| 寺本 ゆみ 看護師長(7階東病棟) |
私は看護師になって24年目となります。長い経験の中で、順調なときもあれば上手くいかないときもありました。看護の質の向上、質の高い看護サービスの提供が求められる中、少ない看護スタッフで日々業務に追われ、業務をこなしていくことだけで精一杯の毎日でした。また、ニュースや新聞では毎日のように医療事故の報道を聞かされ、院内でも事故防止対策などに取り組み、マニュアル作成や記録の徹底など、しないといけないことがドンドン増え、日々、強い緊張感と恐怖とプレッシャーで身も心もボロボロになりました。ふと鏡を見ると、やつれた自分がいて、何のために看護師になったのかと、考えさせられました。時間外労働、サービス残業も多く、朝1時間前に出勤するのは当たり前で、残業も当たり前。休日も出勤して係りの仕事や会議に研修と追われ、家庭との両立も難しかったです。
子どもが小さい時期は、夫や同居している夫の両親との間で、仕事と子育てに関して、日々の細々としたトラブルや膠着したままの問題も抱えてはいました。ささやかな行き違い、サポートのない中で、もがいているような感覚を味わう瞬間、それに伴い感じる無力感をいくつも体験してきました。周囲の人も様々なことを言います。ただ、若い時は続けられたらいいし、続けられなかったらいったん辞めて、またいつか復帰すればいいくらいに思ったこともありました。また、同期をみるとぼやぼやしていちゃいけないだろうと思うけど、家のため、夫のため、子どものために仕方がないと思いながらも、なかなか決められず、迷いがありました。ただ、自分のなりたかった看護師の夢にすがって、ひたすら頑張る日々で、現在はその時期を乗り越え、順調に仕事に臨んでいます。
私は母親に言われた言葉があって「自分一人できることの限界を知り、謙虚さをもち家族の力を借りることができる素直さが必要であり、そうすることが仕事と家庭を両立させることにつながる」と・・・いわれました。それだけでできるというものでもなく、私が心がけてきたことに、「忙しさを見せない」ことだと思うのですが・・・。これがなかなか難しいことなのです。家族、特に子どもに対して、忙しくない様子をしたいと、そうしなければいけないと自分を律しつつも、なかなか難しく、永遠の課題ではありますが、あとではダメなことがあるのです。子どもときちんと向き合うことは、「あとでね」と子どもに言って自分の都合を優先することのないように、忙しいから、時間がないからできないというものでもないと感じています。仕事と遊びの切り替えを上手に、今する仕事と、後でしても大丈夫な仕事をチョイスして、さらに順番がある中でも、何が一番大事なのか選びながらすることです。
20年以上にわたって、忙しく日々を送る私にとって、この時間は心地よい時間になっています。
医療の現場においても、限られた期間の限られた時間の中で、そして限られた人数で、本当にぎりぎりのところで仕事をしています。患者さんとの心にとまるエピソードや、心に残る出来事がうまれてくるので、仕事の達成感も得やすく、やりがいという大きな収穫物にもなります。働きながら子育てするにはいろいろできることから試していきましょう。