研究活動

心臓のCT

心臓血管疾患において、画像診断は診療の要である。
旧世紀まではカテーテルを用いた侵襲的検査である血管造影法がそのgolden standardとされてきた。その一方で、旧世紀末からの非侵襲的画像診断法の進歩は著しく、臨床での有用性は加速度的に増してきている。
特にCTの進歩は目覚しいなどという陳腐な表現の域を超え、血管造影法を凌駕する情報をも提供するに至っている。
CTの機器の変革は1989年に開発されたヘリカルCTの登場に始まった。そして、1998年の多数の検出器列を有するMDCT(multidetector-row CT)の出現により、心臓血管の画像化が現実に臨床で応用されるようになり、循環器疾患の画像診断の体系に地殻変動を及ぼすことになる。
当初は4列の検出器列であったMDCTは、2002年には16列、2004年には64列の検出器を有する機器が臨床の場に華々しく登場し、時間分解能、空間分解能は飛躍的に向上した。
すなわち、今や、CTで心臓・冠動脈疾患の対象となる“動いている臓器”を短時間の撮像で高精細かつ3次元的な静止画像として描出できるようになったのである。
MDCTの登場によって、非侵襲的に冠動脈狭窄や冠動脈起始異常、冠動脈バイパスなどの解剖学的な形態診断が容易になっただけではなく、冠動脈のプラーク量や分布、性状診断などの、血管内腔の造影剤の影を見ていただけの血管造影では得られなかった情報を収得することが可能になってきた。
当科では、MDCTの適応を非典型的な胸痛を訴える患者や動脈硬化の危険が高い患者などのスクリーニングのみならず、その非侵襲的特徴を生かして、心筋梗塞部位の機能予後(バイアビリティー)診断などの更なる臨床応用を検討している。
カテーテルを用いる血管造影検査にとって代わり得るMDCTのさらなる進化は、患者にとって大きな福音となるであろう。

図1 CTで高精細かつ3次元的な静止画像に
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図2 MDCTで冠動脈のプラーク量や分布、性状診断などの情報を収得
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図3 心筋梗塞部位の機能予後(バイアビリティー)診断
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