和歌山県立医科大学国際交流センター
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留学生の体験談

体験談

平成27年度基礎配属 山東大学               今地美帆子

 今回、私は3年生基礎配属において山東大学に留学する機会をいただき、11月15日から1月30日まで中国済南市で過ごしました。この基礎配属での留学は私にとって、大学に入学してから一番大きな挑戦でした。というのも、私は英語が得意ではなく、海外旅行ですら何年前に行ったかもわからないくらい、英語に触れる機会はほとんどなかった、というような状況だったからです。そんな私が留学にチャレンジしようと思ったのは、大学に入ってから勉強をして、部活をして…と日ごろなんとなく過ごしていた自分を変えたいという思いからでした。過去に基礎配属で留学された先輩の話を聞き、海外の研究室と日本の研究室はどう違うのか体験したい、英語だけがコミュニケーションをとれる手段の環境に身を置いてみたいという思いもありました。
   山東大学で私は遺伝学の研究室でMs.Douのもとで実験をさせていただきました。留学が決まってから英会話に通ったものの、初めは緊張もあり先生の次から次へとなされる説明が分からないこともあって心が折れそうな時もありましたが、分からないときは質問すればいつも丁寧に教えてくださって、1か月過ぎたあたりからは研究室で過ごす1日がとても早く感じました。Ms.DouはHBVが発現するタンパク質であるHBxの研究をしていて、私がやらせていただいた実験はHBxの発現、精製、その結晶化です。精製したタンパク質を様々な組成のsolutionを用いてインキュベーターに保存し、翌日もしくは翌々日に顕微鏡で確認します。そこで結晶か疑わしいものをピックアップしてそのsolutionを用いてもう一度改めてセットし、そこでもう一度結晶化が見られた場合はそのsolutionの組成がそのタンパク質に適しているということになり、そこから組成を少し変えたりしながら結晶化のスケールアップを図るわけです。この結晶からX-ray分析などを行うことができ創薬につながると教えていただきました。研究室で過ごす最終日にJD155というHBxの結晶化に成功した時には先生や同じ研究室の学生と抱き合って喜びました。何年も毎日毎日同じような実験を繰り返し、上手くいくときもいかないときもあって、そのたびに試行錯誤して、終わりが来る日はあるのかと気が遠くなりそうな研究者の生活をほんの少し垣間見れたとともに、一方で成功した時の高揚感と大きな喜びを体験できてとても幸せだったと思います。Ms.Douの下で医学部の学生2人が研究をしていて、私は毎日その2人とともに行動していましたが、試験前であっても朝8時半ごろから夜9時頃まで研究室にいたり、土日であっても朝から実験をしていました。また、先生からの指示をもらうのではなく自分で考え、先を考えて実験を行っていました。その様子は遺伝学の研究室にいたほかの学生も同様で、彼女らの受け身ではなく積極的な姿勢、学ぶことが楽しくてしょうがないというような姿勢は見習うべきことであると感じました。
   私たちはキャンパスまで徒歩15分ほどの留学生用のホテルで生活していました。そこには、様々な国からの留学生がいて、特にパキスタンからの留学生たちとは一緒に夕飯を食べに行ったり、自国の文化や宗教についてなどいろんなことを語り合ったり、一緒にランニングに行ったり、たくさんの時間を過ごしました。別れが寂しくて涙が出るほどの、中国での家族のような存在の彼らに出会えて本当によかったです。
   現地の中国の人は英語が分からない人がほとんどで、コミュニケーションをとるのはとても大変でしたが、こちらが困っていて助けを求めれば、言葉は通じないけれどなんとかして助けようとしてくれました。中国に行く前は、「中国の人って冷たそう」「中国の人ってすぐ怒るし恐そう」などという勝手なイメージをもっていましたが、実際はユーモアのある人が多くて、いつでももてなす気持ちでいっぱいで、とても親切な人たちが多いと今は思っています。こんな風に思えるのも、3か月という期間を中国で過ごしたからだと思います。
   中国で本当にたくさんの人にお世話になり、助けていただいて、本当に感謝しています。このようなもう二度とできない貴重な経験をさせていただき、サポートしてくださった、岡村学長、前田先生、林さん、村垣先生、アラン先生、奥田育英会の方、そして応援してくれた家族に感謝しています。本当にありがとうございました。

 

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