和歌山県立医科大学国際交流センター
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留学生の体験談

体験談

山東大学での基礎配属体験記              3回生 生地みづ穂
  10月の終わりから約3か月間、中国にある山東大学のProf.Gao免疫学研究室にて留学をさせて頂きました。初めに私が行った大学、土地について少し紹介したいと思います。山東大学は日本でも有名な青島ビールの産地、青島市がある山東省にあります。新幹線で北京へは約2時間、上海へは約3時間半の距離であり、土日を使いどちらにも観光にいくことが出来ました。中国本土への訪問は今回が初めてだったのですが、中国の文化にたくさん触れることができ、また同じ中国であっても都市によって異なった雰囲気を感じることができたのも大国である中国らしさではないかと思いました。山東大学はいくつもキャンパスがありその中の済南市にある医学部で学ばせていただきました。済南市は人口700万人を超える地域で、多くの泉があるというのが特徴です。泉があるために地下鉄がなく、移動は車かバスで、私たちは寮から30分ほどの徒歩圏内で市の中心地へ行くことが出来たので、滞在中は歩いて買い物にいき、大学の近くの観光にも行きました。和医大から2人で留学へいったのですが、済南市で他の日本人に遭遇することはなく、また大学の留学生を除いて海外から来た人は見かけず、しっかりと中国の文化の中での暮らしを体験することができました。初めの1か月程は、日本と中国での生活環境や物事の捉え方のあまりの違いに慣れず、消極的に考えてしまうことも多かったですが、大学の人の優しさに触れ、多くの人に助けてもらうことで、3か月の留学を終えることができました。
   私が学ばせて頂いたProf. Gao の研究室では自然免疫に関わるシグナル伝達物質の働きについての研究をしていました。大学院生が10人ほど所属しており、主にその内の1人の方に教えて頂きながら研究を学ばせて頂きました。私がもらった課題は「A20発現ベクターの作成」というものでした。初めは大学院生が行う実験を見て学び、メモをとってその内容についてさらに自分で調べて勉強するという感じでした。時には中国語のプロトコールから実験を学ぶなど難しいこともありましたが、最終的にはプライマーの設計に始まり、PCR、電気泳動、細胞培養、ウェスタンブロットなどの一連の基本的な実験技術を学ぶことが出来ました。自分の研究もある中、実験の手技や原理を丁寧に教えてくれた研究室の方々には本当に感謝しています。また英語の論文を読む練習もたくさんでき、お互いが第一言語でない英語で勉強するということで、同じようなレベルの英語での会話も練習になりました。
   今後山東大学へ留学するかもしれない後輩へのアドバイスとして中国語を軽く学んでおくことをお勧めします。私は中国語の知識が皆無に等しかったのですが、大学の外では基本的に英語は通じず、日本から中国語の本を送ってもらい急いで勉強を始めました。英語が第一言語ではない国へ留学する場合、英語ができればなんとかなるだろうという考えは甘く、留学へ行く者として最低限その国の言語を学んでおくことが必要であると感じました。実際、大学内で出会ったアフリカ出身の留学生は中国にきてまだ半年ほどだというのに、流暢な中国語を話していて留学する上で言語を学ぶことの大切さを実感しました。研究室では実験を教えてもらうときや、こちらが質問する際には英語で話しますが、研究室の生徒同士の会話はもちろん中国語で、何を話しているのかまったくわからずにもどかしく感じる時間も多くありました。
   そして、留学を通して強く感じたことは大学での学生生活が日本と中国では根本的に違うなということです。日本では大学で学びながらも、部活やバイト、趣味の時間をもっている人が大半で、“大学生活”はそれらも含めたものを指すと思います。しかし、山東大学の学生を見て、ここでは“大学生活”とは文字通り大学で生活するという感覚のような気がしました。山東大学の学生たちはみな、大学構内の寮に住み、朝起きればすぐ学校へ向かい、寮と校舎途中の食堂に寄って朝ごはんを買い、午前の授業や研究をする。そして、昼時になると再び食堂で食事をし、午後からの授業に臨む。授業が終わり、研究もきりのいいところでまた学生食堂へ向かい夜ご飯を食べる。そして研究の続きをしてから寮へ帰り寝るといった毎日でした。一日の生活が大学の中だけで完結していました。日本では文武両道ということがよく言われますが、中国では勉学ならそれだけに時間を費やして土日なども熱心に学ぶ学生がほとんどでした。人口が多い中国では医師もただ大学を卒業するだけでは仕事に就くのは難しく、大学院でさらに学ばなければいけないと言っていたのも印象的でした。
   今回の留学で、海外の様々な考えをもった人と交流することで新しい発見が多く、自分の人生において本当に貴重な経験をすることができました。また同時に、日本で勉強している環境がいかに恵まれているかも改めて感じることができました。国際交流をすることで、お互いの文化などの違いを感じ、それを受け入れることで豊かな考え方が生まれると思いますが、まずは日本の文化についてしっかりと理解しておくということも大切であると思いました。
   最後になりましたが、今回の留学にあたりお世話になりました和歌山県立医科大学の羽野先生、前田先生をはじめ、国際交流センターの林さん、山東大学のXiaさん、Gao先生、また奨学金のご支援を頂きました奥田育英会様、この留学をサポートして下さった全ての方々に心より感謝申し上げます。本留学での経験を通して、今までの自分にはなかった物事に対する考え方なども得ることができ、これを機により一層学業に励んでいきたいと思います。ありがとうございました。

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