和歌山県立医科大学国際交流センター
| ENGLISH | JAPANESE |

留学生の体験談

体験談

UC DAVIS 留学体験記

糸川 恵梨

私がこの留学プログラムに応募したのにはいくつかの理由があります。まず、英語に昔から興味を持っていて、高校のときの交換留学に参加して以来、機会があればできる限り語学を長期で勉強してみたいとずっと思っていたということが大きなきっかけだと思います。この大学に入学する前から、このプログラムがあることを知っていたので、ぜひ参加したいと思いました。募集がかかった頃には、英語に興味があるということだけでなく、今まで大学で学んだことやearly exposureなどで病院を見学したことなどから、アメリカではどんな教育があり、病院の様子などは日本と違うのか、同じなのか、同じ医学部の学生は普段どのように日々を過ごしているんだろうかなどたくさんのことに興味がわいていました。また、なかなか普段の長期休暇ではできない2ヶ月ものアメリカ滞在が可能なうえ、医学の勉強もしっかりできるので絶対に参加したいという思いが日に日に強くなっていました。そして、運良くこのプログラムのメンバーに選抜していただくことができました。
Sacramento空港につくと、host motherのJoanさんと私のラボのボスである泉屋先生が迎えにきてくださっていました。お会いするまでは、少しドキドキしていましたが、お二方ともすごく気さくで、お優しかったので、初日からすごく安心しました。ホームステイ先につくとhost fatherのDavidさんが大きな笑顔で私たちを迎えいれてくれました。そして、楽しい会話をしながらその日を終えました。
ラボ初日、泉屋先生がバス停まで迎えにきてくださって、みんなそれぞれのラボへ案内していただきました。そして、この留学プログラムをつないでくださっているもう一人の和医大出身の高田先生にご挨拶をした後、私も自分のラボへ向かいました。
普段の日常会話をするに当たっては、それほど心配はしていなかったのですが、やはり、研究となると、正直なところ英語で指示を聞き、実験を理解することが果たしてできるのかなという不安は少しありました。
ラボに入るとラボメンバーを紹介していただきました。Dr.泉屋ラボにはメンバーは5人いて、泉屋先生とその奥さん、大阪大学からの中野先生、Dr.フェン、そして私のメンターのDr.Mell (皆さん彼をCorkyさんという愛称で呼んでいました)です。このラボは、ヘルペスウイルスに注目しているそうです。紹介の後、泉屋先生からラボについてと、私がこの2ヶ月でする研究の概要を説明していただき、そしてさっそくCorkyさんと実験を始めました。Corkyさんはもちろん英語を話すので、英語で指示を聞き、実験の準備をしていきました。すごく丁寧でゆっくり優しく教えていただけたので、わからないことがあれば自分から質問しやすかったです。
私はウイルスがどう発癌に関わるのかということをテーマに研究を行いました。
はっきりとした実験結果は得られなかったのですが、この2ヶ月間のラボ生活を通して、研究とはどういうものなのかということが少し実感できたと思います。今まで学校でしてきた実験はほぼ予想通りに結果が得られるものがほとんどでしたが、実際の研究では、予想通りの結果が出るとは限らないし、今回のように結果をみるための実験より前の段階の実験で上手くいかず、当初のプロトコールを変更しなくてはいけないこともあります。でも望んでいたものと違う結果であったとしても、またそこから実験を見直して、次の実験に活かすというのが実際のスタイルであるということが体験できました。そして、そのために、毎日きちんとどういう手順で実験を行ったか、結果はどうであったかなど、事細かに記録し、データも整理しておくことが重要であるということです。
実際に私も実験ノートを毎日必死で書いていました。Corkyさんから英語で教えてもらう情報を聞き取り、書き留め、そして実験することはすごく集中力がいるものだったので、家に帰ったときは毎日へとへとになって、スクールバスの中で寝てしまうこともありました。しかし、家に帰ると、おいしい夕ご飯と、元気いっぱいのJoanさんとDavidさんが待っていてくださって、楽しい会話と共に疲れも忘れ、時間も忘れ、気づけば寝る時間になっていたとゆう毎日でした。本当に寝る時以外は、お話したり、一緒にテレビを見て笑ったり、ゲームを教えてもらったりホストファミリーとずっと時間を過ごしていました。
平日はラボで充実していましたが、休日もいろいろ旅行やパーティー、ショッピングなどすごく充実しました。特に、連休にJoanさんに連れていっていただいたヨセミテ国立公園はその自然の壮大さに感動し、リフレッシュできた休日となりました。
ホームパーティーでは、JoanさんとDavidさんの広い人脈のおかげで、たくさんの人と出会い、お話をする機会がホームパーティーを通じてたくさんありました。お話をすることで、Joanさん達とはまた違った話し方の英語を聞いたり、人それぞれの生活スタイルや人生観の違いを感じたりすることができまた。
他には、カリフォルニア大学の医学部の学生に病院内を案内していただいたり、井口くんのホストファミリーと仲のよい方のおかげで、アニマルセラピーを見学させていただくことができました。
アニマルセラピーは日本ではまだまだ珍しいものではないかと思います。案内していただいた方は、動物が患者に与える影響を研究し、アニマルセラピーを勧めておられる方です。今回はCanine Companions for Independence (CCI) という世界最大の介助犬、聴導犬育成団体のトレーニングの一部を見学させていただきました。
ボランティアの中には中高生もいました。印象的だったのが、15匹以上の犬がそのまま病院内には入り、病室まで行くということです。日本だったら、まずこういう状況はきっとないし、一度にこんなにもたくさんの犬が病院に入ってきたら、アニマルセラピーがまだまだ普及していないために患者の混乱を招くなどの様々な問題が起こるだろうと思いました。それと、今回のトレーニングは小児病棟で行われたのですが、子供達は犬を見るとすごく喜んでたくさん犬の周りに集まりました。もちろん、犬を怖がって扉を閉めてしまう子供も数人いました。病室の中には1歳くらいで、何本ものチューブにつながれている子もいましたが、健気に犬と触れ合って喜び、自分から歩いて犬を追いかける様子も見かけました。
今回の経験を通じて、医療従事者としてアニマルセラピーという動物の恩恵を受ける方法もあるということを念頭に置いておこうと思います。そして、動物に対する病院内の意識を変えていく上で、私たちの役割が大切だということもわかりました。
アメリカに来て、1番感じたことといえば、自主性の大切さです。自分から何か主張しないと、何も始まらないです。
全部自分のペースでやりたいようにできる、しかし、もし何かあっても全部自分の責任であるということです。ラボでも、家の中でもそうでした。やりたいことがあれば、自分から言ってみることです。協力できることであれば、相手方も進んで協力してくれますし、無理なことはきっぱりそれはダメと言われます。アメリカ人は本当にきっぱり断ります。日本人は無理なことでもきっぱり断れず、多少無理して受け入れてしまう傾向があるような気がしました。私自身がそういう傾向にあるので、時にはこういうところも見習わなければなあと思いました。
この滞在中、毎日私が心がけていたことは、積極的に会話をするということです。そのために、毎日話題を探すために、テレビでニュースを見たり、毎日の景色の変化に注意を向けたりしました。そして、嬉しかったのがどんな些細な、自分ではおもしろくない話題と思うような話題でもJoanさんたちは笑ってくれて、すごく毎日ポジティブに過ごすことができました。些細なことにも興味を持って、さらに自分の知識を増やそうとするJoanさんやDavidさんの姿を見て、私もそうしようと努めた結果、初対面で言語がちがっても自然と会話も弾むようになりました。
そして、英語が母国語ではない方と話すたびに思ったことは、私たちと同じくらい、またはより短い英語の勉強期間にも関わらず、英語を話す力の差に圧倒されました。その度に、もっと英語を話せるようになりたいと強く思いました。
2ヶ月間は本当にあっという間に過ぎました。毎日忙しくも本当に楽しく、日本とはまた違う環境を体で感じ、たくさんのことを学ぶことができました。いろんな刺激を受け、これからの勉学に励みたいと共に、また海外留学もぜひ挑戦したいと思います。
家族の一員としてたくさんの愛で迎え受け入れてくださったJoanさんとDavidさんには感謝でいっぱいの気持ちです。一緒にこの2ヶ月間、勉強も遊びも共にした仲間にも感謝です。お互いに毎日助け合いながら過ごして、また仲が深まったと感じるたびに嬉しくなります。
最後になりましたが、今回このような大変貴重な機会を与えてくださった学長の岡村先生、国際交流センター長の前田先生、林さん、アラン先生、カリフォルニア大学の高田先生、泉屋先生をはじめ、この留学プログラムに協力していただいた全ての方々に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

copyright(c)2008 wakayama medical university, all right reserved