和歌山県立医科大学国際交流センター
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留学生の体験談

体験談

プラハ・チャールズ大学留学報告書
                                                                                 平成27年度留学生 江守(山崎) 誠司

  芸術と文化の薫り高き都チェコ・プラハ、私は5月4日から同29日までの4週間、プラハ・チャールズ大学所属モトル病院、IKEM病院にて臨床実習を体験してきました。
  私が本プログラムへ参加を希望したのは@海外での医療現場、および臨床実習を体験し、もって見識を広げたい、A日本とは異なる環境で自分自身の能力を試し、向上させたい、との思いからでした。実習を終えた今、心に残るのは大きな経験を積んだこと、素晴らしい体験をしたことへの満足感と、自分自身の知るそれとは異なる臨床実習の一部を経験し、自分自身の力と努力不足を痛感し、襟を正す思いです。
  私のプラハでの実習生活は毎日がとても興味深く、刺激に満ちたものでした。実習は全4週間のうち、モトル病院のHeart centerにて3週間、IKEM病院では移植科に1週間お世話になりました。Heart centerはチェコ唯一の小児循環器専門の集積施設であり、ワンフロアに術前評価の為の検査室、侵襲的治療の為のカテーテル室・手術室、術前後管理の為の病棟・NICUまで備えています。チェコおよび周辺国から先天性心疾患を持つ患者さんが集まり、毎日カテーテル治療1、2件、外科手術2、3件程のペースで治療を受けていました。施設設備自体としては改装されて間もないということもあるのでしょうか、私が今まで日本で見てきた病院のそれよりも洗練されていて清潔な印象を受けました。スタッフとして働く医師は全部で30人前後、外来、病棟、エコー検査、カテーテル、外科、麻酔チームで構成されています。毎朝7時半よりその日の治療を受ける患者さんについてカンファレンスを行なっており、チームや年齢、立場の垣根を越えて活発な議論が行われていました。医大付属病院での他科合同カンファレンスが毎朝行われているようで新鮮でしたが、施設のあり方として自然で合理的だと感じました。
  実習自体は朝のカンファレンスの後、その日の検査や手術内容から私自身の興味がある部門にお邪魔しに行くという勝手気儘を許して頂き、とても有難いものでした。そのお蔭もあり、3週間を通して右大動脈弓遺残症のエコー検査や、心房中隔欠損、肺動脈狭窄症へのカテーテル治療、総動脈幹症に肺動脈起始異常を合併した患者さんへのRastelli手術など、教科書で参照することは出来ても大学では経験できないような興味深い症例の検査や手術をいくつも見ることが出来ました。IKEM病院は先進医療を提供する、ここも大変洗練された病院であり、全肝移植や腎移植等、とても興味深い手術を見学することが出来ました。手術自体の手技の速さや医師同士の連携の良さも目を見張るものがありました。
  チェコではほとんどの方が、特に若い方ほどそうだと感じたのですが、流暢な英語を話されていました。チャールズの学生は国際クラス、チェコクラスの違いによらず皆さん英語に堪能で、自分自身の英語力の不足によるもの以外で、言語的な問題はそれほど感じませんでした。逆に言えば、英語力・医学的知識の両面で自身の能力不足、努力不足を痛切に感じる日々でもありました。私自身は残念ながら、チャールズ大学の実習生と共に実習を受ける機会にそれほど恵まれたわけでは無かったのですが、あるポルトガル出身の学生が指導医と淀みなく英語で議論しているのを見て、その内容を聞きながら随分と驚いたのを鮮明に覚えています。実臨床に基づいた視点と考察が、学部5回生の段階で出来ていることが私の驚いた点であり、チャールズの学生教育が優れていると感じた瞬間でもありました。私の日本での臨床実習に対する参加態度を振り返ってみると、反省すべき点が多く、特に積極性という面で考えたとき、改めるべきものが多いと感じました。チェコでの留学はこれまでの自分自身を一度切り離し、反省し軌道修正する機会を得た、という点でも私にとって重要なものになったと考えています。
  以上のように私の実習体験は非常に恵まれたものとなりました。それに加えてチェコは本当に素晴らしい国です。自然も建築物も美しく、オペラやコンサートなども気軽に楽しめ、美術館も数多くあります。食事も繊細な味付けでこそありませんが、美味です。今年からモトル病院からプラハ中心地へ地下鉄が直通となりました。私の一ヶ月間は、刺激的で興味深い実習と、チェコの文化の美しさに溺れているうちに終わりました。この一か月間があったのも何より現地の素晴らしき友人達と、共にチェコへ留学した同級生との絆があればこそで、彼らの友情の素晴らしさに感じ入った一ヶ月間でもありました。かの幸福な日々は一生涯忘れることはないでしょう。今はこのプログラムがこれからも長きにわたり続き、後輩達にとっても良き道標、実習体験をもたらすことを願っています。
  最後とはなりましたが、このような素晴らしい臨床実習を準備し提供して下さった和歌山県立医科大学国際交流センター、第2生理学教室前田教授をはじめとした諸先生方、提携を結ぶきっかけを作って下さったアラン先生、最後までサポートして下さった林さん、チェコ現地でお世話になりましたHeart center Dr.Chaloupecky、IKEM病院移植科Dr.Fronec、そして現地で金の思い出を提供してくれたチェコの友人達へ、改めて心からのお礼を申し上げ報告書の結びとしたいと思います。本当にありがとうございました。

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