研究活動

NIRS-IVUS(near infrared spectroscopy-IVUS)

当科では、急性心筋梗塞・狭心症に対し、年間約200例の冠動脈インターベンション(PCI: Percutaneous Coronary Intervention)を施行しており、現在その数は年々増加の一途にある。
冠動脈造影検査は、血管の狭窄を評価する検査であり、PCIを行う上では必須である。ところが、この方法は、冠動脈内腔を通る造影剤を影絵として評価しているため、PCIを行う上で必要とされる、冠動脈病変に関する情報が十分とは言い難い。
また、急性心筋梗塞は冠動脈内のプラーク破綻とそれに引き続く血栓形成により生じる。これらのプラーク破綻の多くは、高度狭窄を有さない病変から生じるため、冠動脈造影検査では、これらの破綻する可能性のある「危険なプラーク」を評価することはほぼ不可能に近い。
これに対し、血管内超音波検査(IVUS: Intravascular Ultrasound)は、冠動脈病変の血管径や病変長、脂質プラークの位置や偏りなどのPCIを行う際に有用となる情報を得ることができ、現在臨床で広く用いられている。しかし、従来のIVUSでは、白黒で表示された画像により石灰化などプラーク性状を部分的に観察することができるものの、脂質の性状の評価には限界があった。
近年NIRS(近赤外線分光法)が臨床応用され、血管内の脂質コアプラーク(LCP)の検出システムが開発された。NIRSを用いたシステムはこのLCPを検出することが可能な唯一のシステムで、さらにこの機能を血管内超音波と組み合わせたNIRS-IVUSが開発され、現在、国内での製造販売承認が許可されている。
下図の画面左のように、血管内のIVUS画像に加えて、その周辺にケモグラムと呼ばれる色彩の表示を備え、その色彩の変化でLCP の可能性を4 段階「(低い)赤 薄橙 黄(高い)」で表示する。画面右には血管全長のケモグラムが表示され、LCPの可能性の高い部位(すなわち黄色の部位)を1画面で確認することができる。
われわれは、これらのモダリティを用い、急性心筋梗塞や狭心症をはじめとした冠動脈動脈硬化の病態を理解し、診断、治療に生かせるよう日々取り組んでいる。

図 狭心症患者のNIRS-IVUS像
脂質コアプラークは画面左ケモグラム内に黄色の成分(赤矢印)で表示され、画面右のように冠動脈全長の脂質コアプラーク(青矢印)が1画面に表示される。

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