公立大学法人和歌山県立医科大学 育児支援プログラム

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ロールモデルの紹介

仙波 恵美子 先生 大切なのは思いやり
仙波 恵美子 先生(解剖学第二教室教授)
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医師になる決意

医学部に行きたいと言ったときは、まず親に反対されました。卒業までに6年もかかったら婚期が遅れる、女がそんなに働く必要はないと言うんです。当時は周りもそんな風潮でした。でも、私は女性も仕事をもって男性と対等にやっていくべきだと思っていたので、どうしても医学部に入りたいと思いました。

結婚と家事・育児

私が夫と結婚した理由の一つに、夫が、結婚しても女性ももちろん仕事を続けるべきだ、自分もできるだけ支えるからと言ってくれたことがあります。これからの時代は女性も男性と同じように働くべきだという考え方が一致したのです。夫は母親が看護師として働いていたのを見ながら育ったので、自然に、女性が働くのは当たり前だと感じていたのだと思います。
子どもが小さいうちは、私が家の近くの病院に勤めていたこともあり、家事や育児の中心は私でしたが、育休を取ろうという考えはまったくありませんでした。産休はとりましたが、当然のように産休明けから働いたんです。
二人目の子ども(長男)が生まれたときは、保育所に入れなかったので、看護婦さんたちと一緒に、院内保育所を作ってほしいという運動をしました。病院側がそれを聞いてくれ、産休明けから子どもを院内保育所に預けて働くことができました。
今でも待機児童が多いというニュースを聞くと、30年前と状況は変わっていないんだなあと感じます。少子化が社会問題になっているのですから、少なくとも、保育所ぐらいは完備されるべきですよね。

留学を支えてくれた夫

その後、私は神経解剖学の研究のため、米国・マニトバ大学に留学することになりました。夫は、「研究をしていれば留学の機会があるのは当然だから」と、自分から仕事を休んで育児と家事をすると言ってくれました。育休をとる男性は今でも少数派ですが、25、6年前に夫がハウスハズバンドをするという話を聞いたときは、「男のクセに」「男の風上にも置けない」という人と、逆に「素晴らしい」と言ってくれた人、両方いました。今でも賛否両論でしょうね。 予定では留学は2年間だったのですが、夫は一年で子どもを連れて帰国してしまいました。それだけ、家事や育児は大変だったのですね。

育児体験は医療人を成長させる

女性が自分の能力を最大限に伸ばすことは大切ですし、そのためには自分を支えてくれる家族も必要です。どちらか一方だけというのは私にとってはあり得ません。
それに、育児を経験することは思いやりをもって仕事をするという意味でも大切なことだと思います。もし子どもに恵まれたら、その機会を生かして、夫婦で協力して育児をすることで、自分自身も成長できると思います。とくに、医師や看護師といった医療人は、仕事以外に、育児も含めて普通の人がやっているさまざまなことを経験したほうが、患者さんの立場に立った医療ができると思うんです。そういう意味で、私は育児を通してさまざまな経験ができて本当によかったと思います。

これからの社会に

女性上司が増えることも大切だと思います。職場で女性が働くことを、同じ立場に立って考えられるのは、同じ経験をした女性ではないかと思います。そういう意味で、上に立つ女性が増えるといいですね。

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