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研修プログラム

希望に応じたCustom-made研修

 参考に卒後10年目スタッフ(医師3年目で入局の場合)の実際の研修課程を例として示します。その時々の勤務状況や病院全体のシステム・方針などに影響をうけることがありますが、下記研修例にとらわれることなく、ER・HCU・ICU各部署の研修希望に従って各個人オーダーメイドのトレーニングがうけられるよう可能な限り調整します。

実際の研修課程例

 主に以下のような種類の研修を組み合わせて幅広いトレーニングをうけます。

ER

 後期臨床研修時(医師3年目)に、義務研修として先ずは他診療科入局者とともに数ヶ月間ER初期診療に従事します。義務研修終了後も、希望であればER初期診療を重点的に研修することができます。

 救急隊や他医療機関からの収容・転送要請の対応から初期病態診断・急性期方針決定までの全てに関わることで、ER医としての修練が可能です。

 同学年の他科医師とは、横のつながりが強化されるだけでなく、初期臨床研修時とは違い既に専門科入局後のためお互いの専門科技能を共有することができ、非常に良い刺激となります。

 また夜間・休日含め院内の各専門診療科への随時Consultが可能であり、専門科の診療過程・方針や専門的処置を間近でみることも大変勉強になります。大学病院という最先端医療を含む各専門科集団をBack−UpとしてER初期診療を実践することができるため、後期臨床研修以降の土台作りとして有用なトレーニングが積めます。

 和歌山市には市立/県立病院がなく当院がその機能の一部を担っていることもあり、感冒などの直接来院患者から各種ショック・CPAOAなどの超重症患者まで、内科系・外科系問わず1次〜3次救急の様々な病態・重症度の初療を経験します。

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HCU/SCU

 HCU/SCUは救急というよりも地域医療の中心となる病棟です。ICU入室以外の救命救急センター主科患者の複合病態管理を学ぶことができます。

 HCU病棟医として院内各内科からの応援医師が主に指導にあたり、外科系スタッフも含めた全員で診療を進めます。ICU管理が必要とならない外科系患者でも、通常の市中病院や専門各科で管理困難な内科的基礎疾患の重複によりHCU入室となることがほとんどです。このあらゆる複合病態の全身管理は、内科的・外科的な超急性期〜亜急性期(必要あれば慢性期まで)管理、さらには和歌山県内の市中病院への転院調整なども含め地域医療を十分に理解する必要があるため、救急初療だけではない患者さん・ご家族の社会背景にまで踏み込んだ地域医療を経験します。

 またHCUはICU入室患者の後方ベッドでもあり、重症急性期を乗り越えた後の再増悪防止を含めた比較的細やかな亜急性期〜慢性期管理も必要になります。ICU入室中の重症患者は鎮静などの理由で本人との直接コミュニケーションが困難ですが、退室後HCUで患者さん本人や家族と会話しながら治療を進めていく過程により、救急初療・集中治療のみでは不十分となりがちな患者-主治医関係に重点を置いた医療も経験できます。

ICU

 大学病院内の全ての重症患者に対する集中治療管理を学びます。当救命救急センターICUは、

  • 当センターを含め県内に救命救急センターが3施設しかないため、超重症の救急症例が集積される
  • 心臓血管外科・消化器外科などの循環・呼吸の変動しやすい定期手術直後の集中治療管理に毎日接する
  • 院内他科の内科系・外科系全て(小児科含む)の患者の急変・重症化した後の集中治療管理に従事できる

 といった特徴が主に挙げられます。

 当救命救急センターは元々、心臓血管外科術後急性期を中心に集中治療管理を行っていたICU(高度集中治療センター)を母体としているため、救急部主科(自科)のICU管理だけでなく、待機的な心臓血管外科手術(冠動脈バイパス術・心臓弁置換術・大動脈置換術・小児先天性心疾患など)・消化器外科手術(食道癌手術など)といった呼吸・循環の変動しやすい術後管理や、院内専門他科の重症化・急変症例の全身管理も担当しています。毎日毎日これらの他科重症症例の管理を濃厚に経験することができるため、重症患者という共通項を通して内科系・外科系の垣根にとらわれることなく幅広い全身管理を学ぶことができ、結果的に自科救急症例の集中治療管理にも応用が利きます。集中治療管理には他専門科との円滑なコミュニケーションが不可欠ですが、各専門科や重症度・病期の交差点ともいえる当ICUでの修練は、適切な専門科コンサルトのための共通言語習得・タイミング判断のトレーニングともなります。

 また当ICUにはPICU(小児ICU)としての機能も含まれ、成人だけでなく新生児先天性心疾患術後も含めた重症小児症例の集中治療管理にも従事します。

 このように他科の急変・重症化・待機術後も含む病院内全ての重症患者管理に根幹から関わるため、北米型ERや救急部主科入院のみの病棟管理をしている(他科の重症患者管理はしない)通常の救命救急センターと比べて、格段に早い重症管理/集中治療スキルのレベルアップが得られます。このような形態でドクターヘリ含む救急初療と集中治療管理の両方に関わっている救命救急センターは日本全国でも希有で、当救命救急センターで研修する最大のメリットの一つと考えています。

 ER医(ER初療のみを担当)を目指す先生方にも、集中治療に関するスキルは必要と我々は考えています。集中治療は閉ざされたICUの限られた最重症患者にのみ有効な診療技術では決してありません。上記のような特徴を持つ当ICUで集中治療を学ぶことで、ERやドクターヘリ現場での重症患者初療、HCU/一般病棟での内科系・外科系患者の急変時・病態増悪時の急性期管理、さらに最も重要な、急変防止のための平常時・慢性期管理に自信がつき、緊急時に必要な救急手技と、それを的確に遂行するための迅速な病態把握が可能となります。最重症を毎日みていることで病態増悪前(病状安定時)でも2歩先・3歩先以上の重症化予想ができるようになり、そのような最重症とならないための平時管理が自然と身についてきます。これは当センターが推進するMET(Medical Emergency Team)の理念にもつながります。

標準化診療スキル

 標準化診療スキル習得のため、Off the Job Trainingとして各トレーニングコースを受講します。入局者又は入局予定の方は最もベーシックな「BLS/ACLS」「JATEC」コース受講費(初回のみ)の補助が受けられます。※受講予定の方は必ず事前に医局までご連絡下さい。

ドクターヘリ

 ドクターヘリ搭乗研修として以下のような修練の後、実際にフライトドクターとして勤務します。

  • ER/ICUで緊急処置含めた基本的なトレーニングをうける
    気管挿管・緊急気道確保・胸腔/心嚢ドレナージなど
  • BLS/ACLSやJPTEC/JATECといった標準化診療技術を習得する
    Off the Job Trainingで常識的な技術を学びます
  • OJTとしてフライトドクターと一緒にフライト実績を積む
    必要に応じて基地病院以外への転送も考慮するため、和歌山県内の各病院機能把握含め地域医療の理解が不可欠です

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サブスペシャリティ習得

 前述の専門技能に加え、サブスペシャリティとして専門的な技能習得に関しても修練が可能です。外科・放射線科に関しては、既にサブスペシャリティとして専門医認定を取得した当センター所属の救急科専門医が後期臨床研修開始時より指導にあたります。

 また必要に応じて、各研修に適した院内他科・他施設などでトレーニングします。例として、外科・消化器内視鏡・放射線科・感染症科・麻酔科・集中治療などが選択できます。またこれら以外の技能習得に関しても適宜相談に応じます。新たな専門技能習得の提案は医局員全員の臨床力をも強化すると考えており、むしろ大歓迎です。

専門医取得

 当救命救急センターは、救急科専門医/指導医指定施設(日本救急医学会)・集中治療専門医研修施設(日本集中治療医学会)・外傷専門医研修施設(日本外傷学会)・ドクターヘリ指導者認定指定施設(日本航空医療学会)であり、それぞれの専門医取得が可能です。

 必要な研修期間修了・症例登録・論文作成について、上級医が指導・協力します。外科・放射線科などのサブスペシャリティ専門医取得に関しても、希望に応じて取得できるよう調整します。

研究活動

 希望に応じて、学位取得も含めた研究に従事することができます。学会発表や論文作成などの一般的なアカデミックワークに関しては後期臨床研修の時期から並行して行っていきます。一つの研究テーマに関して追求する姿勢は、必ず臨床へも良いフィードバックとなると考えています。

 さらに学位取得へ向けた臨床研究・実験研究は、サブスペシャリティ習得後の方が動機づけ・テーマ発見に関して有利である場合もあり、ひととおりの研修が一巡した時期からの本格的な研究従事になることが多いです。医局内での先行研究に先輩・後輩問わず多人数で関わることもあり、新たな研究テーマ創出や研究スキル習得などに医局員全員で取り組んでいます。

 また大学院入学による研究従事のコースも選択可能です。

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