大に留学していたCharles大学の友人に助けてもらいながら購入したり(学生であるという証明書をMotol側からもらうのが難しい)、寮に清潔なキッチンがなく毎日の食事にも苦労した。当時はかなり大変だったが、今思い出せば良い思い出である。1ヶ月間、様々なことを経験したことで、ある程度のことでは動じない強い心が養われたと思う。いかに和医大の環境が恵まれているのか、またいかにUC Davisでの留学生活が恵まれていたのかを再認識した。この素晴らしい環境を生かさない手はない!今後もこの感覚を絶対忘れないようにしたい。
ここまで書くと今回の留学が楽しくなかったように聞こえるが、全くそのようなことはない。
Pragueの街並みはどこを取っても絵になるほど美しく、歩いているだけでも楽しかった。

 最後になりますが、今回の留学は多くの方々のご支援とご協力の上に成り立ったものです。私を本留学に選抜して頂いた岡村学長、国際交流センター長の改正教授、前田教授に心から感謝致します。また様々なことをサポートして頂いた林さん、Motolでご指導いただいた各科の先生方、Czechでの生活を助けてくれた多くの友達にも御礼申し上げます。
一緒に留学していた高橋さん、古市さんもありがとう。一生の思い出ができました。

今回の経験を糧にし、すべての面で成長して少しでも未来の医学・医療に貢献したいと思います。
また、後輩の皆さんへ。積極的にCharles大学へのチャレンジをお勧めします。必ず行って良かったと思える経験になるはずです。一度きりのチャンスを逃す前に、是非チャレンジを!!!

 

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